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2016.08.13 オリンピック

【メダリスト会見】萩野選手「それぞれのメダルにいいものが詰まっている」

【メダリスト会見】萩野選手「それぞれのメダルにいいものが詰まっている」
萩野公介選手と金藤理絵選手、柔道男子の羽賀龍之介選手が会見を行った(写真:岩本勝暁)

 リオデジャネイロオリンピックの競泳男子400m個人メドレーで金メダル、同200m個人メドレーで銀メダル、4×200mリレーで銅メダルを獲得した萩野公介選手と女子200m平泳ぎで金メダルを獲得した金藤理絵選手、そして柔道男子100キロ級で銅メダルを獲得した羽賀龍之介選手が12日(現地時間)、TOKYO2020 JAPAN HOUSEで記者会見を行い、メダル獲得から一夜明けた心境を語りました。

――昨日メダルを獲得し、一夜明けての率直な感想を伺います。今回初出場となるオリンピックで見事、この階級では2000年のシドニー大会の井上康生選手(現・男子柔道日本代表監督)以来のメダルとなる銅メダルを獲得しました柔道男子100キロ級羽賀龍之介選手、感想を一言お願いします。

羽賀選手 いつも通りの国際大会と同じように、朝起きたときに筋肉痛で「ああ痛いな」と思って起きて、その次に「ああやっぱり金メダル欲しかったな」って朝一番に思いました。オリンピックも一区切りということで終わってしまったので、これからできることはなんで(金メダルを)取れなかったというのをとことん考えていって、次の目標がまだ定まっていない部分がありますので、そこを考えてこれから生活していきたいなと思います。

――続きまして400m個人メドレーで金メダル、男子4×200mリレーで銅メダル、そして昨夜200m個人メドレーで銀メダルを獲得しました萩野公介選手、よろしくお願いします。

萩野選手 今回のオリンピックは全力で出し切ったオリンピックでしたし、だからこそうれしいこともあったし、実力がまだまだ足りないなというふうに思った大会でした。まだ競泳競技は続いていますし、オリンピック全体はまだ終わっていないですけれども僕の競技は終わって、今思うのは、4年後もっともっと強くなってオリンピックの舞台でまた最高のパフォーマンスを、これ以上の最高のパフォーマンスをしたいというふうに心の底から思っているというところです。

――競泳陣で初の女性のキャプテンを務め、女子200m平泳ぎにおいて92年のバルセロナ大会の岩崎恭子選手から24年ぶりに金メダルを獲得しました、競泳の金藤理絵選手、よろしくお願いします。

金藤選手 終わった直後は金メダルではありましたが、タイムの方が納得いくものではなかったので、少し微妙な、喜んでいいのかどうすればいいのかよく分からないという状況ではあったんですが、たくさんの人に喜んでいただいて、またたくさんの連絡も頂いて、そして今このメダルをかけて、重みを感じながら今ここに座ることができていて、とてもうれしく思います。今まで数々の世界大会の方には出場させていただいて、メダルを取るチャンスがあったにもかかわらず取れなくて、やっとメダルを取れて皆さんにこのメダルを持ち帰ることができて本当に良かったなと、うれしい気持ちでいっぱいです。

【メダリスト会見】萩野選手「それぞれのメダルにいいものが詰まっている」
萩野選手は競泳陣の好結果の要因にチーム力を挙げた(写真:岩本勝暁)

――金藤さんに質問です。大会の前から、大会が始まって自分の競技が始まるまで、そして決勝の前であっても終始落ち着いていられる姿がとても印象的だったんですけれど、そこまで落ち着いていられた要因は何だったのか教えてください。

金藤選手 もちろん不安はずっとありました。それでももうここまで来たらやるしかないという気持ちと、そんな不安も一緒に包み込んでくれるじゃないですが、支えてくれた加藤(健志)コーチや、もちろん他のコーチの方々や、日本で応援してくれている人たちの気持ちを考えたらとても笑顔に過ごせました。

――金藤選手と萩野選手に質問です。金藤選手はキャプテンとして北島康介選手が引退した後のチームを引っ張っていく存在だったと思うんですけれども、そういった圧倒的な存在感がある方が引退した後、チームをどのように引っ張ってこのような水泳陣の結果につながっているのかというのを伺いたいのと、萩野選手はエースとして今のチームをどのように引っ張っていったり、どういった取り組みをしているのか、その辺を伺いたいと思います。

