日本オリンピック委員会(JOC)は2012年12月2・3日、ロンドンオリンピック・パラリンピック日本代表選手団への東北のみなさまからの支援と応援に対し感謝を伝えるため「ロンドンオリンピック・パラリンピック 応援ありがとう in 東北」を福島・宮城・岩手の3県で開催しました。2日の午前と、3日には3県を選手たちが訪問し、被災地の方々と交流しました。ここでは原発事故の影響で避難生活を余儀なくされている皆さんのもとを訪れた福島県のふれあい訪問の様子を紹介します。
■吉田沙保里選手の周りには多くの人が集まる
2日午前、レスリング女子52kg級金メダリストの吉田沙保里選手、パラリンピック自転車競技銅メダリストの藤田征樹選手ら8人は、浪江町などから避難している皆さんが暮らす二本松市の安達運動場仮設住宅を訪問しました。選手たちは仮設住宅に住む約150人のみなさんに迎えられて会場入り。オリンピックを3連覇し、国民栄誉賞も受賞した吉田選手の周りには特に多くの人が集まりました。
選手の紹介、吉田選手からのあいさつに続いて、参加選手全員の寄せ書きが入った応援感謝バナーが福島県出身のボクシング・須佐勝明選手とパラリンピック自転車・大城竜之選手から贈呈されました。続いて、来場者の皆さんから選手に質問タイムとなり選手たちは笑顔で質問に答えていました。
■最後まで止むことのなかった「ありがとう」の声
3日はレスリング女子48kg級金メダリストの小原日登美選手、アーチェリー女子団体銅メダリストの蟹江美貴選手らが参加。午前は会津若松市に移転している大熊町立熊町・大野小学校を訪問しました。
会場に選手たちが登場すると、約280人の児童、教職員から大きな拍手がわき起こりました。質問コーナーに続いて、選手たちが児童たちにピンバッジとポストカードをプレゼント。笑顔で一人ひとりの児童に手渡していました。
午後は福島市にある飯舘村松川工業団地第1仮設住宅を、選手たちは訪問しました。
まず代表して、小原選手があいさつを行い、飯舘村のみなさんに感謝の言葉を述べました。続いて質問コーナーに入ると、子供のころのエピソードやロンドンの思い出などの質問が飛び出し、選手たちは笑顔で答えていました。
ふれあいコーナーでは選手がサインや握手をしたり、小原選手が子どもやお年寄りの方に金メダルをかけたりするなど、選手、参加者がともに笑顔になる時間を過ごしました。
訪問を終えて、選手たちが帰りのバスに乗り込むと、村の皆さんは別れを惜しむように手を振り続け、バスが見えなくなるまで「ありがとう」「さようなら」といった声は止みませんでした。
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