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2015.06.26 キャリア支援

JOCの就職支援「アスナビ」:板橋区・北区への説明会を実施

JOCの就職支援「アスナビ」:板橋区・北区への説明会を実施
プレゼンに参加した5名の選手たち。左から、久良知選手、齋藤選手、山田選手、石川選手、佐藤選手(写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:板橋区・北区への説明会を実施
JOCの星野理事によるあいさつ(写真:アフロスポーツ)

 公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)は6月11日、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で、トップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」の説明会を行いました。
 アスナビは、オリンピック・パラリンピックなどを目指すトップアスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、企業の就職支援を呼びかける活動。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関に向けて本活動の説明会を行い、これまでに48社/団体67名(2015年6月2日時点)の採用が決まりました。

 今回の説明会は板橋区、北区、東京商工会議所の文京、北、荒川、豊島、板橋、足立各支部との共催で、板橋区と北区を拠点とする会員企業/団体30社43名が参加しました。

 冒頭、あいさつに立った星野一朗JOC理事は「取り巻く環境に苦しみ、明日の練習もままならない選手もいまだに数多く存在します。本日は日本を代表するアスリートの生の声を聞いていただいて、経営者の皆様にも日本のスポーツ、トップアスリートとの関わりについて前向きにご検討いただけることを期待しています」と訴えました。

JOCの就職支援「アスナビ」:板橋区・北区への説明会を実施
坂本板橋区長(左)と花川北区長(写真:アフロスポーツ)
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三和シヤッターの池田人事総務部課長(左)と近谷選手(写真:アフロスポーツ)

 続いて登壇した坂本健板橋区長は「板橋区においては昨年の7月に1回目の説明会を行いまして、思いのほか反響も多く、地元の企業でもある三和シヤッターさんに自転車競技の近谷涼選手が入社されました。皆さまには今日の説明会を大きな期待を持って見ていただき、スポーツの支援をさらにお願いしたいと思います」と述べました。
 そして花川與惣太北区長は「味の素ナショナルトレー二ングセンターと区内企業が近い距離にあるという地理的優位性を生かして、アスリートの経済基盤と練習環境を結びつけるとともに、産業の活性化に資する取り組みを行うことで産業界と連携したトップアスリートの街、北区を構築していきたいと考えています」と北区の目指す姿を語りました。

 その後、八田茂JOCキャリアアカデミーディレクターからのアスナビ事業説明が終わると、採用事例紹介として三和シヤッター工業株式会社の池田信吾人事総務部課長が登壇。2015年4月に自転車競技の近谷選手を採用した経緯の説明がありました。同席していた近谷選手は「練習に集中できる環境を整えていただき、充実した日々を過ごしています。今後はいち早く業務を覚え、自分にしかできない業務を遂行して、競技と業務の両立を図っていきたいと思います」と、今後への抱負を語りました。

JOCの就職支援「アスナビ」:板橋区・北区への説明会を実施
なとりの北見取締役上席執行役員総務人事本部長(写真:アフロスポーツ)
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大山さんによる応援スピーチ(写真:アフロスポーツ)

 採用事例紹介の2社目は株式会社なとり。同社の北見弘之取締役上席執行役員総務人事本部長からは、フェンシングの大橋里衣選手の採用に関しての説明がありました。大橋選手は2015年1月に採用され、現在は人事部人材育成・企画課に所属。新卒採用での会社説明会、新入社員研修や若手研修会で講師などの業務をこなしている様子が紹介されました。

 続いては、元バレーボール日本代表の大山加奈さんによる「トップアスリート応援スピーチ」。現役時代は実業団チームの東レアローズに所属していた大山さんは、「東レの社員の皆さんは、同じ気持ちで戦ってくれ、いつでも応援してくれました」と当時を振り返り、「けがで何年も試合に出られず戦力にならない私を待ち続け、復帰に向けてバックアップしてくれた会社には感謝しかありません。社員の方の温かい言葉にどれだけ勇気をもらったか分かりません」と感謝の気持ちを口にしました。
 そして、「大きな目標に向かっているアスリートが身近にいることで、その目標をみんなで共有し、東レという大きなひとつのチームになっていたんだと思います。アスリートのみなさんにはここに来ている企業の方たちと一緒にオリンピックという目標を目指していける可能性があることをうらやましく思います」とメッセージを送りました。

