ロンドンオリンピックのテニス男子シングルスは29日、ウィンブルドンで行われ、第15シードの錦織圭選手がバーナード・トミック(オーストラリア)選手に7−6、7−6でストレート勝ちし、1回戦を突破しました。錦織選手は2度目の出場でオリンピック初勝利です。また、男子シングルスの日本勢では1924年のパリ大会以来、88年ぶりの歴史的白星となりました。
日の丸を意識したという赤と白のウェアに身を包んだ錦織選手は、序盤から積極的なプレーを見せ、タイブレークの末に7−6で第1セットを先取。直後に降雨のため一時中断となりましたが、再開後も集中力を切らさず、再びタイブレークをものにして白星を飾りました。錦織選手は試合を振り返って、「ウィンブルドン(選手権)に臨む気持ちで、会場になじみがあるので緊張せずに入れました。日本人としての意識を持ってプレーできたので、この勝利は自信になります。いつもよりアグレッシブに攻めたのがいい方向にいきました」と笑顔で話しました。
ウィンブルドンの会場には日本人ファンが駆け付け、声援と拍手で錦織選手を後押ししました。勝利の瞬間にはこの日一番の歓声が沸き起こり、日の丸が揺れました。ロンドン在住の小山麗子さんは「感動しました。イギリスに住んでいるので日本人が活躍するのはすごいうれしいです」と大喜び。一緒に応援したラウツ舞貴さんは「雨で中断したので心配しましたが、ホッとしました」と胸をなでおろしました。ウィンブルドン選手権でも錦織選手のプレーを間近で見たという2人は「優勝までいってほしい」とエールを送りました。
錦織選手の活躍に興奮したのは日本人だけではありません。英国バッキンガム州オルニー村から家族で観戦に訪れたローランド・クレバリーさんは「ベリー、ベリーグッドプレーヤー。ニシコリはベストプレーヤーの一人。動きが速いね」と興奮気味に話し、満足そうに会場を後にしました。
錦織選手は2回戦でラデク・ステパネク選手(チェコ)とニコライ・ダビデンコ選手(ロシア)の勝者と対戦します。
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