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アスリートへの誹謗中傷に対する共同声明

いつも日本のスポーツ界を応援いただき、ありがとうございます。

昨年のパリ2024オリンピック・パラリンピックでは、皆さまの温かいご声援を受け、TEAM JAPANのアスリートたちは最高のパフォーマンスを発揮することができました。パリ大会が終了しても、アスリートたちは歩みを止めることなく、次のミラノ・コルティナ2026冬季大会、ロサンゼルス2028夏季大会へと向かっています。日本代表選手が安心して最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を整えることが、私たちの重要な使命です。

しかしながら、近年、スポーツ界では、ドーピング、試合の不正操作、ハラスメント、そしてSNSにおける誹謗中傷など、アスリートの安全と競技の公平性を脅かす問題が顕在化しており、アスリート保護の観点からスポーツ・インテグリティの強化が求められています。中でもSNSにおける誹謗中傷は、アスリートの心身に深刻な影響を及ぼすことから、迅速かつ厳格に対応する必要があります。

オリンピック・パラリンピックを目指すアスリートたちは4年に一度の大会に向けて、並々ならぬ努力を重ねています。しかし、どれだけ準備を重ねても、試合では予期せぬことが起こることもあります。その中で、彼らはすべてを受け入れ、最高のパフォーマンスを発揮するために自らの限界に挑んでいます。

スポーツの本質は、相手をリスペクトし、競い合うことでお互いを高め合うことです。競技中にライバルの演技を静かに見守るアスリートがいます。競技後に互いの健闘をたたえ合うアスリートがいます。お互いは、戦う相手であると同時に、共に成長する仲間なのです。

皆さまからの応援メッセージは、アスリートや指導者にとって大きな力になります。その一方で、SNS上の心ない誹謗中傷や批判は言葉の刃となり、彼らに深い傷を残します。私たちは、SNSの影響力がこれほどまでに大きくなったことを踏まえ、令和6年度補正予算において計上された「誹謗中傷等からアスリートを守るための法務等支援事業」を活用し、アスリートやスポーツに関わるすべての人々を彼らの安全を脅かす違法・不当な行為から守る体制づくりに取り組みます。

具体的には、日本オリンピック委員会(JOC)と日本パラリンピック委員会(JPC)の協働の取組みとして、相談窓口の設置を含むアスリートへのサポート、各競技団体と連携した教育活動、誹謗中傷を抑止するための広報・啓発活動、アスリートを守るための人材(セーフガーディングオフィサー等)の育成各種SNS等のモニタリングなど、積極的な取組みを実施いたします。

1.法務サポート 相談窓口の設置、アスリートへの誹謗中傷等への法的措置等の対応

2.広報・啓発 JOC、JPCが中心となり、加盟団体とともにSNSでの
不適切な投稿等に対する注意喚起

3.教育・研修 各競技団体と連携した教育活動の実施

4.人材育成 セーフガーディングオフィサー等アスリートを守る人材の育成

5.監視機能 アスリートが安心、安全に競技に取り組む環境の整備
(各種SNSのモニタリング等の実施)


法務サポートについては、投稿者への警告やサービス運営会社への削除要請、警察への通報を含めた法的措置も検討の上で、厳正に対応してまいります。

スポーツの価値を守り、アスリートが安心して競技に集中できる環境を整えるため、JOCとJPCは協働して取り組んでまいります。皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

令和7年3月25日

公益財団法人日本オリンピック委員会
会長 山下 泰裕


公益財団法人日本パラスポーツ協会日本パラリンピック委員会
会長 森 和之