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2014.02.23 オリンピック

【総括記者会見】橋本団長「チームジャパンとして一丸となって戦えたことに誇り」

【総括記者会見】橋本団長「チームジャパンとして一丸となって戦えたことに誇り」
自国開催以外では最多となるメダル獲得数に感謝を述べる橋本団長(写真:アフロスポーツ)

 ソチオリンピック日本代表選手団本部は23日、オリンピックパーク内のジャパンハウスで記者会見を行い、橋本聖子団長、古川年正副団長、伊東秀仁総監督が今大会について総括を行いました。今大会、チームジャパンは8つのメダルを獲得。金メダル5つという目標には達しませんでしたが、国外開催の冬季オリンピックでは史上最多となるメダル獲得数となりました。

■橋本聖子団長

 たくさんの皆さんにソチに足を運んでいただいて、日本からも深夜にも関わらず連日にわたって日本代表選手団に対して熱い声援を送っていただいたということ、選手が期待に応えて一生懸命にチームジャパンとして頑張ってくれたことに、心から感謝を申し上げます。

 前回のバンクーバーオリンピックに引き続き、団長を務めさせていただきましたが、最高の選手と最高の監督、コーチ、スタッフに恵まれて、最高のチームジャパンで大会に臨めたことを大変うれしく思っています。多くの皆さんに感謝をしていますし、チームジャパンとして一丸となって戦えたことに誇りを感じています。

 今大会では7競技98種目が実施されまして、日本代表選手団は7競技60種目に挑むことができました。日本代表選手のメダル獲得数は、金が1つ、銀が4、銅が3の計8種目で、入賞総数は28種目となりました。メダル獲得数、入賞数ともに、長野や札幌の自国開催を除き、国外開催の冬季オリンピックでは過去最多の成績を収めることができました。入賞数も27が最高でしたが、今回はそれを1つ上回って28の入賞数を獲得することができたこと、これは、選手が競技に真摯に取り組み、監督、コーチがしっかりと選手たちをサポートしてくれた結果であると思います。また、葛西(紀明)主将が決意表明で述べたとおり、不撓不屈(ふとうふくつ)の精神でトレーニングに挑み、チームジャパン一丸となって一生懸命やってきたことが選手全体につながったのではないかと思っています。

 全体的に言いますと、目標とする金5個には到達することはできませんでしたが、1人1人の選手が金メダルに向かっていった結果、全体としてメダル数を8個に増やすことができました。特にここ数回の大会は雪の競技はメダルを獲得することができませんでしたが、大変長い間研究を重ね、そして多くの皆さんの協力を得ながら、今回素晴らしいメダルを獲得してくれたことは、チームジャパンにとっても、これから平昌に挑む最大の力になり得たと思っています。

 私の出身母体であるスケートからは、羽生(結弦)君の金メダル1つになってしまったということで、反省しておりますし、私自身の責任も感じております。特にスピードスケートにおいては、トリノオリンピックの時もメダルがなかったのですが、サラエボオリンピックの北沢(欣浩)さんが銀メダルを獲得して以来、連続でメダルを獲得してきた実績もありながら、今回非常に残念な結果であるということを受け止めたいと思います。
 終わった結果は、次への強化対策の第一歩だと思っております。選手村の中で、特に強いと言われる強豪国のコーチや責任者と会談をさせていただきました。今後の日本の強化対策はどうあるべきかについて、次の平昌に向けての体制作りをすでに始めさせていただきました。

 国内でのトレーニングの環境整備、冬季の場合は1つのナショナルトレーニングセンターに集中するのが難しいという現状もありますので、今の施設にアイススケート場(を作る)というのは必ず必要となると思うのですが、それ以外に競技別拠点というものを早急に拡充させていかないといけないと感じています。また、情報科学、医科学あるいは道具の研究も同時にさせていただいています。さらに日本独自の技術力を生かしたものにお金を集中させることも必要ですが、世界トップクラスのコーチを招へいするというのも、早急にやらなければいけないものだと思っています。ジュニア層も含めながら一貫指導をどういうふうに構築していくのか、また世界最高の監督・コーチを育てていかなければ世界最高の選手は生まれていかないので、コーチやスタッフのレベルアップ、そして強化、指導者の育成といったものをやっていきたいと思います。

