そして、もうひとつの取組みは、「スポーツを通じた環境啓発活動」です。 スポーツ愛好家と呼ばれる人々は世界中に数十億人とおり、社会的影響力を持っています。スポーツ愛好者が周囲の人たちに環境保全の必要性を伝えて行くことは大きな効果を生むことであり、それがスポーツの力で環境保全を推進することになるのです。 具体的な「スポーツを通じた環境問題の啓発」の事例としては、指導者講習会等での「環境とスポーツ」についてのレクチャーがあります。 また、競技大会のパンフレットへの環境ポスターデザインの掲載、競技会場での横断幕の掲示、日本セーリング連盟が行っている不用になったヨットのセールを利用したワークショップを通じた啓発活動などもあります。 スポーツを通じた環境問題の取組みには、この他にも、各NFで色々な活動が工夫されて行われています。毎年発行されるJOCスポーツ環境保全活動報告書(旧:環境専門部会活動報告書)には、各NFの活動が詳しく報告されていますので、ぜひ参考にして下さい。 さて、最後のテーマは、「スポーツ関係者の役割」です。スポーツ関係者の役割のひとつは、「スポーツ団体としての役割」つまり、組織レベルの役割です。具体的な役割は、日常の協会運営(会議時にタブレットを使用してペーパーレス化やオフィスの省エネなど)や主催する競技大会、スポーツイベントにおいて環境負荷を低減させることです。競技会場ではゴミの分別や自宅から競技会場までの移動に公共交通機関を使うように促すなど、観客に協力してもらう活動も必要でしょう。 また、指導者研修会や競技会の監督会議の機会に、関係者に対して「スポーツと環境」の意識啓発を行ったり、指導現場での啓発活動への協力依頼を実施することは、スポーツ団体(組織)のとても重要な役割のひとつになります。138
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