ロンドンオリンピックの選手村を報道陣に公開するメディアツアーが開幕直前の24日に行われました。オリンピックパーク内に併設された選手村には期間中、参加国・地域の選手や役員など約1万6千人が生活します。村内には宿泊棟のほか、5000席の巨大な食堂、フィットネスセンター、娯楽施設など憩いの場も充実しており、選手たちは競技場での真剣な表情からは一転、リラックスした様子で過ごしています。
宿泊棟には、どの国がどの棟に入っているかを表す各国の旗や巨大な垂れ幕などが掲げられ、日本が入る棟は日の丸や日本オリンピック委員会のエンブレム、「FIGHT! TEAM JAPAN」などと書かれた横断幕が飾られています。目の前には緑の芝生が鮮やかな大きな公園「ビクトリーパーク」があり、公園沿いのベランダからは最高の景色が望めます。芝生の小高い丘の向こうには、大きなオリンピックシンボルマークのオブジェがあり、記念撮影のスポットとして多くの人で賑わっていました。
日本の宿泊棟は10階建ての建物を数棟、179室を使用しています。24日時点で選手・役員308名が生活を共にしており、大会が進むにつれて選手団が入れ替わりながら過ごします。今後は大会後半に行われる陸上競技などの選手団が入ってくる予定です。宿泊棟はマンションタイプで、各室内は4つの部屋に仕切られ、基本1部屋にベッド2台という構成になっています。2階には中庭が設けられ、日中でも木陰となる静かな空間でくつろげます。
宿泊棟には日本代表選手団の事務局も設置され、団長以下役員、スタッフの作業やミーティングが日夜行われています。他にもメディカルルームなどを設け、選手をサポートする万全の体制を整えています。日常生活では、日本語を話せる11人のボランティアが交代で選手団のお世話をしてくれます。
メディアツアーで報道陣が日本の宿泊棟を取材している際、偶然にも体操男子の内村航平選手と加藤凌平選手がベランダから顔をのぞかせる場面もありました。選手村での生活について感想を求められた内村選手は「申し分ないです」ときっぱり。オリンピック開幕を目前に控えて、「調子はいいです」と笑顔で答えてくれました。体操男子の選手たちは2階角部屋に居を構え、ビクトリーパークを眼下に臨みながら過ごしています。この縁起のいい名前がつく公園にあやかって、ぜひとも“ビクトリー”(勝利)を勝ち取ってほしいものです。
選手村の最大の目玉は何と言っても巨大な食堂です。24時間営業の食堂内はフードコートになっていて、選手たちは自由に、かつ好きな分だけ食べることができます。それもすべて無料! 地元イギリスの料理をはじめ、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、カリブ、イスラム、さらにはマクドナルドなど、文字通り世界各国の味を堪能できます。インド&アジア料理エリアではもちろん、日本食も用意されています。気になる味については、上村春樹団長が「選手村の食事はおいしいです」と話したように、選手たちも皆口をそろえて「おいしい」と満足。ちなみに、この食堂の厨房では、日ごろ味の素ナショナルトレーニングセンターのサクラダイニングで腕をふるうシェフも働いています。
村内は喧騒とは離れ、ゆったりとした時間が流れています。部屋や公園で静かに過ごす選手もいれば、食堂で海外の選手と交流を図る、あるいは娯楽施設でリフレッシュするなど、選手たちはつかの間の休息を思い思いに楽しんでいます。本番でベストパフォーマンスを披露するには、ストレスのない快適な日常生活があってこそ。最高の環境で英気を養い、選手たちは勝負の場へと向かっていきます。
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