2月28日、トリノ冬季オリンピック日本代表選手団が帰国し、都内で遅塚研一団長、池上三紀副団長、亀岡寛治総監督、フィギュアスケート女子シングルで金メダルを獲得した荒川静香選手が出席して帰国時記者会見が行われた。
まず遅塚団長は「フィギュアスケートの荒川静香選手が金メダルを獲得し、日本のウインタースポーツの歴史に新たな1ページが書き加えられたことを喜びたいと思う。選手団全体では4位入賞が5つあり、中でもアルペンスキー男子回転(スラローム)の4位と7位入賞は50年ぶりの快挙だった。またカーリング女子チームの成長にも目の見張るものがあり、将来大きな展望を開いたと思う。
今回のオリンピックでウインタースポーツの先進国といわれる国は、選手強化の環境が大変素晴らしいことが明らかになった。日本も冬季競技のナショナルトレーニングセンターの実現に具体的に取り組むべき時期が来ているという思いを強くした。オリンピックムーブメントに則ったうえで、縮小を含め、選手団のあり方には慎重な検討が必要だ」と総括を述べた。
次に池上副団長は、スキーとバイアスロンの反省点や問題点を振り返り、「スキーでは情報や完成度の不足があり、多くの国民の声援をいただきながら結果を残せなかった。バイアスロンは今後、射撃で満射に近づくことが必要。次のオリンピックはいちから出直すつもりで、今回経験したことを糧にし、再びメダルを目標に頑張って行きたい」と語った。
亀岡総監督は「今回の荒川選手の金メダル獲得は、アルベールビル冬季オリンピックで伊藤みどり選手が銀メダルを取って以来、厳しい状況の中で築き上げた一環指導システムが大きく花開いた結果。他の競技もこれから長期的な視野に立ち、選手を育てて行くことが必要。長野冬季オリンピックで培ったソフトの面と、エムウェーブなどの施設を十分利用できる環境を作り、根本的強化策を見い出して行きたい。4位の成績は限りなく3位に近かったが、壁があるのも確かなこと。これからのステップになる大会でもあった」と述べた。
荒川選手は金メダルを獲得した喜びを「オリンピックという最高の舞台で最高の結果を出し日本に帰国できたことは、多くの方々の支持や声援があってのこと。両親をはじめ、身近で支えてくれた方々の存在に心から感謝している。この金メダルは人生において最高のもの。金メダルのように輝き続けられるように今後も努力、精進していきたい」と語った。
また荒川選手を目指している子供たちに対して、「楽しい気持ちを忘れないで、まっすぐ進んでいって欲しい。私の演技が夢や希望を持つ子供たちの励みになれればいいと思う」とメッセージを送った。
写真提供:フォート・キシモト
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