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2012.08.06 オリンピック

【メダリスト会見】メダルラッシュの競泳「まだまだ日本は強くなる」

【メダリスト会見】メダルラッシュの競泳「まだまだ日本は強くなる」
戦後最多となる11個のメダル獲得となった競泳チーム
【メダリスト会見】メダルラッシュの競泳「まだまだ日本は強くなる」
初出場のオリンピックで3つのメダルを獲得した鈴木聡美選手

 ロンドンオリンピックで戦後最多となるメダル11個(銀3、銅8)を獲得した競泳の日本代表選手団が5日、ロンドン中心部のジャパンハウスで記者会見を行い、メダル獲得の心境を語りました。会見には萩野公介選手、寺川綾選手、鈴木聡美選手、入江陵介選手、松田丈志選手、星奈津美選手、立石諒選手、上田春佳選手、加藤ゆか選手、藤井拓郎選手、北島康介選手のメダリスト11名と平井伯昌コーチが出席しました。

――現在の心境は?

鈴木選手 100メートル(平泳ぎ)銅メダルから勢いづいて、200メートル(平泳ぎ)でもしっかり自分のレースをすることができました。たくさんの地元の友だち、山梨(学院大)の水泳部の仲間、家族からメールやメッセージをたくさんもらって緊張せず、リラックスして自分のレースに取り組んで、メダルを取れてうれしく思っています。日本から応援してくれた皆さんに感謝の気持ちを伝えたいです。

入江選手 今回、メダル3個を目標にして、達成はできたんですが、金メダルにあと少し足りず、残念な気持ちもあります。メダルを取った後、いろいろな人たちからメールや電話をいただいて、あらためてオリンピックの大きさを実感することができました。
 
 ロンドンオリンピックの競泳は終わりましたが、リオへのオリンピックは、もう始まっていると思うので、しっかりと4年後を見据えてがんばっていきたいと思います。

北島選手 個人としては思うような結果を残せませんでしたが、最後の最後で自分らしい泳ぎができてよかったです。あと、チームのために戦って、メダルを取ることができてうれしいです。

【メダリスト会見】メダルラッシュの競泳「まだまだ日本は強くなる」
チーム主将の松田丈志選手は個人、リレーで2つのメダルを獲得

松田選手 個人では金メダルに少し届かなくて残念でしたが、メドレーリレーでチームで戦う楽しさ、素晴らしさを感じるレースができてよかったですし、銀メダルが取れてよかったです。

藤井選手 (メドレー)リレーでは最初からメダルを目指していたので、銀メダルを獲得して達成感を感じています。オリンピックをいい経験にできたと思うので、今後につなげていきたいです。

立石選手 200メートル(平泳ぎ)で自己ベストにはならなかったですが、目標のメダルを取れて、本当に多くの人から連絡をもらって、すごい人数の人に支えられて、今まで水泳をしてきたのだという実感がわいています。これから、どのような形になるかはわかりませんが、少しずつ応援してくれた人たちに今の気持ちを伝えていきたいと思います。

萩野選手 競泳の最初の種目で、日本チームに勢いを与えられるようにと自分に言い聞かせながらレースに臨みました。それがメダルという最高の形でみなさんにバトンを渡すことができました。チームのみなさん、応援してくれた人たちのおかげでこのような結果が出ました。

星選手 口には出しませんでしたが、初めて金メダルというものを本気で意識して、そういった気持ちでやってきました。レース直後、悔しい気持ちもありましたが、表彰台でメダルをかけてもらった時に、オリンピックのメダルの重さを感じ、これまでやってきたものがすべてがここに詰まって、ここに戻ってきたのだと感じました。いろいろな人の支えや力を借りて獲得できたメダルだと思います。

上田選手 メドレーリレーのメダルは絶対に取るという気持ちでやってきたのでうれしかったです。たくさんのひとたちの支えがあってここまでこれました。

加藤選手 この銅メダルは日本で応援してくれたみなさんも含めて、応援してくれたみなさんとともに取ったメダルだと思います。最終日に男女ともにメダルを取れて本当によかったです。

