リオデジャネイロオリンピックの大会16日目。ブラジル有数のリゾート地であるコパカバーナビーチで、トライアスロン女子が行われました。メダルの期待もかかっていた世界ランキング4位で今回3度目のオリンピック出場となった上田藍選手は第1種目のスイムで出遅れてしまい、バイク、ランでも挽回できず39位。また、陸上から転向して4年で初出場を果たした加藤友里恵選手は46位のゴールでした。
■第1回ユースオリンピックの金メダル第1号
日本選手が苦戦する中で気を吐いたのがチーム最年少の24歳、オリンピック初出場の佐藤優香選手。得意のスイムで第1集団の一角を形成し12位で通過すると、続くバイクでも第1集団に食らいつき入賞圏内の8位通過で最後のランへ。しかし、バイクの残り2周から足がつってしまうアクシデントが響き、最後は15位でのフィニッシュとなりました。
「15位という結果はすごく悔しいんですけど、初めてオリンピックという舞台を経験させていていただいて、すごく楽しくて夢の世界にいるような感覚でした」
夢の世界と表現したオリンピック。実は佐藤選手はリオ大会以前に“オリンピック”を経験しています。それが2010年に初めて開催された第1回ユースオリンピック。そこで佐藤選手は優勝し、記念すべき大会第1号の金メダリストとなったのです。この活躍があったことで2020年東京オリンピック世代の星として注目が集まり、オリンピック招致の際には次世代アスリート代表として国際オリンピック委員会(IOC)総会の最終プレゼンテーション登壇の大役にも任命されました。東京オリンピック招致のニューヒロインともなったのです。
■「4年後、この舞台に戻ってこれるように」
しかし、そんな佐藤選手にとっても、ユースとエリートのオリンピックのレベルは全く違うものだったと話します。
「オリンピックということで周りの選手はやっぱりスイムもランもバイクも全体的にレベルアップしていました。特にバイクのペースがすごく速かったので、その対応をすることで力を使ったなと。オリンピックのレベルを感じた種目でした」
結果だけ見れば、佐藤選手はバイクの走破タイムは全体の6位タイで、スイムを合わせた全体の順位も12位通過から8位にアップさせています。それでもこの数字とは裏腹に「本当に厳しいバイクでした」と、佐藤選手は振り返っています。バイクの終盤で両足がつってしまったように、ランにまで余力を残すことができませんでした。
それだけに、4年後の東京オリンピックへ向けて何をすべきか。明確な課題も見えてきました。
「また4年後、このオリンピックの舞台に戻ってこれるようにまた1から頑張りたいなと思います。自分が思っている以上に海外の選手のレベルが上がってきているので、そこをまず肩を並べる位置までいかないと東京でのメダルは厳しくなってくると思います。本当に4年間、自分を変える気持ちで全力で毎日を過ごしていかないと厳しいかなと思います」
■「オリンピックを経験できて幸せ」
ユースとエリートと2つのオリンピックを知るオリンピアンの第1世代。この経験はきっと東京オリンピックで大きく生かされることでしょう。
「レースはきつかったんですけど、オリンピックってこんなに素晴らしい舞台なんだと感じました。ユースオリンピックとオリンピックを経験できて幸せだなと思います」
東京オリンピック世代の星がその舞台で輝くために――勝負の4年間が始まります。
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