令和2年3月24日に実施したバッハ国際オリンピック委員会(以下:IOC)会長と安倍総理大臣との電話会議ののち、IOC理事会は東京2020大会を延期とせざるを得ないこと、遅くとも2021年夏までの実施に向けて具体的に検討していくことを決定しました。
アスリートの皆様におかれましては、東京2020大会まであと4ヶ月と迫っていた中、人生を賭して、ひた向きに競技に取り組んでいたことと思います。新型コロナウィルスの急速な広がりは、世界中のアスリートの練習会場の閉鎖や大会の中止といった状況を生むこととなり、私達の競技活動が健康で平和な社会のもとに成り立っていることを日々感じています。
私は、1980年に開催されたモスクワオリンピックの日本代表選手でした。当時23歳でした。子どもの頃みた、1964年東京オリンピックでの日本代表選手の活躍に胸を躍らせ、日の丸が真ん中に揚がった時は子ども心にも胸が震えました。その時の気持ちが私をオリンピックへと向かわせました。モスクワオリンピックの参加不参加の動向が決まらない状況においては心が揺れて練習に身が入りませんでしたが、目標は揺るぎませんでした。
今回の決定により、選手強化の現場では様々な形での動揺や混乱が生じているかと思います。しかし、現状を冷静に、そして、前向きに受け止め、目標に向けて全力を傾注して頂きたいと切に願います。
日本オリンピック委員会は、常にアスリートの皆様や選手強化の現場とともにあります。皆様が活き活きと輝き、万全の状態で試合に臨めるよう引き続き全力を尽くしてまいります。
令和2年3月25日
公益財団法人 日本オリンピック委員会
会長 山下泰裕
※原文は以下のリンクよりダウンロードいただけます。
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