ロンドンオリンピック柔道男子90キロ級で銅メダルを獲得した西山将士選手がロンドン中心部のジャパンハウスで会見を行い、メダル獲得から一夜明けた心境を語りました。
――昨日の疲れは取れましたか? また、朝起きて心によぎったことと一番最初にやったことを教えてください。
西山選手 (疲れは)筋肉痛です。朝起きて、体を起こすまでに「あー、昨日は試合だったな。(金メダルを取れなくて)くっそー」と、いきなり思いました。一番最初にしたことは、起き上がるときに体がバリバリッとして「痛てて……」となってました(笑)
――そういう意味では昨日は全力を出し切ったということですか。
西山選手 そうですね。チャンピオンになれなかったことは悔しかったですが、自分の身の丈だと思います。
――昨日の調子、良かったところ悪かったところを振り返ってください。
西山選手 試合に入る前はまだまだ自分の精神力が弱いなと思って、1回戦は怖さや不安がありました。調子はほかの試合と変わらず、ある動きはできたりほかの動きはできなかったり、それを次の試合で少し修正したりと、相変わらずな感じで普通でした。
――銅メダル獲得の報告を誰にしましたか?
西山選手 見に来てくれた両親に電話をして「見に来てくれてありがとう」と言いました。両親からは「けがしてないか、よくがんばったね」とか、いつも通り試合が終わった後の話をしました。
――次のリオデジャネイロオリンピックでのリベンジは?
西山選手 (今大会の)悔しい気持ちは激しく残っていて、正直、それしか残ってない感じなんですが、毎回ほかの試合もさぼらずにやってきて、あと先考えないで、次に出る試合までのことしか考えていないので、まだ分かりません。ちょっと休んだらやりたいことのアイデアが浮かんでくるかもしれないし、まだ何も考えていないです。
――「悔しい気持ち」ということでしたが、自分が実際にやっていてどこに金メダルを取れない原因があると考えていますか。
西山選手 精神力だと思います。(金メダルという)結果が出なかったので、何を言ってもしょうがないですが、ほかの競技は分からないですけど、精神が体を動かすと思っていますし、やっぱり悔しいです。
――これまでの練習で何か足りないものがあったのか、あるいは十分やったけれどもそこまで行きついてなかったのか。また、これから精神力をつけるために、どのようにしていこうと思っているのか教えてください。
西山選手 今までのやり方は自分で追い込むタイミングもあり、全日本合宿で先生方にまた違ったやり方で追い込んでもらう、練習量を増やす、質を上げるというやり方でやってきましたので、練習してきたことに悔いはありません。
練習をたくさんすれば絶対勝てるとか、足し算でうまくいくとも思っていないですし、もっと勝負は残酷だと思いますので、それとは関係なく、やってきた練習は間違ってなかったと思います。でも結果が伴わなかったのでそれはそれで悔しいですが……。
(どう精神力をつけていくかは)まだ考えていません。これから「もう一回なんとかしたい」という気持ちが出てくれば、また絶対に浮かんでくると思います。
――今回が初めての世界大会という舞台でしたが?
西山選手 悔しい思いだけが残りました。自分のやり方ではできたと思うのですが、自分のプレーができれば、結果はついてこなくても悔いはないという選手もいるとは思うのですが、僕は性格が悪くて欲張りなので、両方伴わないと面白くないので悔いが残りました。
――“精神力”という言葉もありましたが、今大会を経てどんなことが経験になりましたか。
西山選手 ああいう舞台で戦ったということと、負けた後に2試合して竹を割ったように気持ちを切り替えて試合をできたかは分からないですが、なんとか「どうやって勝てばいいのか」ということを考えつつ試合をしました。
(内容は)ぐっしゃぐしゃな試合ではありましたが、結果として表彰台に首の皮一枚つながって上がれたので、なんとか踏ん張れたところは経験になったと思います。
――3回戦で敗れた後は、どんな風に気持ちを入れ替えましたか?
西山選手 気持ちを入れ替えきれなかったと思います。それでも、井上(康生)コーチに「これはお前に試されている困難だ」と言われ「確かにな」と思ったり、一方で「もう金メダルは取れないのか」と弱い自分が出てきたりという感じで、中途半端なところだったのですが、銅メダルを目指そうというより、今、目の前にいる敵を倒して、この状況を自分で打ち破らないとという精神状態で、試合時間が終わるまで思い切り動き回ってやろうという気持ちでやっていました。
――最後の試合で延長で判定になりました、その時の気持ちはどんなものでしたか?
西山選手 「やった銅メダルだ」という気持ちではなく、「オリンピックが終わったんだな」という感じでした。
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