日本オリンピック委員会(JOC)は6月23日、都内で平成27年度「JOCスポーツ賞」の表彰式を行い、最優秀賞を受賞した体操競技の世界選手権大会男子日本代表チームら15人が出席しました。
今年度の受賞者は、最優秀賞、優秀賞、新人賞、特別功労賞、特別栄誉賞、女性スポーツ賞を含め15選手・団体。表彰式で竹田恆和JOC会長は、この6月23日が国際オリンピック委員会(IOC)が設立され、そして近代オリンピックの復興を提唱した記念すべき日、オリンピックデーであることを説明すると、「リオデジャネイロオリンピックまであと43日。選手の皆さまには今回の受賞がリオデジャネイロオリンピック、平昌オリンピック、東京オリンピックへの励みとなり、そして、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会を日本国民一体となって迎え、開催するにあたって核になってもらいたいと思っております」と激励。そして「選手の活躍があってこそ、大会の成功であります。皆さまにはさらに高い目標を掲げていただき、躍進し、その活躍を通して、オリンピックムーブメントの体現者として輝き続けることを期待しております」と、さらなる活躍の発展へとつながるよう、受賞者へお祝いの言葉を寄せました。
続いて、オリンピックデーを記念して乾杯の発声をとった平岡英介JOC専務理事は「リオデジャネイロオリンピック大会が目前となりました。この勢いをリオに向けて良好ないい成績を挙げていただくとともに、2018年の平昌、そして2020年の東京大会が素晴らしい大会にできることを、皆さま方といっしょに願っていきたいと思います」と述べました。
表彰式では、年度賞を受賞した選手たちに竹田会長から賞状、トロフィー、メダル、目録(報奨金)が、女性スポーツ賞には賞状とトロフィーが贈られました。
<出席者のコメント>
<年度賞>
【最優秀賞】
■世界選手権男子日本代表チーム(体操/体操競技)
・内村航平選手(個人として優秀賞も同時受賞)
「団体の金メダルをずっと目指してきて、ようやくここで獲ることができたのですごく嬉しいです。個人戦だと一人だけの喜びなんですが、チーム戦はみんなで戦って勝ち獲った金メダル。格別なものだったので、すごく嬉しかったですね。
(リオで戦うチームについて)予想していた通り、一番バランスの取れたチームになったと思います。性格的にもみんな違いますし、種目で見ても強い種目がみんなバラバラなので、体操的にも人間的にもすごくバランスが取れたいいチームだなと思います。
(リオ大会の位置づけは?)リオも団体の金メダルを一番の目標にしています。昨年の世界選手権で金メダルを獲っていい流れを作れたはずなので、その流れに乗っていい演技ができれば、金メダルは間違いなく獲れると思っています」
・加藤凌平選手
「オールラウンダーの選手をずっと目指してやってきて、僕自身ミスの少ない選手だと思っているので、6種目でチームを支えていければと思っています。
(現在の状態は?)昨年9月に左足首をケガして、復帰までに少し時間がかかりましたが、今は万全の状態で練習に臨めています。前回のロンドンオリンピックは初代表で右も左も分からなかったんですが、そのオリンピックの経験と世界選手権の経験があるので、今度は何も動じることなく試合に臨めると思います」
・田中佑典選手
「(2大会続けてのオリンピック出場となったが)代表としての自覚はもちろんありますし、団体金メダルへ向けての思いも強くなっています。団体戦の経験も豊富になってきて、(内村)航平さんが大黒柱でいて、自分はそれを支えていくオールラウンダーになってくると思うのでしっかりチームに貢献できるように頑張りたいと思います。
(注目ポイントは?)自分の持ち味としては丁寧な体操。ダイナミックな演技ではないかもしれないですが、丁寧さ、美しさを一番感じてもらえたらと思います」
・白井健三選手
「この5人の中で唯一初めてのオリンピックになるので、オリンピックがどういうものか知らない分、若さだったり勢いだったり、そういった初めてらしさで頑張っていきたいと思います。
(オリンピックへの思いは?)世界選手権に3度出場して、オリンピックに出場したことがなかったので、オリンピックに出場したいという気持ちは当然強かったです。また、初めてのオリンピックにはなるんですが、世界選手権はもう3回も経験しているので、そこまで心配はしていないです。
(盛り上げ隊長としての役割は?)やっぱり唯一の学生になるので、試合だけでなく普段の練習から声を出してチームの雰囲気を盛り上げていく役割も担っていきたいなと思っています」
