開会の挨拶を行った日本スポーツ協会の大野敬三常務理事(写真:アフロスポーツ)東海大学准教授でJOCオリンピック・ムーブメント事業専門部会の大津克哉部会員(写真:アフロスポーツ) JOCは2005年度から開催していた「JOCスポーツと環境・地域セミナー」と2020年度から開催していた「JSPOスポーツと環境フォーラム」の実績を引継ぎ、スポーツ界が一体となってスポーツと環境に関する課題に対応すべく、本カンファレンスを開催。令和4年度は日本スポーツ協会(JSPO)とともにオンラインで開催、中央競技団体に加盟するスポーツ団体、JSPO公認スポーツ指導者など166名が参加。 はじめに、主催者を代表して日本スポーツ協会の大野敬三常務理事が開会の挨拶に立ち、地球温暖化による近年の異常気象が、日常生活だけではなく夏季・冬季スポーツに大きな影響を与えている現状を説明。それらの課題を踏まえて「スポーツに関わる私たちにとっては次世代を担う若者、さらに次の世代の人々へスポーツの機会を提供し、スポーツの楽しさを伝えていくためには、スポーツ界が積極的に取り組むべき最も重要なテーマだと考えている。参加した皆さんとともに環境保護の必要性をどのように実践するか学び、実践に関する最新情報を提供することを通じて情報交換、共有ができればと思う」と、本事業の目的を説明。 続いて、日本スポーツ協会スポーツ科学研究室の石塚創也研究員がオープニングレクチャーとして、開催趣旨説明を行った。まず、JSPOが制作した地球温暖化によるスポーツと環境への影響をまとめた動画を紹介。地球温暖化の問題に対し、IOCはオリンピック・ムーブメントの3つの柱として「スポーツ」「文化」「環境」を掲げ、積極的に問題解決に取り組んできたことを説明。また2021年にはオリンピック・ムーブメントの未来に向けた戦略を示した「オリンピック・アジェンダ2020+5」を発表し、日本での具体的な取り組みが紹介された。そして、「このスポーツと環境カンファレンスがこれまで先駆的な取り組みを行ってきた団体から、これから始めようとする団体まで一丸となって取り組む必要性があることを再確認する場になることを期待しています」と参加者へメッセージを送った。 続いて、東海大学准教授でJOCオリンピック・ムーブメント事業専門部会の大津克哉部会員が「スポーツと環境 ~スポーツの心、環境と未来へ~」をテーマに基調講演を行った。 大津部会員はまず、近年の環境汚染や温暖化などの問題について説明。地球温暖化により、気温が上昇した場合にはスポーツは開催時期、時間帯、場所の変更を余儀なくされることがあると指摘。そのため、スポーツ界における環境保全活動の必要性を示し、「特にアスリートは社会的影響力を使って自らが手本となって、ファンへ環境メッセージを発信し、環境の大切さを伝えることが重要です。持続可能性6■基調講演:スポーツと環境~スポーツの心、環境と未来へ~
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