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2021.08.04 オリンピック

【メダリスト会見】体操・橋本選手「3年後のパリでは一つでも多く、団体でも金メダルを」

【メダリスト会見】体操・橋本選手「3年後のパリでは一つでも多く、団体でも金メダルを」
会見に出席した(左から)北園丈琉選手、谷川航選手、萱和磨選手、橋本大輝選手(写真:アフロスポーツ)

 東京2020大会の体操男子日本代表選手団が4日、記者会見を行い、競技終了から一夜明けての心境を語りました。

 橋本大輝選手は個人総合と種目別鉄棒で2冠に輝き、団体総合で銀メダルを獲得。萱和磨選手は団体総合で銀メダル、種目別あん馬で銅メダルを獲得。谷川航選手と北園丈琉選手は団体総合で銀メダルを獲得しました。

【メダリスト会見】体操・橋本選手「3年後のパリでは一つでも多く、団体でも金メダルを」
橋本大輝選手(写真:アフロスポーツ)
【メダリスト会見】体操・橋本選手「3年後のパリでは一つでも多く、団体でも金メダルを」
萱和磨選手(写真:アフロスポーツ)

■萱選手「喜びと悔しさの両方を味わえた大会」

――メダル獲得の感想をお願いします。

橋本選手 今大会が初出場でしたが、それを感じさせないように準備をして、悔いの残らない演技をしたいというか、オリンピックの舞台を楽しんで演技できたので、18演技ノーミスの結果が団体銀メダル、個人総合金メダル、種目別金メダルにつながったと思っています。正直、団体総合で金メダルをとりたかったのが悔いがあったんですけど、これからはこの悔しさを成長に変えて、3年後のパリでは金メダルを一つでも多く、そして団体総合で金メダルをとっていきたいと思っています。

萱選手 僕も今大会が初出場で、「オリンピックってどんな舞台なんだろう」とずっと思いながら体操を続けてきました。今回立ってみて、すごい舞台だったんですけど、どこか冷静な自分がいて、いつもどおりの自分を出すことができて。結果では団体銀メダルと種目別の銅メダルでしたが、この2つのメダルは意味が違いました。あん馬は自分のやれることをやりきっての銅メダルなので、結果も(メダルの色は)何色でもいいかなと。団体は内容は全員がノーミスで、すばらしい演技をつなげたけれど、0.1点差は忘れることができない。あの悔しさはもう、3年後に金メダルをとりたい気持ちに既に変わっている。喜びと悔しさの両方を味わえた大会だと思います。

谷川選手 全員ノーミスで18演技揃えられたのはすごく難しいことなので、それを達成して、やりきった気持ちが試合直後は一番大きかったです。けれど、時間が経つにつれてどんどん悔しさがこみ上げてきて。この悔しさを忘れないで、苦しいときでも悔しさを思い出して「絶対勝つんだ」と思う気持ちでやれば勝てると思うので、さらにこれから頑張っていきたいです。

北園選手 団体では銀メダルという形で終わり、0.1点差という悔しい結果になってしまいました。ですが、演技自体は今できる範囲で全員がいい演技をできたので、次の世界選手権からパリまで「日本が一番強い」と示していって、団体で金メダルを獲得したいと思います。そして、個人総合でもこれからもっともっと強くなって、パリでは金メダル獲得できるように頑張っていきたいと思います。

【メダリスト会見】体操・橋本選手「3年後のパリでは一つでも多く、団体でも金メダルを」
谷川航選手(写真:アフロスポーツ)

■谷川選手「感謝をできるだけ笑顔で伝えるように」

――来年からルール変更がありますが、パリ大会にむけて準備することをお願いします。萱選手と谷川選手は鉄棒でコバチ系の手離し技の練習を始めていると伺っていますが、いかがですか?

