第31回オリンピック競技大会(2016/リオデジャネイロ)および、リオ2016パラリンピック競技大会の日本代表選手団公式スポーツウェア発表会が5月26日、東京国際フォーラムで行われました。
今大会は株式会社アシックスがウェアをはじめ、シューズ、バッグを提供。これは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のゴールドパートナー(スポーツ用品)契約に基づくもので、これらのアイテムは表彰式や選手村などで使用されます。
発表会では最初に、日本オリンピック委員会(JOC)の青木剛副会長、リオデジャネイロオリンピック日本代表選手団の橋本聖子団長、日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会(JPC)の鳥原光憲会長、リオデジャネイロパラリンピック日本代表選手団の大槻洋也団長、株式会社アシックスの尾山基代表取締役社長CEO、同社の西前学取締役執行役員、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の坂牧政彦マーケティング局長が登壇しました。
代表して青木副会長は「JOCはこのウェアを身につけるにふさわしい日本代表選手団を編成いたします。そして、最高のウェアを着用し、最高のパフォーマンスを発揮して、一人でも多くのメダリストが表彰台から日本の皆さまへ勇気と感動をお届けできるよう、万全の準備をして臨んでまいります」と挨拶。続けて鳥原会長は「オリンピック、パラリンピックの選手団が同じウェアを着て大会に参加するのは初めてのこと。これまでにない一体感を表すものです。栄えある日本代表に選ばれた選手、役員の人たちは、誇りと感謝の気持ちをこのウェアに込めて、大会に臨み、最高の成績を挙げてもらいたいと願っております」と述べました。
また、アシックスの尾山社長はウェア、シューズ、バッグなど初めて一社で担当することに感謝を述べると、「当社はアスリートファーストの考えに基づいて商品を開発しております。この度、提供する一連のアイテムも選手の皆さまが競技本番で最高のパフォーマンスを発揮するために、また、選手村や表彰式など競技以外の場面でもアスレジャー(アスレチックとレジャーを組み合わせた造語)として快適に過ごせるようにとの思いで開発いたしました」とアピールしました。
挨拶に続いて、公式スポーツウェアのプレゼンテーションが行われました。コンセプトは「CONNECT(コネクト:つなぐの意味)」。表彰台で着用するトレーニングジャケットは、レッドをキーカラーとし、男女で異なる色使い。そして、咲き誇る「桜」をモチーフにしたデザインを肩口に施しており、日本代表選手が持つ力強さと華やかさを表現しています。
また、素材は、リオデジャネイロの気候での快適性向上を考え、適度な通気性とハリのある素材感を併せ持ったニットを採用。裏地には、特殊な貼り合わせ技術を用い、ニット特有の柔らかい風合いを保ちながら通気性と伸縮性も持たせるなど、着心地を良くしているという説明がされました。
一方、ウインドブレーカーやTシャツのカラーには、開催地であるリオのカーニバルの歓喜や情熱的なイメージからネオンイエローが採用されています。
プレゼンテーションが終わると、公式ウェアを着用した8名のゲストアスリートが登壇。トークセッションでは実際の着心地やデザインの印象、リオデジャネイロ大会に向けての抱負などを述べました。
■吉田沙保里選手(レスリング)
「まずこの脇のところの通気性がすごく良くて、私はすごく脇汗をかきやすいので夏にはピッタリというか、過ごしやすいだろうなと思います。このチャックのグラデーションもすごくお洒落でかわいいなと感じます。それと、(いいところは)たくさんありますよ。ジャケットの丈の後ろと前の長さが違うんですけど、女性はしゃがんだりするとパンツが見えたりするときがあるんです。でも、後ろの丈が長くなっているので、しゃがんだときにも見えなくなっているのがすごくいいなと感じましたね。
女子レスリングはこのリオから6階級に増えましたので全階級で金メダルを目指して、そして自分は4連覇できるように頑張りたいなと思いますし、この靴のかかとにある日の丸をたくさん掲げられるように、日本選手団一丸となって、2020年東京オリンピック・パラリンピックにつながるような大会にできたらいいなと思います」
■加藤凌平選手(体操・体操競技)
「(肩口の桜は)とても日本らしくて素敵なデザインですね。表彰台ではこの桜のように笑顔も満開にできればいいなと思います。
