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アスリートメッセージ

バスケットボール 田臥勇太

「プレーの質は高くなっている。出来る限りやり続けたい」

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味の素ナショナルトレーニングセンターを拠点に、日本代表の合宿に参加
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海外の選手と戦うための課題は身に染み付いているという田臥。日本代表の選手にとって、田臥の存在は刺激になっている

新たに日本代表でも夢を追う田臥は、今年10月で30歳を迎える。ときに、年齢に関する質問が会見で飛ぶこともあるが、それについて、このように考えている。「疲れるのが早くなったなとか、体が温まるのが遅くなったなと感じることはあります。でも歳を重ねるごとに経験を積んできて、逆に冷静にプレーできたりする部分はあるので、プレー自体の質は高くなっていると感じてはいます」。何よりも、気力に衰えはない。「毎日の練習の中で、あ、ああすればよかったなと感じて、それで明日はこうしたいなと取り組んで、そうするとまた課題がみつかって。その繰り返しですね」。

引退後のキャリアを考えることがあるのか聞くと、毅然と答えた。「そういうのを考えられないから、毎日一生懸命やっているんだと思います。先のことを考えたり、計画立てたりするのが苦手。もしかしたらすぐ終わりが来てしまうかもしれないけれど、いつやめようとか考えていないので、出来る限りっていう感じなので、分からないですね」

改めて尋ねる。気力が落ちない理由は何なのか。「そのときそのときで楽しさの中身は違いますが、基本的にはバスケットをやれているということ自体がやっぱり楽しいですね。純粋にバスケットが好きなので、うまくなりたいと思うし、戦う相手には勝ちたいと思うし、単純なことが、原動力になっていると思います」。

では、人生の大きな割合を占めるバスケットボールの魅力とは何か。「何なのでしょうか。よく聞かれるのですが、うまく伝えられない。でも、これしか出来ないですからね。うん。ほかのことができれば別なんでしょうけど、これしか出来ないので、出来ることをやるしかない、これが得意なものなんで、だったら得意なことをやり続けたいなというものがバスケットですね。はい」

今なお、田臥に寄せられる期待は大きい。日本のバスケットボール界の象徴的存在であることにかわりはない。おそらく、日本代表への関心も高まるはずだ。「うれしいことです。やっぱり期待してもらえているうちは華だと思いますから、そういう立場に居続けなければいけないなという意味で、そこはモチベーションになりますね」

屈指のポイントガードは、第一人者である誇りと自覚をもって、挑戦することを止めようとはしない。まずは11月のアジア競技大会で好成績を残すことが、ロンドンオリンピックへの第一歩となる。田臥勇太のいる日本代表に注目していきたい。

インタビュー風景
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ロンドンオリンピックを目指し、アジア競技大会での好成績を誓う
田臥勇太(たぶせ ゆうた)/バスケットボール

1980年10月5日生まれ。神奈川県出身。リンク栃木ブレックス所属。173cmとバスケットとしては非常に小さな身体で、長身の選手の間をすり抜けるスピードや、パスセンス、視野の広さが武器。8歳でバスケットボールを始め、名門・秋田県立能代工業高等学校に入学後、3年連続で高校総体、国体、全国高校選抜の3タイトルを制し、史上初の9冠を達成。2003年11月からアメリカ独立リーグに参戦すると、2004年9月、NBAフェニックス・サンズと契約、日本人初のNBAプレーヤーとなる。同年12月に解雇後、アメリカでNBAへの再挑戦を目指したが、2008年8月にJBLのリンク栃木ブレックスに入団し国内復帰。2010年7月に日本代表としても復帰し、広州・アジア競技大会での活躍、2012年ロンドンオリンピックへの出場を目指す。


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