金藤選手 北島選手という大きな存在が抜けたことは、本当に誰もが心細いと感じたりしているところではあるんですが、最年長の松田(丈志)選手だったり、もちろん他のコーチ陣の方も、みんながチームのことを考えていろいろアドバイスをくださって、私自身も相談しやすいような雰囲気というかそういう場を作ってくださったので、もちろん若い選手も多くて大変な部分もありはしたんですが、おそらく選手全員が、特に社会人の選手なんかは北島選手の分もやらなきゃいけないっていう気持ちがあったからこそチームがひとつになったと思いますし、今回メダルも多数取ることができたと思います。この後まだ2日、特にメドレーリレーもあるので、さらなる活躍ができるんじゃないかなと思います。

萩野選手 僕がエースかどうか分からないですけれど、まず今のようなチームがあるというのは、選手それぞれ、選手1人ひとりがチームのことを思って、自分がどういうふうに行動すればいいのかを考えて行動しているということ。自分の立場、それぞれの役割というのを考えて行動しているというのが、今の競泳のチームを支えているんじゃないかなと思います。また自分は初日にレースがありましたので、まずは自分の役割としては初日にいい結果を出すことだなと考えて泳いでいたので、その後も理絵さんだけじゃなくて本当に先輩方がチームのためにいろいろと、僕たち下の方の年代の選手も考えながらそうですし。特に(松田)丈志さんの言葉っていうのも、丈志さんだったり何回もオリンピックを経験されている方のメッセージっていうのは自分たち若手には響きましたし、そういったものがチームをぎゅっと引き締めて一段といいチームになることができたんじゃないかなと思います。

――松田選手の具体的な言葉で何か覚えているものはありますか?

萩野選手 大会前に選手だけのミーティングを行ったんですけれども、その中で「やはりオリンピックだから自分たちは戦う集団なんだ」というような話をしていただいて、それでみんなピリッとスイッチが入ったんじゃないかなと思います。

【メダリスト会見】萩野選手「それぞれのメダルにいいものが詰まっている」
競泳として初めての女性キャプテンとしてチームをまとめた金藤選手(写真:岩本勝暁)

――萩野選手に金、銀、銅と3種類取られてそのメダルの重さ、印象というのはどう違うのか。また羽賀選手と金藤選手には東京オリンピックについて、今どう位置づけられているかというのをお聞かせください。

萩野選手 200m個人メドレーの銀メダルは、やっぱりもうちょっと(マイケル・)フェルプス選手(アメリカ)といい勝負がしたかったですし、僕もそれに向けてトレーニングを積んでいたので、正直悔しい気持ちもあるんですけれども、ですけれどやっぱりさすがだなというふうに思う部分と、これからもっともっと強くなりたいと心の底から思えるレースだったので、必ず強くなりたいなというふうに思います。銅メダルは4人で取ったメダルなので非常にうれしいですし、日本の競泳界にとってもすごい大きなことになっていると思うので、これを糧にもっともっと日本の自由形が強くなっていければいいなと思っています。金メダルの方は自分の目標にしていたので、まずは取れて良かったなという思いがあります。それぞれのメダルにこう……難しいですけど、それぞれいいものが詰まっているというふうに思います。

――それでは羽賀選手、もうひとつの質問の2020東京に向けてということでよろしくお願いします。

羽賀選手 今回オリンピックを初めて経験させてもらったんですけれども、結果的に銅メダルということで、次の東京オリンピックで結果を残すことで、この銅メダルというメダルに価値を持つことができると思うし、東京オリンピックで結果を残すためにこの銅メダルを絶対に無駄にしないぞという気持ちで、これからは次のオリンピックに向けてできることを考えて、努力していきたいなと思っています。

金藤選手 今のところ競技者として東京オリンピックに携わるということは考えられません。しかし、何かしらの形で携われたらいいなと思いますし、東京オリンピックのときにもっとたくさんの選手が力を発揮できるようなサポートを今後、4年後はしていけたらいいなと思っています。

