リオデジャネイロオリンピックの卓球男子シングルスで銅メダル、団体で銀メダルを獲得した水谷隼選手、団体で銀メダルの丹羽孝希選手、吉村真晴選手が18日(現地時間)、TOKYO 2020 JAPAN HOUSEで記者会見を行い、メダル獲得から一夜明けたいまの心境を語りました。
――日本代表選手団、卓球男子団体で銀メダルを獲得しました3選手の記者会見を始めたいと思います。左から丹羽孝希選手、水谷隼選手、吉村真晴選手です。丹羽選手、団体は前回に続いての出場で、前回ベスト8だったのを今回、チームとして壁を乗り越えたという思い、そしてまたご自身で今どのような実感を持っているかを教えて下さい。
丹羽選手 メダルをとって、1日経って、こうしてたくさんの方々に取材していただいたり、取り上げてもらったりして、メダルをとったんだなという実感がすごくわいてきました。前回のロンドンではベスト8で悔しい思いをしていたので、今回メダルをとれたということはすごくうれしく思っています。
――水谷選手、北京でベスト4、ロンドンでベスト8、それでここへきて銀メダル。その思いと、すでに1週間経ちましたが、個人の銅メダルを獲得した、その思いをそれぞれお願いします。
水谷選手 北京オリンピックの準決勝でドイツに敗れてから8年、ずっとメダルを取るために頑張ってきて、長い道のりだったんですけれども、こうやってやっと結果を残すことができて、うれしく思います。また今回、今までやってきた成果が表れて良かったです。
――吉村選手、一夜明けましたけれども、銀メダルの実感をどのように受けとめていますか?
吉村選手 非常にうれしく思っています。自分が卓球を始めてから、今まで漠然とした夢としてオリンピックでのメダルというものがあって、実際代表に選ばれてからはそれが目標と変わり、使命となって、今回絶対にやりたいなという気持ちがあったので、このメダルにはすごく重さを感じています。
――水谷選手にお聞きします。今大会で得られたもの、ご自身に足りないものを教えてください。
水谷選手 今大会で得られたものとしては、自分の中でオリンピックが始まる前は、自信があまりなかったというか、中国選手にはほとんど勝ったことがないですし、準決勝で戦ったドイツの選手にも全然勝つことができなくて、今回、その選手らを破ってメダルを獲得することができて、自信が一番ついたんじゃないかなと思います。また自分のキャリアの中で、世界選手権だったり、オリンピックであったり、大きな試合でのメダルが今まで一度もなかったので、それを獲得することができて、ひとつまた上のステージに上がったのではないかと思います。
足りないものは、試合前は自信が足りなかったんですけれども、今回こうやって結果を残して、その足りなかった自信が得られたんじゃないかなと思います。
――今日一夜明けて、中国の壁とは何でしょうか?
水谷選手 もちろん中国はすごく高くて、硬い壁ですけれども、昨日僕が中国の選手に勝つことができて、倒すことは不可能じゃないなというのは皆さんに見せられたのかなと思うし、僕ら卓球界みんなも、いつか日本は中国を破るんじゃないかなというふうに思っていると思います。
――丹羽選手にお聞きします。ご自身は中国にはシングルスとダブルスで両方敗れてしまいましたけれども、中国の壁についてどう思われるかということと、東京オリンピックに向けてはどういうふうにお考えでしょうか。
丹羽選手 昨日はシングルスとダブルスの2試合に出て、シングルスはオリンピックのシングルスのチャンピオンの馬龍選手とやらせてもらって、まだまだ差があるなと感じましたし、本当に強いなと感じました。その分ダブルスはシングルスよりも勝てるかなと思ったり、僕一人じゃなくて吉村さんともっと練習を積んでやれば、シングルスよりは可能性があるかなと現時点では思いました。東京オリンピックは、昨日リオが終わったばかりなので具体的な目標はまだ分からないですけれども、絶対に出場したいと思っています。
――水谷選手にお伺いします。今回卓球男子チームが残した結果が、日本の卓球界、特に男子の卓球界にどういうものを残せたのかという意義についてお尋ねしたいのと、さらにこれから2020年に東京オリンピックもありますが、より上のステージに行くためには、これからどういうことが必要になってくるか、今の時点での考えをお聞かせください。
水谷選手 今まで卓球といえばやはり女子が話題になることが多くて、男子は陰に隠れがちだったんですけれども、いつか絶対男子も成績を残して、輝きたいなという話をみんなでしていたので、今回メダルを獲得することができて、すごくいろいろな方に取り上げてもらって良かったなと思いますし、これをきっかけに、子供たちが卓球を始めたり、卓球を見て勇気や感動をしてくれればいいなと思います。
東京オリンピックに向けて、日本全体がもっともっとレベルアップしていかなければいけないなというのは感じました。今回銀メダルを取れましたけれども、中国以外の、ドイツだったり、韓国だったり、香港だったり、日本はその国々に負ける可能性というのはまだまだあるので、まずはその中国以外の国に絶対に勝てる国にまで成長して、日本が見るのは中国の壁だけというふうにならなければ、中国を倒すのはなかなか難しいと思います。東京オリンピックまでちょうど4年あるので、その4年間しっかり練習して、もっともっと成長していきたいと思います。
――水谷選手と丹羽選手にお聞きしたいのですが、今回お2人が中学高校時代を過ごされました青森も非常に沸いています。ぜひ青森の方々に一言ずつメッセージをいただければと思います。
水谷選手 青森では約5年間、青森山田中学校、青森山田高校で過ごさせてもらって、そこでのバックアップがあったからこそ僕はドイツに留学することができて、また、プロの道に進むことになって、そういう道のりがあって今回、こういう結果を残せたので、すごく感謝しています。また日本で行われた壮行会では青森山田の理事長も来て下さって、エールを送って下さって、すごく力になりました。
丹羽選手 僕も6年間、青森山田で練習させてもらって、そこで強い人のプレーを間近で見て、世界を目指そうと思いましたし、そこで中学3年生の頃に日本代表になることができたので、そこの6年間はすごく感謝していますし、青森山田は卓球部に今年からか、また力を入れるということなので、僕も力になれるようにサポートしていきたいと思います。
――この4年間ずっと練習をされてきたと思います。今は緊張もほぐれている状態かなと思うのですが、今食べたいものは何でしょうか? また自分へのご褒美があるとしたら、それは何でしょうか? あと、会いたい人もよろしくお願いします。
丹羽選手 今回ブラジルにいたんですけれども、日本のハイパフォーマンス(サポート)センターで毎日日本食を食べることができたので、食事に関しては日本にいるような感覚でしたので、特に食べたいものはないですね。会いたい人も特にいないです(笑)。
自分へのご褒美は、3人で話したんですけれども、フランクフルトの空港でみんなで何か買いたいねというのを話していました。
水谷選手 今一番食べたいものは、奥さんの手料理です。会いたいのは子供です。ご褒美は、時計を買いたいかなと思っています。
吉村選手 とりあえず日本に帰国したら焼肉祭りをしたいと思っています。ご褒美としては、孝希が言ったように、フランクフルト(の空港)で自分にご褒美をする瞬間をみんなで分かち合うというのを考えています。会いたい人というのは本当にいっぱいいますけれども、彼女だったりとか、家族だったりとか、しっかり休養したいと思います。
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