東京2020大会のスケートボード男子ストリートで金メダルを獲得した堀米雄斗選手が26日、記者会見を行い、メダル獲得から一夜明けた心境を語りました。
■地元開催に「プレッシャーはあった」
――メダル獲得から一夜明けての感想は?
皆さん応援ありがとうございました。地元の東京都江東区でオリンピックが開催されて、その舞台に自分が立てたことがすごくうれしいです。金メダルをとれて、信じられないぐらいうれしいです。
――今大会、日本代表選手団の中でメダリストとして会見場にいらっしゃるのは、堀米選手が初めてになります。改めて、会見に臨む気持ちを教えて下さい。
今までこういう機会がなかったので、オリンピックってすごいイベントなんだなと感じています。
――新競技の初代王者についてはいかがでしょうか?
今までスケートボードをしてきて、5年前にオリンピックの新競技に選ばれて、最初は遠すぎて自分が出られるイメージが浮かばなかったんですけど、自分の積み重ねていることをどんどんしていったら、オリンピックの舞台がどんどん見えてきました。そこで初めてのオリンピック、新競技・新種目で優勝できてうれしいです。
――競技を始めるきっかけとなった父親の亮太さんとは、金メダル獲得後にどんな話をしましたか? それを受けて、どんなことを思いましたか?
「おめでとう」と言ってくれたので、「ありがとう」と返しました。Instagramのダイレクトメッセージでやり取りをしました。
――3年後のパリ大会は、初代金メダリストとして挑むことになります。
スケートボードはオリンピックなどの大会だけではありません。アメリカでスケートボードに関する映像を作るなど、自分のやりたいことをやって、2024年もいい状態で挑めたらいいと思います。
――今大会で初めてスケートボードを知った人も多いと思います。競技を広く知ってもらえたことについてはいかがですか?
オリンピックを通じて、スケートボードの楽しさやかっこよさをしっかり伝えられたと思います。
――出身地の江東区で競技を行うアドバンテージはありましたか?
東京オリンピックに挑む前はすごくプレッシャーを感じていました。友達からも応援してもらってうれしかったですが、「絶対にミスできないな」とか、「変な滑りはできないな」というプレッシャーはありました。
――堀米選手にとって、スケートボードとはどんな存在ですか?
スケートボードは、自分の人生を変えてくれたきっかけをつくってくれたものだと思っています。
■オリンピックは「すごく意味のある大会だった」
――堀米選手が金メダルをとったことで、日本の若いスケートボーダー達が影響を受けてオリンピックを目指す人が増えると思います。彼ら彼女らへのメッセージをお願いします。
スケートボードの楽しさを忘れず、もし夢があるのならば、その夢に向かって頑張ってほしいです。
――スケートボードは公園で禁止されているなど、環境面で整っていないところがあります。堀米選手が金メダルをとったことで何か変わると期待していますか? また、堀米選手ご自身がアクションをしたいことはありますか?
日本はスケートボード禁止の場所が多いので、公園などでもスケートボードをできるようになったらいいなと思います。あと、スケートパークももっといい環境のものが増えたらいいなと思います。
――江東区がスケートボードの中心地になってほしい気持ちはありますか?
地元の大島小松川公園は自分の中で思い出のある場所です。そこでスケートボードを始めたので、またローカルの人達と滑りたいです。
――堀米選手はすでにアメリカで実績を積んできたと思いますが、オリンピックの金メダルは堀米選手の中でどんな影響がありますか? 価値観を変えるものになりますか?
オリンピックはスケートボーダーや、スケートボードを知っている人以外、今まで競技を知らない人も見ている競技なので、そういった人達もスケートボードの楽しさを知ってくれたと思います。今までのコンテストとは違って、すごく意味のある大きい大会だったと思います。
――今回は無観客での開催になりましたが、普段観客の入っているコンテストやストリートリーグとは雰囲気は違いましたか? 他の選手も緊張感はあったのでしょうか?
いつもの大会は観客の方がいて、応援や技を決めた時の反応が盛り上がるんですけど、今回は無観客ということで、地元開催だったので残念でした。でも、テレビなどで友達や皆が応援してくれたので助かりました。
――これまで行われてきた他競技と違い、スケートボードは音楽を聴きながら感情表現を出していくことで新しさを感じました。ご自身が考える、他競技との違いや新しさは?
他の競技と違うところは、スケートボードはオリンピックや世界選手権といった大会だけではなく、アメリカに行くとビデオパート(映像作品)が重要になってくるので、そういったところでは違うかなと思いました。
他の競技は前々からオリンピックに向けて頑張る感じだと思いますが、スケートボードは今回初めて(オリンピック競技に)決まって、僕もオリンピックに出られるチャンスを2年前ごろに感じたのですが、そのときもアメリカで自分のビデオパートを撮影していました。オリンピックの前にしっかり(作品を)出せたので良かったです。
――他競技でレジェンドと呼ばれる選手など、堀米選手が参考にした人や憧れの存在はいますか?
憧れの人になりますが、(野球の)イチロー選手はすごく見ていました。記録をどんどん塗り替えるところがすごいなと思いました。
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