――一今食べたいもの、今したいこと、そして会いたい人を教えてください。

萩野選手 僕の食べたいものはもうラーメンで決まっているので間違いなく。5月の末から食べていないのでそろそろ本当に危ないような状況で(笑)、本当にもうそろそろ精神がおかしくなっちゃいそうです。したいことは、とりあえずちょっと疲れちゃったので、まずはみんなの応援がしたいですね。まだメドレーリレーが残っていますし、最高のパフォーマンスをチームメイトの先輩たちとかがしてくれると思うので、全力で応援したいと思います。会いたい人は、家族ですね。僕の200m個人メドレーの決勝のレースを見るより先に日本に帰ったので、ちょっと一言言いたいなと思います(笑)。

羽賀選手 食べたいものは、お酒も絶っていたのでビールを飲みたいなって試合が終わってから思っていて、昨日も飲めなかったので、日本に帰ったらゆっくりそういう時間を作りたいです。したいことは、柔道は今日最終日で今まで6階級、全階級で男子はメダルを取っているので、自分もプレッシャーを感じたし、(100キロ超級に出場する)原沢(久喜)選手も今プレッシャーを感じていると思うので、午後からは原沢のサポートに回りたいなと思います。会いたい人は両親が今回会場に来てくれていたんですけど、昨日も会う機会がなくて、スタンドで遠くから見るくらいだったので、両親には日本に帰ってからゆっくり時間を作って会いたいなと思います。

金藤選手 美味しいフルーツタルトが食べたいです。やりたいことは、8年前北京オリンピックに出させていただいたときは終わったときの率直な感想というか、これで私の北京オリンピックは終わったんだなという気持ちがあったんですが、今回は萩野選手と一緒で、たくさん応援してもらった分、私もあと2日間全力でみんなを応援したいなと思いました。会いたい人は、たくさんの人に会いたいんですが、今回応援ムービーを作っていただいたんですが、その中に地元のスイミング選手だったり、高校の同級生だったり、高校以来、卒業ぶりに見た人たちもいたので、地元の方に帰って同級生だったり地元の人たちに会いたいなと思いました。

【メダリスト会見】萩野選手「それぞれのメダルにいいものが詰まっている」
羽賀選手は4年前の男子柔道チームとの違いを話した(写真:岩本勝暁)
【メダリスト会見】萩野選手「それぞれのメダルにいいものが詰まっている」
それぞれが4年後の東京オリンピックへの思いを話した(写真:岩本勝暁)

――羽賀選手に伺います。先ほど皆さん全階級メダルを取ってきてプレッシャーがあったということでしたが、そのプレッシャーの中でどのように心を整えたりとか、または気持ちを高めたりして競技に臨んだのかというのを聞かせていただきたいのと、あと4年前の金メダルを取れなかった柔道の男子と比べて、この柔道男子日本代表はどのように変わっているのかということを教えてください。

羽賀選手 本当に毎日毎日柔道はメダルを取ってきていてプレッシャーもかかっているんですけれど、自分だけ取れなかったらどうしようとか、そういう思いを持ちながら選手はみんな戦っていると思うんですが、そうやって強い選手が重なって出てくることでチームの士気も高まっているし、後ろにプレッシャーをかけてやるぞという思いが、待っていて伝わるので、自分も昨日負けて3位決定戦に臨むときにすごい雑になってしまった自分がいたんですけれど、今まで日本チームがメダルを取っているということは自分も取らなきゃ絶対に駄目だと自分に言い聞かせることができたので、本当に強いチームで良かったなと思います。4年前のロンドンは自分は出場できなくて、補欠という形でオリンピックを見ていたんですけれど、そのときのチームと今は全然違って、個人種目ではある柔道なんですが、井上監督の下でチーム一丸となって戦うという意識が選手の中にすごくあります。今まで柔道にそういうチームみたいな意識って中々なかったと思うんですけれども、最終的に勝って井上監督に恩返ししたい、コーチに恩返ししたいという選手がすごく多くいるので、それが日本代表としていい雰囲気で試合ができていると思います。

――金藤さんに質問します。先ほど4年後競技者としては関わっていないんじゃないかという言葉がありましたけれども、近い将来、今年、来年といったところでの競技者としてこの先はどう考えていらっしゃいますか?

金藤選手 今年に関してはこの後ワールドカップに出る予定なので、短水路の試合になるので今回達成できなかった世界新記録を狙っていきたいなと思っています。来年以降はまだ何も決まっていない状態なのでワールドカップ等も終わって落ち着いたら、加藤コーチとじっくり話して決めていこうと思っています。

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