令和4年度 JOCオリンピック・ムーブメント事業専門部会 スポーツ環境保全活動報告書
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日本セーリング連盟の永井真美業務執行理事(写真:アフロスポーツ)冬季産業再生機構の皆川賢太郎代表理事(写真:アフロスポーツ)に対する意識の向上と、確実な実践を促すことが今後、スポーツ界において一層求められるのは間違いありません」と強調した。 このような状況を踏まえて、各スポーツ競技団体には「イベントがうまくいったから良いものではなく、スポーツの社会的価値を高めるためにも、競技運営やスポーツイベントにおける環境負荷を低減させていく役割が求められています」とし、「世界トライアスロンシリーズ横浜大会」の事例が紹介。特筆すべき点として、イベントで排出されるカーボンフットプリント量(温室効果ガスの排出量)を計測した結果、1人当たり200円相当で排出分をオフセットできることを説明し、翌年から環境協力金として参加者から200円を徴収して海水を浄化する効果があるワカメの養殖に投資した例を発表。 また、東京2020大会で行われた使い捨てプラスチックを活用して作成された「みんなの表彰台プロジェクト」と、使わなくなった小型家電の部品を利用する「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」の事例が紹介された。 最後に、大津部会員から参加者へ「この機会が皆様の行動に結びつくことを期待しています。まずは所属するNFの取り組みについて、一度精査してみてはいかがでしょうか。スポーツを通じて次世代に何を残せるのか、ゲストの方々の発表からヒントが得られればと思います」とメッセージが送られた。  次のプログラムでは2つの事例報告が行われた。まず、日本セーリング連盟の永井真美業務執行理事が今年10月に広島県の観音マリーナで実施した国際大会「2022ハンザクラスアジアパシフィックチャンピオンシップ&パラワールドセーリングチャンピオンシップハンザクラス広島」の活動報告を行った。2022ハンザクラスアジアパシフィックチャンピオンシップでは、日本セーリング連盟が重視している「DEI」(Diversity、Equity、Inclusion)に基づき、障がいの有無や老若男女問わず誰にでも操作しやすい構造の船が採用されており、参加者全員が楽しめる環境になっていることが紹介された。また、SDGsへの取り組みとして、展示イベント会場を設け、海中にどれくらいマイクロプラスチックが入っているのか顕微鏡で確認できるスペースを用意したことを述べた。これらの他にSDGs活動を評価するレースを実施し、専用アプリから選手たちの環境保全への貢献度が見られるようにし、ランキングで表彰したことを語った。日々の貢献について項目を細分化し、大会の1か月前からスタートすることで海外から参加する選手に地元でもSDGsを意識できるように働きかけた。そして、これらの活動に対して、「今回のアプリを使った環境保全活動は初めての試みでした。ランキングやポイントを見える化するこ7■事例報告:日本セーリング連盟における取り組み・雪資源確保に向けた取り組み

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