JOCの就職支援「アスナビ」:板橋区・北区への説明会を実施
フェンシングの久良知選手(写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:板橋区・北区への説明会を実施
スケート・ショートトラックの齋藤選手(左)とテコンドーの山田選手(写真:アフロスポーツ)

 最後に八田ディレクターのコーディネートのもと、今回参加した5名の選手が1人1人登壇し、プレゼンテーションを行いました。選手たちは緊張感を漂わせながらもしっかりと自分の強みをアピールし、企業の支援を真剣に訴えました。

以下、各選手コメント

■久良知美帆選手(フェンシング)
「私は高校3年間、JOCエリートアカデミーに所属していました。エリートという名前を背負って常に結果を求められた3年間はチャンスもたくさんありましたが、一方で重圧を感じることもありました。また、エリートアカデミー初の総キャプテンを務めさせていただいたことも、得難い経験となりました。後輩たちからさまざまな意見を吸い上げ、意見をまとめ、少しでもスタッフの方々に受け入れてもらえるよう目配り、気配りをすること、それが私のキャプテンシーでした。現在では法政大学の女子キャプテンを務めています。入社したら採用していただいた企業に何を貢献できるか自ら考え行動していければと思っています」

■齋藤悠選手(スケート・ショートトラック)
「私は昨年、スケート競技の学生連盟において学生委員長を務め、学生主体の大会を運営してきました。その中でプロジェクトを進めていくために、事前に段取りをしっかりと整え、全員で協力すること、役割を認識し全体を俯瞰で見て把握することを実践してきました。私の姉(仁美)もアスナビのおかげで現在の所属先と出会いました。姉を見ていると所属企業にサポートしていただいていることにとても感謝し、積極的に企業に貢献しようとしています。私も企業に貢献することを第一に考え、集中して競技に取り組みたいと思います」

■山田美諭選手(テコンドー)
「ロンドンオリンピックの選考のとき、私は高校3年生で、国際経験も実力も足りず出場はかないませんでした。しかし、同期の友人でライバルでもあった選手はロンドンオリンピックに出場して5位となり、私ももっとやれたのではと悔しい気持ちでいっぱいになりました。リオ・デ・ジャネイロオリンピックには階級の違う友人と必ず一緒に行こうという約束をして鍛錬してきました。この1年が勝負となります。来年の春にはオリンピックの出場を決め、採用してくださった企業の皆さんに良い報告をしたいと思います」

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スキー・クロスカントリーの石川選手(写真:アフロスポーツ)
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スキー・スノーボードの佐藤選手(写真:アフロスポーツ)

■石川謙太郎選手(スキー・クロスカントリー)
「私の目標は平昌オリンピックで日本人では誰も成し得なかったクロスカントリースキーのメダルを獲得することです。自分の言動と行動に責任を持ち、アスリートのロールモデルになれるよう、そして企業の皆さんが応援したくなるような選手になれるよう頑張っていきたいと思っております。今年の8月からノルウェーのクラブに所属し練習していくことを決めました。英語もノルウェー語も一生懸命勉強しどんなことがあっても最後まで諦めない精神をもって世界の舞台で戦える選手になっていきたいと思っています」

■佐藤夏生選手(スキー・スノーボード)
「私は高校でカナダのウィスラーへ単身留学することを決意しました。親元を離れ、異国の地で暮らし始めたときは、何事も自分1人で頑張るしかなく、毎日が必死でした。負けず嫌いな性格をバネにして毎日を過ごし、最終的にネイティブ同等の英語力を身に付け、高校の勉強も最優秀留学生賞を授与されました。
 スロープスタイルはまだ新しい種目ですが、日本選手のレベルは世界的にとても高く、次のオリンピックでの金メダルが期待できる種目です。昨シーズンの世界選手権では表彰台には届きませんでしたが、課題もしっかり確認できたので、平昌オリンピックでは最高の技を決めて金メダルを獲りたいと思います」

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