9月17日から28日まで、アテネでパラリンピックが開催され、日本は163名が参加した。
2000年のシドニー大会での活躍に続き、競泳の成田真由美選手は金メダル7個、銅メダル1個に輝き、50m背泳ぎ以外すべて世界新を記録。最大のライバルで親友のカイ・エスティファン選手を失い、今大会は「カイのためのパラリンピック」として臨み、すばらしい活躍をみせた。男子では初出場の花田裕治選手が自由形で銀メダル2個、銅メダル1個を獲得。5年ほど前にリハビリではじめた水泳が、コーチと出会いアテネを目指すことに。セレモニー後コーチが駆け寄ると、花田選手の目から涙が溢れた。
柔道には7人が参加し、66kg級の藤本聰選手が金メダル、60kg級の広瀬誠選手と81kg級の加藤裕司選手が銀メダル、100kg超級の天川敬史選手が銅メダルを獲得。オリンピック同様の期待がかかった日本勢は大柄な世界の選手を相手にスピードと巧みな技で熱戦を繰り広げた。今大会より正式種目になった女子の部には48kg級で赤塚正美選手が登場。成績は5位であったが、今後の女子柔道を盛り上げるうえで重要な役割を果たした。
車いすマラソンでは畑中和選手が金メダル、土田和歌子選手が銀メダルを獲得した。
レースの勝敗が見えてきたのは約25km地点からだった。上りが強い畑中選手がぐんぐん離し独走。土田選手はその姿を必死で追った。すでに5000m競技で優勝を果たしている土田選手は「シドニー大会より冷静にレースを見られるようになった」と、自分の成長を振り返った。
車いすテニスのダブルスで斉田悟司選手と国枝慎吾選手が金メダル。ネット際の攻撃などで相手を翻弄し、迫力あるラリーで観客を圧倒した。車いすバスケットやシッティングバレーは世界選手との体格差に負けメダルを逃した。
結果は52個のメダルを獲得し前大会の成績を上回った日本だが、どの種目も選手不足に悩んでいる。今後は選手の発掘や育成に力を入れることを考えていかなければならないだろう。
(写真と文・工藤きよみ)
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