ロンドンオリンピックのときから代表として4年間やってきて、ここで培った経験だったり、代表の中で戦って勝ち得た自信など、このリオの舞台でしっかり発揮して、団体金メダル、個人総合・種目別でも表彰台に立てるように頑張りたいと思います」
■今井月選手(水泳・競泳)
「すごく軽い素材になっていてストレッチも効いているので、選手村などでもリラックスして過ごせるかなと思います。
初めてのオリンピックなのですが、いつもの自分を忘れずに平常心で挑めるように、あと2カ月半、悔いのないトレーニングを積んで、笑顔で日本に帰ってこれるように頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします」
■レメキ・ロマノ・ラヴァ選手選手(ラグビーフットボール)
「(ウインドブレーカーの)生地がすごく柔らかいです。一番いいのはネオンイエローの色。フィットもすごくいいですね。
オリンピックは初めてなので、チームの目標はメダルを取ること。日本の力とアシックスの力でメダルを取れると思うのでよろしくお願いします」
■土田和歌子選手(パラリンピック・陸上競技)
「パッと見て、オリンピックもパラリンピックもエンブレムが立体的に施されていて、すごくデザイン性を感じました。そして、このナショナルチームのカラー、レッドがすごく気合が入りますね。テンションが上がりました。
パラリンピックに出場させていただいて、数多くの経験をさせていただいています。転倒とか色々ありましたので、次のリオではそれを払拭したいというのがあります。そして、メダルを取りたいという強い思いを持っています。まずベストパフォーマンス、納得できるレースをするために、残りの3カ月、強化していきたいと思います。そして、リオの結果が次の2020年の東京にもつなげていけるように、選手の一員として頑張っていきたいと思います」
■山本篤選手(パラリンピック・陸上競技)
「ネオンイエローはものすごく明るい色なので、気分を上げたいときに着たりとか、Tシャツは3色ありますので、気分によって色々と着替えられるのがいいなと思います。また、靴のかかとに日の丸が入っているのが物すごく気に入っています。
目標はずばり金メダルです。世界選手権も2連覇しましたし、先日世界記録も出しました。世界記録保持者としては18日間しかなかったんですけど、やはりリオパラリンピックでは勝負をして金メダルを取ることを目標においてやっていきたいと思います」
■池崎大輔選手(パラリンピック・ウィルチェアラグビー)
「すごく僕の肌と相性が良く、着ているという感じがしないです。動きに対しての抵抗もないので、すごくストレッチ感がしっかりしていて、僕にはすごくフィットしています。また、僕たちは手にも障がいがあり、なかなかファスナーをつまんで上げることができないのですが、今回のこのウェアはファスナーが大きくなっているので、指一本で上げ下げができるところがすごくありがたいです。
僕は初めて2012年ロンドンパラリンピックに出たんですけど、そこでは惜しくも3位決定戦で負けて4位という悔しい結果になりました。ウィルチェアラグビーを始めてから6年という経験を生かして、チーム一丸となって、日本一丸となってメダルを取りに行きたいと思います」
■天摩由貴選手(パラリンピック・ゴールボール)
「(ポロシャツの)生地が柔らかいですし、サラサラしていて、とても着心地がいいので、トレーニング後のウェアとしても良いのではないかと思います。
チームはロンドン以降、ずっとリオを目標にやってきましたので、今回もチーム一丸となって、世界の頂点を目指して戦いたいですし、私もそのチームの勝利に貢献できるように頑張りたいです」
最後に日本選手団団長挨拶として、JOCの橋本団長、JPCの大槻団長が登壇。橋本団長は「今大会はオリンピックとパラリンピックが同じユニフォームということで、開催日が違うだけで私たちはチームジャパン一丸となって今回のオリンピック、パラリンピックの成功に向けて頑張ろうという意気込みは今まで以上だと思っております」と力強くコメント。また、大槻団長も「パラリンピックスポーツも皆さまの認知度が上がってきたと思います。このウェアを着て一人でも多く表彰台に上がるように頑張りたいと思いますので、ご声援のほどよろしくお願いいたします」と意気込みを語りました。
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