アスリートメッセージ
- 強くなるために努力していることはどんなことですか。
浦 「僕にとって"強くなること=目立ちたい"なのです。努力していることは、1回の練習をより集中して取り組むということ。当たり前のことをきちんと行うということです」
- 辛いと思うことはありますか。
武田 「そうですね、あまり辛いことをすることもないかと思うこともありますが、自分の中にボートは楽しいものだという気持ちがあるので、練習はしなくてもただ浮いているだけで気持ちをプラスに持っていくことができているようです」
浦 「よくあります。20kmを有酸素運動としてボートを漕ぎながら周回する時は、途中で“あと何周残っている”と考えると長く感じて辛くなります。そういうときはできるだけ何も考えないように、ただひたすら黙々と漕ぐようにしています。それ以外は試合で負けても、技術的にうまくいかなくても辛いと思うことはありません」
- よかったな、幸せだなと思うのはどんな時ですか。
浦 「自然体で行ってきてナショナルチームのメンバーになれたこと、いちばん自分に合っているスポーツに出会えたということです」
- 海外遠征での食事で気をつけたり、日本食を用意することはありますか。
武田 「僕達は基本的に現地のものに合わせます。現地で美味しいものを探すことが愉しみのひとつになっているくらいです。たとえ口に合わないものがあったとしても、つねに減量しなければ、ということが頭にあるので、不味いから食べなくてもいいと思えた方が、美味しいのに止めておこうと思うよりずっと気が楽です。試合前になると時々おにぎりが出てくることがありますが、チームのスタッフが選手に気を使ってくれているのだと思います。
- アテネでの目標を聞かせてください。
武田 「アテネは僕にとってアトランタ、シドニーに続く3回目のオリンピックになります。アトランタは20位、シドニーは6位でした。シドニーの時に比べて今の方がクルーも個人も絶対的に強くなっています。チーム全体の力も上がり、タイムも早くなっているので間違いなくシドニーを上回る結果が出せると思います。もちろんメダルも意識しています」
浦 「シドニーでは補欠で日本待機で終わりました。今回は必ずがんばります。イタリアに勝ってチャンピオンになりたい。ぜひ中央を狙っていきたいと思います」
- 将来についてお聞かせください。
武田 「日々僕が思っていることはボートをライフワークにすることです。すでに老後用の木製のボートを用意してしまいました。自分の愉しみのために漕ぐことを続けたいと思っています。僕は子どもが3人いるので、彼等のための木のボートも今集めているところです」
浦 「今はとにかく今年のオリンピック、アテネの決勝レースがすべてです。オリンピック終了後に日本で来年開催される2005年世界選手権に目標を定めようとは思っていますが」
ボートという競技は高校生から始めても、25〜26歳位になって漸くその極意が見え始めてくるのだそうです。武田選手は今年30歳、浦選手は28歳。日本代表選手としては、決して若いとはいえませんが、これは競技の特性によるものなのでしょう。
ボートの男子ナショナルチームには今年38歳を迎えた田辺保典選手がいます。(社)日本ボート協会ナショナルコーチで2003年度ミズノスポーツメントール賞を受賞した大林邦彦コーチは、田辺選手を「進化し続けている」と表現し、トップクラスのボートの選手には体力だけでなく、精神的な部分の充実が必要なのだということを教えて下さいました。
アテネオリンピックのボート競技は、8月20日(金)を除く8月14日(土)から22日(日)までの毎日、Schinias Olympic Rowing and Canoeing Centreで開催されます。 [ スケジュール ]
-
白いキャップをかぶっているのが内山佳保里選手。
-
写真右が岩本亜希子選手。
生年月日:昭和48年12月5日 年齢:30歳 出生地:愛媛県
出身校:愛媛大学大学院 勤務先:ダイキ(株)
身長:178cm 体重:73kg
1996年アトランタオリンピックM1X代表
2000年世界選手権LM4X 1位、シドニーオリンピックLM2X 6位
2001年世界選手権LM2X 5位
2002年ワールドカップ第2戦LM1X 3位、アジア大会LM2X 1位
2003年ワールドカップ第3戦LM2X 2位、世界選手権LM2X 9位アテネ参加枠獲得
生年月日:昭和50年11月10日 年齢:28歳 出生地:福岡県
出身校:日本大学 勤務先:東日本電信電話
身長:180cm 体重:72kg
2000年世界選手権LM8+ 7位
2001年世界選手権LM2X 5位
2002年アジア大会LM2X 1位
2003年ワールドカップ第3戦LM2X 2位、世界選手権LM2X 9位アテネ参加枠獲得
< アスリートに質問! 浦和重選手、武田大作選手からの回答 >
Photo:AFLO SPORT