JOCナショナルコーチアカデミー事業
設立背景
個人やチームのレベルアップには、指導者のレベルアップが必要不可欠である。文部科学省が2012年に策定した『スポーツ基本計画』でも、国際競技力向上のために「スポーツ指導者等には、従来求められてきた戦術・戦略の構築や、スポーツ医・科学等に関する知識等を活用した強化方法の立案・指導を行う能力に加え、国際コミュニケーション等の新たな能力が求められる。」と述べられている。
「JOCナショナルコーチアカデミー」は同計画を達成するための具体的施策として、各競技種目のトップコーチ・スタッフが、「コーチング」「マネジメント」「コミュニケーション」等のカリキュラムやケースメソッドを通して経験や知見を交換し合える環境をつくることにより、オリンピックをはじめとする国際総合競技大会に派遣するコーチ・スタッフの更なる資質向上に務めている。
目標 | ・国際的競技水準を踏まえた強化ができる、プロフェッショナルなコーチを育成・養成する。 ・日本スポーツ界のシンクタンク(人材・知識など)としての機能を図る。 ・競技間連携を促進させ、チームニッポンの一員としての意識を醸成する。 ・本アカデミー修了者への国家資格付与等の身分保障により、日本を代表するコーチが安心して指導にあたれるよう環境を整備する。 |
---|---|
概要 | ・各競技種目のトップコーチに共通して必要と考えるカリキュラムを中心に、8週間程度の講義・演習・実習及び試験を実施する。 ・本アカデミー修了後も、リフレッシュ研修会やカンファレンスを実施し、継続教育を行う。 ・JOC専任コーチングディレクターは、本アカデミー修了者を対象とする。 |
対象者 | ・各競技団体が推薦するJOC専任コーチングディレクターとその候補者。 ・JOC推薦者ほか。 |
開始時期 | 2008年2月〜 |
活動内容
コンセプト
- 日本の代表としての品性・資質を兼ね備えた真のトップコーチを育成する。("elite")
- 職業観・倫理観・社会的責任において、専門家としての誇りを持つコーチを養成する。("professional")
- 日本としての戦い方を追求するとともに、「国際基準」を踏まえた戦略、強化指導を行うことができ国際舞台で活躍できるコーチを育成する。("global")
- 知識や情報の一方通行ではなく、受講者と講師、受講者間の双方向による情報交換を主体とする。また指導現場において選手及び指導者間との双方向を意識できる指導者を養成する。("interactive")
- 競技の枠を超えた交流・連携を通し、日本スポーツ界の発展を目指す。("Team JAPAN")
カリキュラム
一方通行の講義形式ではなく、それぞれが講義に関わり、時には講師を担当する。それぞれの競技種目に関することは、ケーススタディとして発表し、お互いに検討する。
-
「筑波大学野性の森」で実施した野外研修(A.S.E.)
-
異競技、異文化の背景をふまえディスカッションにて意見交換。(令和元(2019)年度は10名の外国籍コーチが受講。)
-
アセスメントにて1週間の振り返りや現場研修に向けて抱負を共有。
-
アジア選手権直前練習中のフェンシングの運動観察。
-
通常の講義形式。
-
自身のコーチングをコーチに評価されるコーチング実践。
2007〜2020年度の実績
修了者 | 546名(正規383名、特別移行97名、外国籍66名) 競技団体別修了者 |
---|---|
内訳 | 陸上競技、水泳、サッカー、スキー、テニス、ボート、ホッケー、ボクシング、バレーボール、体操、バスケットボール、スケート、アイスホッケー、レスリング、セーリング、ウエイトリフティング、ハンドボール、自転車、卓球、馬術、フェンンシング、柔道、ソフトボール、バドミントン、ライフル射撃、近代五種、ラグビーフットボール、スポーツクライミング、カヌー、アーチェリー、空手道、クレー射撃、ボブスレー、リュージュ、スケルトン、野球、カーリング、トライアスロン、ゴルフ、テコンドー、バイアスロン、サーフィン |
受講者の声 | 受講者の声 |