・山室光史選手
「(勝ち取った代表の座について)ここ2年間ほど補欠という立場で代表に入りきれなかったので、ようやく戻ってこれたという思いで嬉しかったです。
(リオはリベンジの大会になる?)4年前はケガをしてしまって、練習してきたものが試合で出せなかったので、今回はいいものが試合で発揮できるようにしっかり練習していきたいと思います。
(チームでは内村選手と同じ最年長)個性豊かなメンバーが多いので、最年長としてまとめる立場になりたいと思います」
【優秀賞】
■中村美里選手(柔道)
「(リオに向けて)北京、ロンドンでは目指していた金メダルが獲れなかったんですが、ロンドンの後に手術、リハビリを経て、世界選手権などを戦ってリオに向けていい調整ができているので、また金メダルを目指したいと思います。
(オリンピックの金メダルへの思い)色んな大会で金メダルを獲っているんですけど、オリンピックだけは金に届いていません。自分の最終目標はオリンピックの金メダルなので、そこでしっかり獲って笑いたいなと思います。
(現在の仕上がり具合は?)結構いいんですが、まだまだオリンピックまで調子を上げていけると思うので、これからもっと鍛えて、オリンピックは最高の状態で臨みたいです。気持ち的にも落ち着いています。
(技の広がりも出ている印象だが)私は足技が得意なのですが、今までずっと担ぎ技など色々と練習してきて、5月のマスターズでは練習してきた技が出せて結果もついてきたので、すごく良かったと思います」
【特別功労賞】
■太田雄貴選手(フェンシング)
「(世界選手権優勝でまた1つ歴史を作ったが?)オリンピックもそうなんですが、世界選手権も欲しいタイトルの1つだったので、獲れたことを心から嬉しいと思っています。
(4大会連続になるオリンピックについて)団体で出場できなかったことが本当に悔しくて悲しかったんですが、個人で出る以上は、今回出られなかった仲間の分も背負って一緒に戦っていきたいと思います。ロンドンが終わって個人的には一度辞めたつもりだったので、今は延長戦の最中という感じです。ここで思い切って逆にチャレンジャーの気持ちを忘れずに、最後のオリンピックだと思って頑張りたいと思っています」
■ワールドカップ男子日本代表チーム(ラグビーフットボール)
・田中史朗選手
「(昨年は目標どおり世界を驚かせたが?)色んな方に応援していただいて自分たちの力になりましたし、僕たち自身も日本のためにという思いをしっかり持って戦った結果が、ああいう結果につながったので、日本のためにという思いを見てもらえて本当にありがたいです。
(今見据えていることは?)子どもたちへの普及活動を多く取り入れていきたいことと、日本代表の強化です。これからずっと日本代表が強くなることが日本のラグビーの普及活動につながっていくので、僕たちが全力で戦って結果を残したいと思っています。
(2019年のW杯に向けて)できれば日本でも海外でもプレーして、世界に日本人の存在感を見せていきたいと思います」
【特別栄誉賞】
■梨沙羅選手(スキー/ジャンプ)
「(昨シーズンから変化した点は?)昨シーズンは失敗ばかりだったんですが、そこから学んだことが多かったので今シーズンの好調につながったのかなと思います。やはり、色々と失敗していく中で、何が自分に合っていて、他の人がいいと言っていることも自分には合わなかったりということが分かったので、その経験が大きいと思います。
(今年20歳を迎えるが)競技の能力だけでなく、人間的にも成長できるように頑張っていきたいと思っています」
<女性スポーツ賞>
■岸田則子さん(ラグビーフットボール)
「まったく思いがけない受賞でした。でも、今までお世話になったたくさんの方々のおかげだと思っております。
(女子ラグビーのオリンピック出場について)2002年の15人制のワールドカップに出場したときに16カ国中14位という成績でしたので、人材をもっと広く募らないといけないと思いまして、翌年からセレクションを始めました。そのときに小学生、中学生だった少女たちが今のサクラセブンズの中心であることがとても嬉しく思っております。
(サクラセブンズの注目点は?)スキルもすごいですし、今は男子と同様に当たり負けしないというところが魅力だと思います」
※受賞者一覧は関連リンクをご参照下さい
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