史上最多の204の国と地域が参加し、17日間に渡って数々の熱戦が繰り広げられた第29回オリンピック競技大会(2008/北京)の閉会式が、8月24日にメインスタジアムである国家体育場で行われた。
閉会式は、大会の回数を示す「29」秒前からのカウントダウンでスタート。巨大な太鼓の音とともに、中国で調和と再生を意味する“丸い”花火が打ち上げられると、9万人の観客の熱狂の中、式の幕が開いた。
選手入場では、オリンピック発祥の地・ギリシャを先頭に各国の旗手が登場。日本代表選手団の旗手は、男子平泳ぎ(100m・200m) で2大会連続金メダルを獲得した北島康介選手が務めた。会場の左右から102ずつ、すべての国と地域の旗手が登場した後、各国の選手たちが一斉に入場し、会場は選手たちの笑顔で溢れた。
選手団入場後、北京オリンピック組織委員会の劉淇会長が、大会が成功に終わった事に対しての謝辞を述べた。
続いて、国際オリンピック委員会のジャック・ロゲ会長が登壇し、「今宵、私たちの心に永遠に残る、すばらしい大会が終わりを告げます。中国の皆さん、ボランティアの皆さん、そして北京オリンピック組織委員会の皆さん、ありがとう。私たちは選手たちの喜びや涙に共感し、彼らの能力に驚嘆しました。選手たちの功績を忘れません」と挨拶した。
また、「対立する国や地域から参加し、競い合う選手同士が交わす温かい抱擁の中に、オリンピック精神は宿っています。自国に帰ってもこの精神を絶やさないでください。」と述べ、第29回オリンピック競技大会の閉会を宣言した。
中央のステージには北京市長、そして次回2012年オリンピック開催地のロンドン市長が立ち、オリンピック旗引き渡しのセレモニーが行われた。
会場が温かい拍手に包まれると、絵巻物をイメージした競技場の上部側面には、今大会の様々なハイライトシーンが映し出された。絵巻を閉じるとともに17日間燃え続けた炎は静かに消えた。
多くの名場面と感動を与えてくれた第29回オリンピック競技大会(2008/北京)は、4年後に開催されるロンドンに引き継がれ、その幕を下ろした。
【写真提供:Getty Images/アフロ】
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