令和4年度 JOCオリンピック・ムーブメント事業専門部会 スポーツ環境保全活動報告書
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 まずはじめのテーマは、「スポーツと環境の関係」です。 皆さんもご存知のとおり、地球温暖化がこのまま進むと、スポーツにも大きな影響がでるといわれています。さて、ここで2100年の未来の天気について考えてみましょう。 現状と比較して厳しい温暖化対策を取らなかった場合、2100年3-5月(春)・6-8月(夏)・9-11月(秋)の期間、東京の真夏日、気温が30.0度以上の日は、今よりも何日位増えるでしょうか?次の 「スポーツと環境」の関係を考える際には、相対する2つの側面を考える事が重要です。 まず1つは、いまのクイズに出題したように「スポーツが環境から影響を受けること」、例えると被害者側のようなことです。 環境問題の影響でスポーツの環境が整わなくなり、スポーツを楽しむための要素が縮小されてしまうという点です。代表的なものとしては、雪の減少による冬のスポーツへの影響が挙げられます。また、冬のスポーツや屋外スポーツへの影響ばかりが注目されますが、地球温暖化による気候変動の影響で台風の増加、ゲリラ豪雨などが多発するとスポーツどころではなくなってしまいます。さらに、熱中症や3つの中から、正解だと思うものに手を上げて下さい。おおよそ①13日増えると思う人、②33日増えると思う人、③57日増えると思う人。 正解は、57日(正確には56.8日)です。このクイズは、環境省・気象庁から発表された「21世紀末における日本の気候」という資料からの出題ですが、2100年というと遠い未来のことのようですが、考えてみると私たちのひ孫たちが大人になる時代。真夏日が今より約2カ月も増える未来、ひ孫たちがスポーツをする環境を想像してみて下さい。水不足の問題など、どれをとってもスポーツ活動に大きな影響を及ぼす問題です。 そしてもう1つは「スポーツが環境に影響を与えること」、例えると加害者側のようなことです。過去において、スポーツ施設を建設するため、山を切り開き、海を埋め立てるなどの自然破壊をしてきました。また、現在では、大規模なスポーツ大会において、大量のエネルギーや廃棄物を生み出し環境に大きな負荷をかけているという点です。 このように、スポーツと環境の関係を考える際には、「スポーツが環境から影響を受けている」側面だけでなく、「スポーツが環境に影響を与えている」という事実を認識することが重要になります。136

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