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2012.08.09 オリンピック

【メダリスト会見】体操男子団体「この悔しさを糧にリオへ」

【メダリスト会見】体操男子団体「この悔しさを糧にリオへ」
銀メダルを獲得した体操男子団体チーム。左から加藤凌平選手、内村航平選手、田中佑典選手、田中和仁選手

 ロンドンオリンピックの体操男子団体で銀メダルを獲得した内村航平選手、田中和仁選手、田中佑典選手、加藤凌平選手が8日、ロンドン中心部のジャパンハウスで会見を行い、メダル獲得の心境を語りました。(※山室光史選手は、けがのため不在)

――今の心境は?

田中和仁選手 全日程が終わってホッとしています。ずっと応援してくれてきた皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。

田中佑典選手 オリンピックが終わってみて不完全燃焼という感じで、なんかすっきりしない感じです。すぐにリベンジしたいという気持ちを持ちましたし、これを糧にリオまで頑張り続けられるのではないかと思っています。

内村選手 全日程が終了して今はホッとしている気持ちと、(試合を)思い返して「苦しいオリンピックだったな」という気持ちと半分半分です。これから日本に帰ってからも試合が続くので、苦しかった思いをひとつひとつの試合にぶつけていければと思います。

加藤選手 金メダルを目指して練習してきたので、少し悔しい気持ちがあるのですが、それでも初めての世界の舞台でのびのびと演技できた結果の銀メダルなので、とてもうれしいです。

【メダリスト会見】体操男子団体「この悔しさを糧にリオへ」
初めてのオリンピック出場となった加藤凌平選手(左)と、個人総合で金、種目別床で銀メダルを獲得した内村航平選手

――今回のオリンピックではどれぐらい力を出せましたか?

田中和仁選手 今回団体予選、決勝、個人総合と失敗が多かったので出来としては50パーセントぐらいだったと思います。

田中佑典選手 鉄棒のスペシャリストなので、予選はダメでしたが決勝ではいい演技ができたのではないかなと思っています。全体を通して7割ぐらいの力を出せたのではないかと思います。

内村選手 予選の団体、決勝ではあんまり自分の力を出せずに、個人総合と種目別では出せたので50パーセントぐらいだと思います。

加藤選手 予選と決勝とミスなく自分の演技がのびのびと出せたので、8割ぐらいの力は出せたのではないかと思います。

――団体の決勝で(最後の)あん馬が終わって4位という順位が出た時にどんな思いでいましたか?

内村選手 最初4位という順位が表示された瞬間は何も言葉が出てこなかったです。自分が最後の最後でミスをしてしまったので……。それで4位という結果が表示されて、チームメートにも本当に何も言葉をかけられずに、ただずっと電光掲示板を見つめていただけです。

田中佑典選手 4位と出た時は何も言葉が出てこず、メダルがあるのとないのとでは全然違いますから、監督とコーチが審判に再審議に行きましたし、なんとか難度を認めてくれという思いで、祈りながら審議を見ていました。

加藤選手 最初に4位と出た時は唖然としたというか、本当に頭が真っ白になるようなぐらいでした。でも監督やコーチたちが抗議に行ってくれて2位に変わった時には、ホッとしたような気持ちで、率直にうれしかったです。

田中和仁選手 床とあん馬で失敗して4位という結果が出た時には、頭が真っ白になって何も考えられなかったです。

――内村選手は団体の時にいつもより表情が硬かったように見えましたが。

内村選手 団体では一人だけ6種目をやり、最初から最後まで体育館にいるのでその分、ほかの選手よりも気持ちを引き締めてやらなければならないなと思っていました。できるだけ自分の世界に入ろうと考え、その分表情が硬くなっていたのかもしれないです。

【メダリスト会見】体操男子団体「この悔しさを糧にリオへ」
兄弟でのオリンピック出場となった田中佑典選手(左)、田中和仁選手

――どんな食べ物が苦手ですか? また、もし苦手な食べ物で克服されたものがあれば教えてください。

田中和仁選手 日本で合宿している時やフランスの事前合宿ではマルチサポートの栄養士さんが付いてくれていたので、食事に困ることはなかったのですが、選手村に入って、いろいろコーナーはあるのですが、食べられるものが少ないというか、取ってみることすらできなかったので、選手村では困りました。肉もあるのですが、焼いただけで味付けが何もなかったり。アジアコーナーには味噌汁もあるのですが“味噌汁っぽい”だけで野菜が普段とは全然違うものが入っていたり、そういった意味で選手村では苦労しました。マルチサポートハウスが近かったので、そこで食事をしていました。

田中佑典選手 僕の場合は好き嫌いはないので、そんなに困ることはありませんでした。

内村選手 4年前は“野菜嫌い”で有名になったのですが、今は割となんでも食べられるようになりました。ただグリーンピースはいまだに食べられません。(どうして食べられるようになったか?)食わず嫌いだったので、食べてみたら意外といけるなと。

