令和4年度 JOCオリンピック・ムーブメント事業専門部会 スポーツ環境保全活動報告書
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(写真提供:アフロスポーツ/JOC)(写真提供:アフロスポーツ/JOC) とかく日本国内におけるスポーツ場面の持続可能性への取り組みに関する経験値が依然として浅いことが指摘できます。それは、各組織において自身の組織が、現状どれほどの環境負荷をかけているのかという実態や事実関係に関する認識が薄いことに他なりません。 サステナビリティは「持続可能性」と訳されることが多いですが、人類と社会との在り方を問い直し、地球環境や社会に配慮しながら経済活動を行うことを指します。さらに「現世代」の幸せだけではなく、「次世代に何を残すのか?」、「地球の未来のことを考える」といった時間軸を持つ倫理的視点が求められます。つまり、未来世代へきちんと公平に資源を配分していくこと。現世代が消費し尽くしたり、再生不能な資源を独占したりするのは持続可能ではありません。 漠然とする「持続可能な社会の実現に向けて、スポーツをする一人一人の環境に対する配慮をますます求めること」、そして「個人の意識」といった個々人の心がけが大事だということではなく、スポーツ界のイニシアティブというのは、環境保全に向けた「単なるキャッチコピー」にとどまらない実践への転換や改善が必要なのではないでしょうか。大切な事は、エコを称する活動がいたるところで行われるようになった今だからこそ、スポーツに携わる者が、自らの行っている活動が環境保全となる根拠は何なのか、環境教育としてどのように意味をもっているのか、今一度理論的に考え、その内容を見つめ直してみることが急務だと考えます。130

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