日本オリンピック委員会(JOC)は2月8日、東京2020オリンピック競技大会の事前キャンプや期間中トレーニングに関する英国オリンピック委員会(BOA)、横浜市、川崎市、慶應義塾大学との覚書締結式を、味の素ナショナルトレーニングセンターで実施いたしました。
BOAは、東京2020大会の事前キャンプや大会期間中のトレーニングに使用する施設として、横浜市の「横浜国際プールおよび慶應義塾大学日吉キャンパス」、川崎市の「等々力陸上競技場」などを予定。具体的な内容に関しては今後協議されます。
締結式には竹田恆和JOC会長、セバスチャン・コーBOA委員長、林文子横浜市長、福田紀彦川崎市長、清家篤慶應義塾長、また、来賓としてティム・ヒッチンズ駐日英国大使らが出席しました。
室伏広治JOC理事の司会のもと進められた締結式では、最初に竹田会長があいさつに立ち、「2005年より英国オリンピック委員会とはオリンピックムーブメントの普及、発展、そして選手強化や指導者の育成などにおいて、お互いに切磋琢磨し協力関係を築いてきました」と、これまで培ってきた両委員会の関係を紹介。その上で今回の締結を迎えられたことは大変な名誉であるとし、「2020年には英国のアスリートが、長い歴史と伝統のある慶應義塾大学の施設をはじめ、横浜国際プール、等々力陸上競技場を利用し、オリンピックの舞台で最高のパフォーマンスを発揮できるよう、私たちは全力でサポートしたいと思います」と述べました。
続いて登壇したコー委員長も今回の締結に関して喜びを語ると、横浜市・川崎市・慶應義塾大学をキャンプ地に選んだ理由について「医療や安全面なども含めた環境が世界レベルであってこそ選手は素晴らしい成績を残せます。横浜市や川崎市にはすべてが揃っていて、スポーツを理解し、歓迎してくれます。我々は非常にいい選択をしました」と述べました。
また、コー委員長は「1991年に東京で開催された世界陸上はベストでした」と振り返るなど、これまで日本で開催されてきた世界的なスポーツ大会を述懐。そして、「東京2020大会もオリンピック文化に残る非常に大きな大会になるでしょう」と大きな期待を語りました。
一方、英国オリンピックチームを受け入れる横浜市の林市長は、1859年の開港から続く横浜市と英国の友好関係を強調するとともに「2002年のFIFAワールドカップ決勝戦などこれまで開催してきた国際大会での経験を十分に生かして、アスリートファーストで全力でサポートしていきたいと思います」と抱負。川崎市の福田市長も「世界各国の中で一番来てほしかったのが英国チームでした」と念願かなっての誘致であったことを明かすと、「2012年のロンドンオリンピックでは多くのレガシーが作られましたが、そのDNAをぜひ川崎にもしっかり根付かせて社会変革を起こしたいと思っています」と述べました。
慶應義塾大学の清家塾長は、2012年ロンドン大会に出場した慶應の卒業生または現役学生の人数が1964年東京大会以来の多さだったことから、とりわけ大会を応援していたことを語るとともに、「2011年に東日本大震災がありましたが、日本の代表選手がロンドンで競技に取り組む姿が被災地の方のみならず日本国民の皆さんを大きく元気付けてくださった。改めてスポーツの持つ力を再確認しました」と振り返りました。そして、そのスポーツの力で日本をはじめ、世界全体に活力を与えることへ期待の言葉を述べると、「英国の選手の方々がオリンピックムーブメントに貢献し、活躍できるよう、私どもができる限りサポートすることをお約束申し上げます」と語りました。
また、林市長、福田市長、清家塾長ともに、英国オリンピックチームが施設を利用することで、若い世代や子どもたちが国際交流を積極的に行うことを期待していました。
最後に、来賓を代表してヒッチンズ駐日英国大使が登壇。今回の締結にお祝いの言葉を送ると、「今回の締結は2020年に向けての大きな一歩であり、英国と横浜市、川崎市、慶應義塾大学との関係は新たなステージに進みます。また、2012年ロンドンオリンピックは英国に様々な変化をもたらしました。日本の皆さまも同じようなたくさんの変化を経験されると思います。本日を機会に両国の関係がますます強まり、さらに協力していくことが楽しみです」と締めくくりました。
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