日本オリンピック委員会(JOC)は7月10日(日)、宮城県加美郡の加美町総合体育館で「オリンピックデー・フェスタ in 加美」を開催しました。
オリンピックデー・フェスタは、東日本大震災復興支援JOC「がんばれ!ニッポン!」プロジェクトの一環として、「スポーツから生まれる、笑顔がある。」をスローガンに、オリンピアンやアスリートがスポーツを通じて被災地の皆様とのふれあい活動を行うイベントです。
今回の参加オリンピアンは、水泳/競泳の中村真衣さん(1996年アトランタオリンピック4位入賞、2000年シドニーオリンピック銀・銅メダル)、水泳/シンクロナイズドスイミングの松村亜矢子さん(2008年北京オリンピック5位入賞)、スピードスケート・自転車の大菅小百合さん(2002年ソルトレークシティオリンピック出場、2004年アテネオリンピック出場、2006年トリノオリンピック8位入賞)、スピードスケートの黒岩敏幸さん(1992年アルベールビルオリンピック銀メダル、1994年リレハンメルオリンピック出場、1998年長野オリンピック出場)、野球の大島公一さん(1992年バルセロナオリンピック銅メダル)の5人。加美町内の小中学生ならびにスポーツ少年団員の合計58名が参加し、運動会形式のスポーツプログラムで交流を深めました。
開会式ではオリンピアンを代表して、大島さんが「『おはようございます』というみんなのあいさつが活力になります。今日は1日、みんなと心がつながるといいなと思っています。一緒に楽しみましょう」とあいさつ。開催地を代表して加美町の猪股洋文町長が「今日はオリンピアン5人を迎えて開催するのでみんな最後まで1日楽しんでください。体を動かして汗をかき、すばらしい素敵な大人になってください。今日がそのきっかけになればいいと思っています」と呼びかけました。
準備体操を経てのスポーツプログラムでは、5人のオリンピアンがチームリーダーとなり、「手つなぎ鬼」「大玉転がし」「5色玉入れ」「輪になろう」「綱引き」の5種目を実施。大菅さんは今回が初参加で、大島さんも運動会形式のフェスタは初めてでしたが、5種目を通じてチームプレーの楽しさを伝えながら、自身も笑顔いっぱいにフェスタを盛り上げていました。特に最終種目の綱引きでは優勝を目指しオリンピアンが声を出してチームをまとめる熱い戦いとなり、大いに盛り上がりました。
オリンピアンとのQ&Aでは、大島さんに対して「野球をやっていてうれしかったことはなんですか?」という質問が出るなど、参加者はオリンピアンの人となりを聞く質問をしており、他のオリンピアンも熱心に耳を傾けていました。
閉会セレモニーでは大菅さんがオリンピックデー・フェスタの聖火として各会場を巡る「つながる火」を紹介。オリンピアン全員からのあいさつでは、中村さんが「私も2004年、2007年と(新潟中越地震で)2回被災しました。本事業のスローガンでもある『スポーツから生まれる笑顔がある』のように今日の笑顔を忘れずにこれからもがんばってほしいです」とあいさつしました。
オリンピアン退場の際の見送りハイタッチでは、中村さんがシドニーオリンピックの銀・銅メダル、大島さんがアトランタオリンピックの銅メダル、黒岩さんがアルベールビルオリンピックの銀メダルを持参。子供たちは大喜びでメダルに触れたり写真を撮ったりしながら、笑顔が絶えない見送りハイタッチとなりました。またフェスタ終了後は会場内でサイン会を実施。オリンピアンと記念撮影するなど、より深いコミュニケーションの場が生まれていました。
フェスタ終了後、会場内会議室において、南三陸より避難され、現在も加美町で生活されている被災者の三浦徳子さんに昨年に続き講話をしていただきました。震災当日の写真等を準備していただき、オリンピアンはあらためて被害の大きさを感じていました。フェスタも観覧した三浦さんからは、「この事業は我々被災者からすると本当にありがたい事業です。スポーツを通して出る笑顔はすごい力を持っていると思います。オリンピアンの皆さんからいただく言葉も1つ1つが心に残ります」と力強いメッセージをいただきました。
関連リンク
CATEGORIES & TAGS