 まだまだ日本は、スポーツ先進国と比べると、国がスポーツにかける予算が非常に少ない部分があります。私たちスポーツ界には、国の予算をスポーツに向ける意義をもっと(周囲に)理解していただくための努力が必要だと思っています。予算の獲得に向けて、これからあらゆる強化対策をしっかりと打ち出しながら、また予算を獲得することがどれだけ国として意味があるのかということを、私たちスポーツ界がしっかりと発信していきたいと思っています。

【総括記者会見】橋本団長「チームジャパンとして一丸となって戦えたことに誇り」
スキー系競技はメダル7つと躍進。「安心した」と語る古川副団長(写真:アフロスポーツ)

■古川年正副団長

 私は雪上競技の方を担当しておりました。コンバインド(ノルディック複合)のラージヒルを除いて大変よい天気に恵まれたと思います。宿舎や食事について初めは戸惑うところもありましたが、仕組みに慣れると快適に生活ができたという状況ではありました。特に山の方はスキー、リュージュ、バイアスロンと非常に小さなチームでしたので、選手間の交流もありましたし、大変いい感じで選手が生活できたと思っています。

 団長からも説明がありました通り、雪の競技は2大会メダルが取れませんでしたが、ここにきて7つメダルが取れたということで、私自身も安心をしております。その中で15歳の平野(歩夢)、あるいは41歳の葛西が頑張ってくれたというのは、山を象徴する大会だったと思います。

 また、その中でアルペンを含めて多くの種目がなかなかメダルに絡めなかったことは、私の方も検証をして、今後しっかりと強化策を立てていかなければいけないと感じています。特に氷の方で羽生くんが金メダルを取ってくれましたが、山は残念ながら金メダルを取ることができませんでした。これは、平昌では雪の競技も金メダルを取ることを考えていかなければいけないと思います。

【総括記者会見】橋本団長「チームジャパンとして一丸となって戦えたことに誇り」
伊東総監督はアイスホッケーやカーリングの健闘を評価(写真:アフロスポーツ)

■伊東秀仁総監督

 私は氷を中心に、時には団長と一緒に山の方に応援に行かせていただきました。氷(の競技場)がある選手村、会場は今回はものすごく1つのところに固まっていまして、コンパクトにできているために会場から会場の移動が楽でした。選手村も会場までは徒歩で行けるような場所にあったり、自転車に乗って行けるような場所にあったりしたので、環境的にはすごくよかったと思います。

 競技においては、フィギュアの羽生選手が唯一の金メダルをもたらしてくれまして、本当にうれしく思っています。フィギュアは高橋(大輔)選手、町田(樹)選手も健闘し、2大会連続で3人の入賞者を出しました。女子の浅田(真央)選手は残念ながらメダルに手は届きませんでしたが、最後のフリーで素晴らしい演技を見せていただきまして、多くの人に感動を与えることができ、また本人も最後の集大成の演技ができたと思います。
 スピードスケートにおいては、オランダ勢がここまで来ているという驚きと、「オランダ対世界の各国」という図式ができあがりましたので、すぐに平昌に向けて対策をしないといけないと思っております。

 また、氷においては全体的に期待にお応えすることができませんでしたが、4大会ぶりに出場したの女子アイスホッケーは、本当にわずかな差で敗れ、かなり格上の選手に対して必死に戦っている姿は感動しましたし、次につながっていくのではないかと思っています。最後の最後に出場権を獲得したカーリングは、格上の国を相手に勝利し、ここにきてから素晴らしい活躍を見せたことは、また次の平昌につながっていくと思います。
 
 すべての競技で期待に応えられなかった種目もあると思うので、しっかりと反省と検証をして、次の平昌では今回の山を超える、山に恩返しをする大会にしてけるよう、強化対策を練っていかなければいけないと思っています。

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