橋本選手 僕自身まだ(10月の)世界選手権が残っていて、新ルールに対応しながら戦わないといけない。ルールのことは先回しにしたいと思っているんですけれども、変更になるルールは大体分かってるので、それを明確にして冬場にやっていけば、ルールに対応できると思います。焦らず一歩一歩、目先のことにこだわってやりたいと思います。

萱選手 僕は団体で銀メダルになった日からもう、パリをについて考えているので。次の日には演技構成を5種目、パリまでの流れをざっと計画をして、来年はこういう演技構成にして、パリで自分を良くするために、まずは来年と考えています。僕も世界選手権があるので、それと両立しないといけない。短期と長期、どちらの目標もうまく練習しながらルールに対応できるようにがんばります。

谷川選手 新しいルールになって、ゆかと鉄棒が構成を大きく変えなきゃいけないかなと思っていて。ゆかに関してはダブル系、2回ひねりダブルをやっていかないといけない。鉄棒はコールマンやコバチ系、今まで避けてきた技をやっていかないといけないかなと。必死にやっていきたいなと思います。

北園選手 新ルールということで、ちょっとワクワクしているというか、やってこなかった技をやる楽しさがあると思います。そこを楽しみながら、1年1年しっかり力をつけて頑張りたいと思います。

――昨夜は会場スタッフへの感謝の言葉を日の丸に掲げて伝えていました。選手の皆さんはどのような気持ちで大会に参加されていましたか?

橋本選手 僕はこの大会を通じて日本の温かさ、人の温かさを知れた大会でした。夜遅くまで個人総合、団体総合をやっていたんですけど、ボランティアの方々やいろんな方々が裏側で作業やサポートをしてくれたので、本当に感謝してもしきれない。大会をやるにあたって、僕ら選手だけでは成り立たないなって。応援してくれている、支えてくれているので、僕たちのためにやってくれていることに感謝の気持ちでいっぱいです。

萱選手 僕も選手村内、そして有明体育館で「おめでとう、頑張ったね。これからも応援しているよ」と声をかけてもらって。ボランティア、スタッフの方々のおかげもあり、すごく応援してくれているんだなといろんな方からメッセージをいただいて。みなさんの理解あってのこそのオリンピックだと感じましたし、感謝してもしきれないです。オリンピックってすごいんだと、いろんな方面から感じることができました。

谷川選手 選手が注目を浴びてしまいがちなので、ボランティアの方は見えないところで色々やっていただいているので、そこを僕らが感謝していることを伝えないと気持ちが伝わらないと思いますし、だからこそ会うたびに意識的に「ありがとうございます」だったり、感謝をできるだけ笑顔で伝えるようにしていました。

北園選手 僕も同じで、ボランティアの方々にすごく応援してもらって助けてもらったので、僕たちの演技でなにか勇気づけられたらいいなと思って演技しました。

――1年の延期はどう作用したでしょうか?

橋本選手 この1年間は、僕にとってはオリンピックで金メダルをとるための練習ができたと思います。実際、1年前にもし東京オリンピックをやっていたら、代表には入っていなかったかもしれない。この1年間の延期をプラスに変えて、金メダルをとるための明確な目標が見えて、それが成長につながって、個人総合の金メダルと団体総合の銀メダルにつながった。中国、ロシアに追いついたのは、プラスな1年だったと思います。

萱選手 僕も1年延期したことによって、ロシア、中国に離されているなと2019年の世界選手権で感じていたので、その差はなかなか埋まらず、2018年ぐらいから差を感じていた。今回自分の技の難度だけでなく美しさを磨くことができて、1年延期したことで同等というか、結果的にロシアに0.1差で負けてしまったけれど、中国には勝てました。1年前は多分3位だったと思います。この1年が僕たちを強くしてくれました。

谷川選手 この1年間でDスコアを上げることができて、跳馬を1個ずつ上げたりして、2020~21年はずっと跳馬を上げられたと思うので、そこの部分は1年間で変わったかなと思います。