【メダリスト会見】メダルラッシュの競泳「まだまだ日本は強くなる」
100m背泳ぎとメドレーリレーで2つのメダルを獲得した寺川綾選手

寺川選手 個人種目は100(メートル背泳ぎ)一本に絞って、金を目指してやってきました。世界で1番のところには届きませんでしたが、私なりの精一杯の、最高のレースができたのではないかと思います。

 表彰式の後に、米国のメリッサ・フランクリン選手が、「金メダルを取るために、17年かかりました」と言っていましたが、私は自分の精一杯のレースをして、20ウン年かかったと思いますが(会場・笑)、銅メダルをようやく獲得できてうれしく思います。

 メドレーリレーでもチームのみんなと力を合わせて、本当に日本のチーム力、絆を感じるレースになりました。たくさんの方のサポートのおかげです。

――松田選手に伺います。米国に次ぐ11個のメダルを獲得したが、主将としての感想はいかがでしょうか?

松田選手 戦後最多のメダルを獲得できたのはチームとしてもよかったですし、自分としてもうれしいですが、金メダルがなかったので、その点は自分に対して悔しい思いがあります。

 みんなが1人ではなく、27人みんなで戦うのだという意識を合宿から伝えてきました。本当にいいメンバーで、個性を持っている27人なので、全員がチームのためにという意識を持ったのが、大きな力になったのではないかと思います。

――萩野選手に伺います。17歳でオリンピックのメダルを獲得されましたが、今後リオデジャネイロオリンピックなどへの目標はありますか?

萩野選手 初めてのオリンピックでこういう結果を残しすことができたのですが、まだ高校生ですし、まだまだこれからどういうことがあるか分かりません。その時、その時の目標に向かって精一杯努力して、その目標の先がリオオリンピックで、自分が満足する結果が出せればと思います。

【メダリスト会見】メダルラッシュの競泳「まだまだ日本は強くなる」
4×100mメドレーリレーで銅メダルを獲得した北島康介選手

――北島選手に伺います。ロンドンオリンピックを終えての感想、今後の抱負や考えなどがあれば教えてください。
 
北島選手 このロンドンオリンピックは自分にとっての新しい挑戦でした。その意味で、結果のことはありますが、この過程を踏んできたことに満足していますし、違った意味で新しい水泳観を得ることができました。

 このチームでメダルを取れて、大きなご褒美だと思っていますし、ここにいるキャプテン(松田)、(入江)陵介、ほかの選手たちに支えられて最後にメダルをとれて、笑顔で終われたので良かったと思います。
 今後についてはこれからゆっくり考えようと思います。

――「新しい水泳観」とはどういうものでしょうか? また「リオデジャネイロまで1460日。」というツイートをしていましたが、リオへの意識はありますか?

北島選手 日本ではなく、海外に出て、選手と交流したりすることで、いろんな取り組みとかを見るというのは、今までと変わった点だと思います。自分が泳ぐことで、いろんな選手が喜ぶというのは、今までになかったことだと思います。

(ツイッターの内容に関しては)まあ、それはご自由に(笑)。

――萩野選手に伺います。母校・作新学院が夏の甲子園出場を決め、8日に開幕しますがメッセージをお願いします。

 甲子園出場メンバーには友人もいますし、身近な友人が甲子園という野球の聖地で戦うということで、心の底から応援しています。昨年はベスト4なので、今年はもっと上を目指して戦ってほしいと思います。

【メダリスト会見】メダルラッシュの競泳「まだまだ日本は強くなる」
目標としていた3つのメダルを獲得した入江陵介選手

――3個のメダルを獲得した入江選手、鈴木選手に伺います。今回のメダルの重みについてどうお考えでしょうか?

