東京2020大会のレスリング男子65kg級フリースタイルで金メダルを獲得した乙黒拓斗選手、女子50kg級フリースタイルで金メダルを獲得した須﨑優衣選手が8日、記者会見に出席し、メダル獲得の心境や喜びを語りました。
■乙黒選手「一晩経って、夢が実現できたんだなと」
――メダル獲得から一夜明けての感想をお願いします。
乙黒選手 金メダルをとれて一晩経って、夢が実現できたんだなと少しずつ実感しています。金メダルが手元にあるのがまだ不思議な気持ちで、少し夢のような気分です。
須﨑選手 一夜明けて、8年間ずっと目指してきた東京オリンピックで金メダルを獲得できたんだという実感が少しずつ湧いてきました。
――須崎選手、旗手として開会式に出席し日本代表選手団の先頭を行進しました。金メダルを獲得して、どういうことを伝えられましたか?
須﨑選手 今私ができることは、東京オリンピックを開催いただけることに感謝することと、私が勇気を持って自分から攻めるレスリングをして金メダルをとって、少しでも多くの方に勇気や感動をお届けできるよう頑張ろうと思っていたので、誰かの活力や頑張る源になっていればうれしいです。
――コロナ禍の大会、特殊な状況の中で初出場しての金メダル。どういう意味があると思いますか?
須﨑選手 この特別なオリンピックの中で開催するにも大変だったと思いますが、開催いただけて、金メダルを獲得することができて、たくさんの方々のご理解ご協力あって自分の夢を叶えられたので、感謝しています。
乙黒選手 コロナ禍の中で開催いただいて複雑な思いがありますが、いち選手として出るからには自分の全力を出すと決めて挑みました。その結果として、金メダルをとれてすごくうれしいです。
――須﨑選手、10歳のときの手紙で「オリンピックに行けるようお願いします」と書きました。当時の自分に声をかけるなら?
須﨑選手 10歳の頃の自分に声をかけるとするなら、「夢が叶ったよ」と声をかけてあげたいと思います。
――乙黒選手、小学6年生の卒業文集で「お父さん、お母さん、おばあちゃんをオリンピックへ連れて行ってあげたい」と書きました。10年後にお兄さんの圭佑選手とともにオリンピック出場することができましたが、当時の自分に声をかけるなら?
乙黒選手 「しっかり連れて行ってあげたよ。観客には入れなかったけど、金メダルとれたよ」と伝えたいと思います。
■須﨑選手「さらなる高みを目指したい」
――今後に向けての思い、パリオリンピックでもう一度という思いがあればお聞かせください。
乙黒選手 3年後にパリオリンピックがあるので、今は目指すかどうか分かりません。東京オリンピックをメインにして考えてきたので、この後一旦休んで少しずつ前に進められたらと考えています。
須﨑選手 私も東京オリンピックに全てをかけて、照準を合わせてやってきたので、一旦休憩して。でも金メダルをとった瞬間に「さらなる高みを目指したい」と思ったので、1回体を休めてから、次の目標に向かって頑張っていきたいと思います。
――お休みをとるとなったら、何がしたいですか?
乙黒選手 海がきれいなところにいって、ゆったりと空を見て1日過ごすような、ゆったりした時間を過ごしたいと思います。
須﨑選手 私も何も考えないでいいようなゆっくりとした1日を過ごしたり、美味しいものを食べたりして、体を休めたいと思います。
――おふたりとも早くから期待されながら、厳しい代表争いになりました。その経験はご自身を強くさせましたか?
乙黒選手 日本のフリースタイル65kg級は層が厚くレベルが高いので、日本国内の戦いを勝ち抜いたことを誇りに思い、世界で自信を持って戦いました。
須﨑選手 東京オリンピックという存在が私自身を強くさせてくれたと思います。国内での選考も厳しい戦いでしたが、オリンピックという目標があったからこそどんな試練も乗り越えられたし、東京オリンピックという存在が成長させてくれて、強くさせてくれました。
――メダル獲得から一夜明けての反響はいかがですか?
乙黒選手 たくさんの連絡、LINE、SNSを通じて祝福のメッセージをいただきました。数は具体的に覚えていないですが、驚くほど多かったです。
須﨑選手 私もたくさんのメッセージをいただいて、まだ全員には返してないですけど、一つひとつしっかり読ませていただいて、感謝の気持ちを込めて返したいと思います。
――須﨑選手は千葉県松戸市のレスリングクラブ、乙黒選手は山梨学院大学のマットで鍛えてこられました。どういった練習が支えになって、金メダルにつながりましたか?
乙黒選手 自分の場合は弱点が具体的に出ていたのでコーチと話し合って、何度も反復して体に染み込ませるほど強化しました。
須﨑選手 ちびっこの頃は松戸レスリングクラブでやっていて、当時からタックルで攻めるレスリングを基礎に教えてもらいました。小さい頃からそれが身について武器になっているので、小さい頃の教えが自分の基礎となっています。
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