北園選手 1年の延期で、より明確にシニアでの代表入りが見えてきて。世界選手権を見てもどこか遠いと思っていたのが、1年の延期で自分のモノにできたところがありました。この延期は僕にとっても良かったのかなと思います。まだロシアには0.1届かなかったのはこれから頑張る材料だと思うので、まだまだ頑張りたいと思います。

【メダリスト会見】体操・橋本選手「3年後のパリでは一つでも多く、団体でも金メダルを」
北園丈琉選手(写真:アフロスポーツ)

■北園選手「経験を生かしてまだまだ変えるところもある」

――今回使った器具の感想は? 世界選手権は別の器具ですが、対応できそうですか?

橋本選手 国内大会から積極的に跳馬と平行棒に(オリンピックで使う)器具を取り入れて、順天堂大学の練習場では試合でもできるように置いてくれていたので、試合と変わらず練習と同じ感触があったと思うんですけど、跳馬だけがどうしても攻略できなくて。少しロイター板が硬かったとか、助走路が走りづらいとか言い訳していて、やりにくかったのは跳馬だけだと思います。ヨネクラを本当は飛びたかったのですが、できなかったのが悔しいなと思っています。

萱選手 器具についても1年延期したことで練習する期間も増えて、今回は日本の器具と海外の器具が混合した6種目で、今までにないような感覚でした。でも、合わせることができて、器具も日本の器具が多く、東京でオリンピック開催されたのでやりやすかったです。

谷川選手 僕も大輝と一緒で跳馬が合わなくて、跳馬自体の揺れ感が違うのがあったと思います。ちょっとやりづらかったですけど、それ以外は普通でした。

北園選手 僕も今回、跳馬が対応しきれなかったです。他の種目は今まで練習してきた通りの力を出せたかなと思います。

――コロナ禍のオリンピック開催となりました。今までと比べて、コンディション面で難しかった点は? また、この経験をこれからどう生かせると思いますか?

橋本選手 僕自身コンディションが(4月の)全日本選手権が終わってから上がりきらず、どうしてもオリンピックまでに戻したい気持ちがあったんですけど、(5月の)NHK杯で焦りが出て引きずってしまって、試合でベストが出せない状態が続いていました。今まで苦戦したことがなくて、自分自身と向き合って何が一番大事なのか、どうしたら思い通り体が動くのか、悩んで。結果的にコンディションを上げるには、自分が気持ちいい演技をするとか、自分が良かった動きを出すことが一番コンディショニングが上がる要因だと気づきました。7月から2週間合宿をしていたんですけど、いい練習ができて、またチーム内の雰囲気もよかったので、雰囲気も大事だなと思いました。これからは、自分自身の元気さを生かして勢いに任せられればコンディションも自然と上がる。下を向かず上を向いてやれば、自分のコンディションは上がってくると思います。

萱選手 僕は今回コンディションについても、コロナ禍のオリンピックであり、規制もされるなと想定していました。分かる情報は頭の中にすべて入れて、場所や時間を何度も何度もシミュレーションしたのが良かったと思っています。想定外の日程や時間になったり、オリンピック独特の雰囲気もあるので、あまり予定だけに囚われすぎず臨機応変に対応できる柔軟な発想も必要。その両方をうまくコントロールできたので、そのあたりがいつもの国内大会と変わらずに準備できたと思います。

谷川選手 僕はあまりコロナの影響でコンディションが合わせづらかったとは感じていなかったです。和磨と一緒で、臨機応変にどういう状況でもできるような能力が前より身についたと思い、プラスになったと思います。

北園選手 僕もコロナ禍だったからコンディションが、というのはなく、いつもどおりの準備をできていた。オリンピックだからといって意識することなく、今までどおりにやってきたことが良かったと思っています。ただ、結果的に悔しい思いもして、経験を生かしてまだまだ変えるところもあるので、色々考えながらこれからやっていきたいです。

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