加藤選手 僕は食に関してはそんなに気にしていなくて、自分の好きな肉類やフルーツ類ばかりを食べて、しっかり練習できているのでそれで大丈夫なのではないかなと思います。

――銀メダルの重みを教えてください。

田中和仁選手 世界選手権、オリンピックと3年連続で2位になっているので、非常に悔しいですが、今大会は途中(山室選手の)けがのアクシデントもあったりして、大変でした。5人で最後まで戦えたので非常に価値のある銀メダルだと思います。

田中佑典選手 金メダルを目指していたのに銀メダルで終わって悔しい面もあり、またアクシデントがあってここに(山室)光史さんがいないのが残念ですが、チーム一丸となって最後まであきらめずに戦って獲得した銀メダルも悪くないかなと思います。

内村選手 僕も金メダルを目指してやってきてすごく悔しい銀メダルなのですが、北京オリンピックのころからずっと団体では銀メダルで、その悔しい思いでオリンピック、世界選手権と目指して頑張ってこれたので、自分を突き動かす原動力になっていると思います。

加藤選手 先輩方が(過去の団体で)銀メダルで終わっていて、見てはいたのですが、そこまでプレッシャーや重圧は感じず演技ができて、なおかつ初の世界の舞台で銀メダルを取れたので、とても輝いて見えます。

――地元の皆さんにどのような報告をするか教えてください。

田中和仁選手 きょうだい3人で出場できた非常に珍しい、いい経験ができたので、とても楽しい大会でした。あとは家に帰って、お母さんのご飯が食べたいです。

田中佑典選手 和歌山に帰って恩師だったりお世話になった人に「ありがとうございました」と挨拶回りをしたいです。やっぱり「オリンピックで完璧な演技をした喜びは、国内大会より数十倍の気持ちよさだったよ」という話しをして、帰ったらよく行く寿司屋があるので、そこで美味しいものを食べさせてもらいます。

内村選手 まずは地元の皆さんがすごく応援してくれていたので、感謝の気持ちと「今回は苦しいオリンピックでした」と伝えて、親の料理を食べたいです。

加藤選手 地元の方たちから「頑張って」や「おめでとう」とたくさんのメッセージをいただいたので、お礼を言いたいです。あとはお父さん(裕之コーチ)に焼肉に連れて行ってもらいたいです。

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ロンドンオリンピックで3つのメダルを獲得した内村航平選手

――内村選手に質問です。個人総合が終わった後に「魔物が住んでいた」とおっしゃっていましたが、種目別でリ・ジョンソン(後方抱え込み2回宙返り3回ひねり)を抜いたことについて教えてください。

内村選手 最初のあん馬からミスなく5種目行って、最後の床で失敗してしまったので、やはり「あと1個だから大丈夫だ」という気持ちになると、魔物に襲われるなと感じました。リ・ジョンソンを抜いたのは試技順が1番目ということもあり、時間が空いた中でできるのか不安だったのと、予選の床で(すでに)いい評価を受けていたので着地を止めていけば十分金メダルを狙うチャンスはあるなと思ったので抜きました。

――田中佑典選手と加藤選手は本番で伸びやかな演技ができた理由を、また和仁選手と内村選手は力を出し切れなかった理由を、それぞれ教えてください。

田中佑典選手 結果を考えるとミスをする傾向があるなと気付いて、国内最終予選の時も代表に選ばれたいという気持ちが強すぎて、自分の演技に集中できてなかったような気がしました。今回はもちろん金メダルは頭の中にあったのですが、オリンピックという最高の舞台を楽しんでいく気持ちで、その結果としてメダルが付いてくるという考えでやってうまくいったのだと思います。

加藤選手 自信が付くまでしっかり練習してきたのが一番ですが、あとは国内合宿から先輩の背中を見ながら練習してきて、本当に頼りになる先輩方なので僕がのびのびと演技をできたのだと思います。

田中和仁選手 個人の時は淡々と試合運びができるのですが、個人でやるよりも団体の時はみんなの元気だったり、試合自体も楽しくなってきて気持ちがいつもより入ってしまいました。そういう意味では自分の体や気持ちをコントロールし切れなかったというのが失敗につながったと思います。個人戦の時は、前半4種目終わるまではいつも通り試合できていましたが、ラスト2種目の床とあん馬は団体予選決勝も失敗してきたので、自分に自信を持ち切れずに不安な個所があったので、少しいつもと違ったかなと思います。

内村選手 大会が始まる前からこのオリンピックに懸けすぎている部分があって、いつもと違う気持ちで臨んでしまった気持ちがミスにつながって、50パーセントの力しか出せなかったのかなと思います。

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