入江選手 始まる前から「3つを目標に」とずっと言っていました。その意味は、北京の100メートルでメダルを取れなかったということが引っかかっていて、その分(今回は)とるという気持ちでいたので、3種目を目指していました。
 今回3つとれて、数としては満足していますが、色はまだ上があるので、まだ頑張っていきますし、メドレーリレーでも米国に勝てるようにチーム力を高めていきたいです。

鈴木選手 オリンピック初出場で自分のレースをすることを先決に考えて、自己新を目指していました。100メートル予選で、自分のレースをしっかりやって決勝に残っただけでもうれしかったです。そこで、端のコースから攻めて、銅メダルを取れました。
 そこで勢いに乗って、200メートルでもしっかり自分のレースをして、自己新記録という結果を残して、さらにいい銀メダルというメダルを取れました。

 メドレーリレーでも4人の力を合わせて、渾身の力を振り絞って(メダルが取れて)、まさかの連発ですが本当にうれしいです。まだメダルの色には上があるので、4年後のリオに向けて頑張りたいと思いました。

――平井コーチに伺いたいのですが、今回の結果は考えていた以上のものでしたか? その要因はどうお考えでしょうか?

平井コーチ 大会前の目標は、金メダルを含む8個のメダル獲得でした。11個獲得というのは、目標を大きく上回ったことで評価できます。ただ、選手も自らが言うように、金メダルがなかったことは大きな反省材料だと思います。今回11個メダルをとって、27人中、11人がメダリストということで、チーム全体の力が大きく上がった現れなのではないかと思います。

 NTC(味の素ナショナルトレーニングセンター)、JISS(国立スポーツ科学センター)のサポートの力は大きいですし、(ロンドンでは)マルチサポートハウスを作ってもらい、選手が利用しました。こういったサポートがいい形になったのではないかと思います。

 リオを考えると、これからさらに上を狙えるベテランになるような選手、萩野くんのような高校生の選手がメダルを取ったことで、今後に向けた材料は明るいのではないかと思います。

 私にもメールをいただいて、東北の方、昨年の震災の被災者の方から、「勇気をもらった」「毎日毎日、力をいただいた」ということで、2016年だけでなく、2020年の東京オリンピック招致を考えても、今回の競泳の活躍がスポーツへの関心を高める一因になればと考えています。

――平井コーチと米国で生活をしている北島選手に伺います。日本が競泳大国・米国に肩を並べる、あるいはそれ以上の競泳大国になるために必要なことを教えてください。

北島選手 米国が日本を評価してくれたことはうれしいです。平井コーチが以前「オリンピックで戦うためには相手に意識させることが大切だ」とおっしゃっていて、そういうためにも米国に日本が脅威になると思わせることが大切だと思います。
 それでも米国は金(メダル)をたくさん取っています。フェルプス、ロクテなど、また若手もどんどん出ているし、金メダルをたくさん取っている選手も何人もいます。

 米国に負けないためにも、(400メートル個人メドレーで)フェルプスを倒した(萩野)公介にがんばってもらって、日本のフェルプスになってもらいたいと思います。

平井コーチ 金メダルはなかったですが、途中からチームが勢いづいて、この会見に出席している11名のメダリスト以外にも応援や、ウォーミングアップをする時に試合のある選手を優先するといった、27人みんなが相手を思いやってやっていたチーム力は素晴らしかったと思うので、そういったところは高めていかなければいけないと思います。

 日本は(1964年の)東京オリンピックの後、スイミングクラブがたくさんできて、世界の中でも独特の強化方法だと思うのですが、米国やオーストラリアでは公共のプールで強化活動をしています。
 日本では東京にも公営の屋内50メートルプールは5つ、6つありますが、外国のように朝5時半くらいから選手だけでなく、一般の方が朝から泳げるようにしてもらえれば、スイミングクラブ、JISSだけではない全体の強化ができるのではないかと思います。

 ですので、JOC(日本オリンピック委員会)の方々や、スポーツ省ができたら(政府が)条例とか法律を全部変えて、スポーツに対するご理解(を深める活動)を政治がやっていただきたかないと、なかなか難しいと思います。(上野広治)競泳委員長、(日本代表選手団)副団長の橋本聖子さんも昨日おっしゃっていると思いますのでお聞きください。

 最後にひとつだけ、今回は選手ミーティングというのを松田キャプテン中心に、北島とかも話せるので駆り出されてましたが、選手の自主的なミーティングがチームワークの一員になったと思いますの。ここに来ていない選手も含めた全員の力が結集したと思います。
 これからまだまだ競泳は強くなると思うので、応援よろしくお願いします。

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