日本オリンピック委員会(JOC)は1月23日、日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会(JPC)、株式会社AOKIホールディングスと合同で、第32回オリンピック競技大会(2020/東京)および東京2020パラリンピック競技大会の日本代表選手団公式服装(開会式用・式典用)を、東京都千代田区のホテルニューオータニで発表しました。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のオフィシャルサポーター(ビジネス&フォーマルウェア)である株式会社AOKIが手がけた今大会の公式服装は、「ニッポンを纏う」というコンセプトのもと、細部に至るまで素材や色柄にこだわり、「東京2020大会の価値の発信」「歴史と伝統の継承」「国民との一体感」を表現。またオリンピックとパラリンピックの「共生」をテーマに、初めて統一デザインでの作製となりました。
発表会ではまず、東京2020オリンピック日本代表選手団の福井烈団長が登壇。「この公式服装を着用して開会式で行進する日本代表選手団を想像するだけで、背筋が伸び心が熱くなります」と、この日であと183日に迫ったオリンピック開会式への思いを述べるとともに、選手団団長として大切にしたいことに「和の心」を挙げ、「チームワークを大切に、東京2020オリンピックに臨みたいと思います」と抱負を語りました。
続いて登壇した鳥原光憲JPC会長は、「パラリンピックの代表選手団がオリンピックと同じ服装で、新しい国立競技場で行われる開会式で堂々と行進する姿を想像するだけで今からワクワクしております。まさに共生社会の象徴であり、日本で起きているこうした変化が服装を通じて全国の皆様の心に響き、浸透していくことを心から願っております」と挨拶。
来賓を代表して挨拶に立った東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長もオリンピックとパラリンピックの公式服装が同一デザインであることに触れ、「オリンピックとパラリンピックの開会式と閉会式が、双方の一体感で彩られるようにしたい」と述べました。
そして、最後に株式会社AOKIホールディングスの青木擴憲代表取締役会長が挨拶を行い、「歴史に残る公式服装作製事業に携わらせていただくことになり、感激すると同時に選手の皆様の大活躍、本大会の大成功のために、あらためて気を引き締めて本事業に全力かつ真摯に真剣に取り組んで参ります」と意気込みを語りました。
続いて、コンセプトやデザインのバリエーション、機能面の工夫などの説明とともに、開会式用の公式服装を着用したゲストアスリートと式典用の公式服装を着用したモデルが次々とステージ上に登場。トークセッションでは6名のゲストアスリートがデザインの印象や着心地、東京2020大会に向けた思いを語りました。
■瀬戸大也選手(水泳/競泳)
「すごくストレッチが効いているので着ていて疲れないなというのが最初の印象で、本当に着心地が良いです。東京2020大会は夢の舞台ですし、自分の夢はオリンピックで金メダルをとることなので、東京2020大会でそれをかなえられるように頑張りたいと思います」
■三宅宏実選手(ウエイトリフティング)
「軽くて着心地も良く、色合いもやさしくて柔らかいのでとても素敵だなと思います。東京2020大会に出場し、そしてこの公式服装を着ることができるように精一杯頑張りたいと思います」
■黒木茜選手(馬術)
「自国開催に相応しい素敵なデザインの公式服装を着て今この舞台に立たせていただいて、すごく身の引き締まる思いです。今からの半年間が私たち馬術の代表権争いには重要な時間となります。まずは人馬管理をしっかり行って、毎日ハッピーに愛馬が過ごしていけたら東京の夢も近づいてくるのではないかと思っています」
■上山友裕選手(パラ・アーチェリー)
「車いすに座って開会式に出る選手は袖がタイヤに当たってこうした白い服だと黒くなってしまうのですが、袖を少し短めに切ってもらうことでタイヤに当たらなくなっています。こういう工夫をしていただいて、今から開会式に出ることを考えるとすごく気分が上がりますね。(パラリンピック開幕まで)残り200日くらいですが、後悔のないように1日1日大切にして頑張っていきたいと思っています」
■前川楓選手(パラ・陸上競技)
「オリンピックとパラリンピックが同一デザインということで、みんなが一つになっている感じがしてとてもうれしいです。私はキュロットを着ていますが、ちらっと義足が見えるところもすごく気に入っています。大きな舞台で自分の力を全部出して、自分も最高に楽しかったと言える大会に、そして観客の皆さんもすごく楽しかったと言っていただけるような大会になればいいなと思っています」
■土田和歌子選手(パラ・トライアスロン)
「私は車いすを使いますが、障がいに合わせて上半身と下半身のサイズを測って作っていただき、非常に動きやすくなっています。私は生まれも育ちも東京なので、やはりこの東京という舞台で最高のパフォーマンスを発揮できるよう、トライアスロンと陸上競技2種目での出場を目指します」
<日本代表選手団公式服装(開会式用)>
暑さ対策を施しながらも動きやすさと着心地を高めた開会式用公式服装は、赤と白を基調に「開催国、日本代表選手団の爽やかな輝き」をテーマに作製されました。
白のジャケットには日本古来の伝統柄で縁起が良いとされる「工字繋ぎ」が陰影でプリントされ、優れたストレッチ性と通気性を併せ持った、シワになりにくい素材が使用されています。
シャツはオリジナルのハイゲージトリコット素材を使用し、ストレッチ性が高くなめらかな肌触りを実現。赤ストライプを配するなど、色柄・素材の随所に「日本らしさ」が取り入れられています。
ボトムは着用時の快適さを考慮し、さらさらとした肌離れの良い風合いと縦方向のストレッチ性、防シワ性を実現。男性はノータックパンツ・ワンタックパンツから、女性はパンツ・キュロットから好みに合わせて選択できます。
<日本代表選手団公式服装(式典用)>
優美な光沢のある紺色のジャケットに、爽やかな真っ白のパンツを合わせた式典用公式服装は「力強く爽やかなフォーマリティ」をテーマに作製されました。
ジャケットは夏に快適と言われる麻100%を使用し、ニット地に編み上げることで可動性と通気性を高めています。
シャツは白襟のクレリックカラーでフォーマリティを表現。ネクタイ・スカーフは縁起が良いとされる「七宝柄」をはじめ、「うろこ柄」「縞柄」等、日本の伝統柄があしらわれています。
ボトムは動きやすさはもちろん、汗ばむ季節でも快適に着用できるよう肌離れの良い生地を使用。開会式用と同様、男女ともに2つのスタイルから選択できます。
また、同日に東京2020大会でテクニカルオフィシャル(技術役員)が着用するオフシャルユニフォームも発表。「暑さ対策・持続可能性・多様性」をテーマに開発されたフォーマルウェア(ジャケット、シャツ、スラックス、ハット、ベルト、タイ/スカーフ、ガーメントバック)とカジュアルウェア(ポロシャツ、ジャケット、パンツ、ハット、バッグ、シューズ、ソックス、トートバッグ)の2種類が紹介されました。
関連リンク
CATEGORIES & TAGS