パリ2024オリンピックのスケートボード女子ストリートで、表彰台の最も高い場所に上がったのは、二人のTEAM JAPANメンバーだった。銀メダルを手にしたのは、赤間凜音選手。喜びの中にも悔しさをにじませる15歳、高校1年生の本音を聞いた。
――銀メダル獲得、おめでとうございます。うれしさと同時に悔しさもあるかもしれませんが、率直に今どのようなお気持ちでいらっしゃいますか。
パリ2024オリンピックは夢でもあり目標だった舞台なので、そこでメダルをとれたことはすごくうれしいのですが、金メダルをとることが一番の目標でしたし、自分のやりたかった技も全然できずに終わってしまったことはすごく悔しいです。ただ、これまで経験した中で一番楽しめたし、みんなで切磋琢磨しながら戦えたことは良かったなというのはあります。
――どんなところが「これまで経験した中で一番楽しめた」と感じたのでしょうか。
たくさんの観客の皆さんがいる状態で、皆さんがすごく盛り上げてくれたり、技をメイクした時に大きな歓声があがったりしていたので、自分もすごくうれしくなって、楽しく滑ることができました。
――どんなところが「これまで経験した中で一番楽しめた」と感じたのでしょうか。
たくさんの観客の皆さんがいる状態で、皆さんがすごく盛り上げてくれたり、技をメイクした時に大きな歓声があがったりしていたので、自分もすごくうれしくなって、楽しく滑ることができました。
――東京2020オリンピックの際は無観客でした。観客の皆さんが歓声を上げることで選手たちのパフォーマンスもよくなっていくといった相乗効果のある競技ですから、リアクションがないのは難しかったと思います。そこと比較しても、パリ2024オリンピックはきっとやりがいを感じることができたのでしょうね。
はい、そうですね。パリ2024オリンピックの観客席には、すごくたくさんの国の方々が来ていたんですけど、どこの国かも関係なく、さまざまな国を応援してくれる人がたくさんいたので良かったなと思います。
――初めてオリンピックに出てみて、他の大会と違いをに感じたところはありましたか。
そこまで特別に感じたことはなかったのですが、滑る会場がいつもよりも大きかったですね。また、会場の色のつけ方がオリンピックらしい色合いで、可愛い感じがしたところは良かったと思います。
――試合を振り返ってください。昨日は予選から素晴らしい滑りが見られました。そして決勝も、1本目、2本目といい得点が出て首位に立ち、最終的に銀メダル獲得となりました。ご自身の手応えはいかがだったのでしょうか。
昨日の試合、スケボーの調子としては悪くはなかったです。滑る時もすごく余裕があったというわけではないのですが、気持ちは楽でしたし、いつもよりも緊張もそこまでなくてラフな感じで試合ができたので、そこは良かったところだと思います。
――普段から緊張しやすいタイプなのですか。
そうですね。最近は少しずつ楽しめるようになってきましたが、やはりまだ緊張することは多いです。度合いにもよるのですが、本当に緊張するともう顔に出てしまうくらい緊張します。もちろん周りのみんなも緊張している人はいたと思いますが、 お互いにたたえ合い、励まし合いながら試合ができていたので、みんなも楽しく滑ることができたんじゃないかなとは思います。
――最後は、金メダリストの吉沢恋選手、銅メダリストのライッサ・レアウ選手(ブラジル)らメダリストをはじめ、TEAM JAPANとしてともに戦った中山楓奈選手も含めて、競技に参加された皆さんでたたえ合っていましたね。その姿もすごく素敵でしたが、皆さん、どのようなお話をされていたのでしょうか。
まずは、恋ちゃんと楓奈など、オリンピックに出られたみんなと「おめでとう」とか「みんなヤバかったよ」というのをお互い言い合っていました。あと、ライッサは、日本語で「おめでとう」と言ってくれたので、「ありがとう」と返したりしていた感じですね。
――オリンピックのメダルを実際に手にしました。メダリストになった実感はいかがでしょうか。
実感はまだそこまでないのですが、オリンピックのメダルは、他の大会のトロフィーやメダルよりもすごく重くて、しっかりしているなと思いました(笑)。
――皆さんからのメッセージなど、反響はいかがでしょう。
スポーツが盛んな高校に通っていることもあり、昨日は高校にみんなが集まって応援してくれていたみたいで、それもすごくうれしいなと思いました。今同じ高校の子や、同じ中学校だった子など、知り合いのみんなからLINEなどで「おめでとう」と言ってもらいました。まだ全部返し切れていないのですが……。それから、InstagramでもすごくDMをいただきましたし、フォロワーもたくさん増えました。
――どのくらい増えたんですか。
フォロワーは、元々1万人ちょっとくらいだったのですが、今は3万人くらいになりました。
――3倍になったんですね。日本でも大変盛り上がっていますし、メディアでも特集されています。
本当ですか。良かったです。
――帰国したら、街を歩きづらくなるかもしれませんね。
そこまでまだ有名にはなれてないとは思いますが、普通に歩きたいですね。
――もし見つけても、声はかけないでほしいですか。
いえ、全然。声かけてくれたらうれしいです!
――ちなみに今は、選手村で過ごしていらっしゃるのでしょうか。
そうです。泊まっている場所は選手村です。選手村はさまざまな競技の選手がいてびっくりします。部屋もカヌー競技の選手と同じ部屋なのですが、いろいろと交流できてすごく楽しいです。
――全く違う競技の選手で同じ部屋ということもあるのですね。さて、そろそろお時間となります。最後にメッセージはありますか。
両親をはじめ、今まで支えてくださった方々に、本当だったら金メダルで恩返しをしたかったのですが、銀メダルだったということでまだ完全には恩返しができていないと思っています。これからもどんどんいい成績を残して、少しずつ恩返ししていきたいと思います。
――ありがとうございます。でも、私たちも赤間選手の銀メダルを誇らしく、うれしく思っています。胸を張って、これからも頑張ってください。本当に素晴らしい演技をありがとうございました。
お疲れ様でした。ありがとうございます。
赤間凛音(あかま・りず)
2009年1月8日生まれ。宮城県出身。7歳の時、サーファーだった父とともに、陸上練習用のボードに乗ったのがきっかけとなりスケートボードを始める。21年日本選手権では12歳にして初優勝を果たす。23年の世界選手権で4位、同年のX-GAMESでは2位に輝くなど主要大会で好成績を収めてきた。23年8月、試合中に骨盤と右鎖骨を折る重傷を負うものの、ケガを乗り越えて24年パリ2024オリンピックでは銀メダルを獲得。私立東北高等学校在学中。
注記載
※本インタビューは2024年7月29日に行われたものです。
お気に入りに追加
CATEGORIES & TAGS