令和4年度 JOCオリンピック・ムーブメント事業専門部会 スポーツ環境保全活動報告書
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 ② スキーやスノーボードを楽しむためには雪が必要ですが、温暖化でこの先どうなってしまうのでしょうか? ③ 環境を守るために、私たちスポーツ関係者は何が 日本オリンピック委員会(JOC)と日本スポーツ協会(JSPO)が主催し実施した「スポーツと環境カンファレンス2023」において、基調講演とディスカッションのモデレーターを担当させていただきました。このイベントは、加盟団体関係者を含む参加者とともに、環境保護の必要性やSDGs(持続可能な開発目標)について考え、どのように実践するかを学ぶとともに、啓発・実践活動に関する最新情報を提供することを目的としています。  基調講演では、「スポーツと環境 -スポーツの心、環境と未来へ-」と題して講演。冒頭に、「安心してスポーツが楽しめる環境とはなにか?」に関する、3点の質問を参加者へ問いかけました。 ① 地球には水や空気が存在していますが、何が空気→ 6CO2 +12H2O → C6H12O6 + 6O2 + 6H2O  これは光合成の化学反応式です。酸素は植物の光合成によって作られています。植物が作りだした酸素を呼吸して、炭水化物を食べることは、人類を含めた動物たちにとって生きていくための必須条件となります。 このように人間が生きる上で欠かせない、空気や水を綺麗にしてくれるのは、土やそこに棲む生き物など「豊かな自然」です。ご自身が専門としているスポーツでは、子どもたちや次の世代に対して今以上の環境を残すために、団体としてどのような環境保全活動を行っているのでしょうか。その取り組みをご存知ですか?→ その問いにヒントを与えてくれる動画をNASAが公開しています。その動画は、最近の地球温暖化の様子を視覚化したもので、1880年~2021年(約140年間)の世界の平均気温の月毎「偏差」をらせん状の円にして表しています。最初はこの偏差が0℃以下のマイナスであったのが、1940年頃からプラスに転じる年が多くなっていくように見えます。さらに、1980年あたりからプラスの偏差が大きくなり、加速していくようにも見えます。動画はらせん状に積み重ねた円を横(側面)から眺めるシーンで終わります。あらためて側面から見てみると、やはり1980年頃から差が急に大きくなっていく様子がわかります。Astronomy Picture of the Day:https://apod.nasa.gov/apod/ap220822.html→ そもそも人間の存在自体が環境負荷をもたらすものであるために、「せめて」スポーツの現場では環境保全を全うしていこうとする姿勢が求められます。スポーツ現場の環境保全に加え、「スポーツを通じた環境問題の啓発」も同様に重要となります。まさに、このカンファレンスの役割である環境教育の側面です。Activities of the member of JOC Olympic Movement Commissionを綺麗にしてくれるのでしょうか?できるのでしょうか?129(東海大学)(2) JOCおよびオリンピック・ムーブメント(OM)事業専門部会員の活動大津・克哉

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