写真:長田洋平/アフロスポーツ
古代オリンピックで行われたペンタスロン(五種競技)をヒントに、近代オリンピックを提唱したクーベルタン男爵が「近代オリンピックに相応しい五種競技を」として考案したもので、自ら「スポーツの華」と称したと言われています。この競技がオリンピックの正式な種目として取り入れられたのは、ストックホルム1912大会からで、ヘルシンキ1952大会からバルセロナ1992大会までは、個人のみならず団体種目も開催されていました。シドニー2000大会からは女子種目も追加されました。初期は1日に1種目ずつ、総計5日間にわたって競技が行われましたが、アトランタ1996大会からはすべての種目が1日で行われるようになりました。その歴史と過酷さから、「キング・オブ・スポーツ」とも称されています。
近代五種では、これらの5種目を1日で行います。
フェンシングランキングラウンド(エペ)
相手の全身に対して突きを繰り出す「エペ」で戦います。1分間1本勝負で総当たり戦を行い、勝率によって得点が与えられます。
水泳(200m自由形)
200mを泳ぐのに要したタイムによって得点が与えられます。
フェンシングボーナスラウンド(エペ)
フェンシングランキングラウンドの下位選手から順に30秒1本勝負で試合進行が行われ、ランキングラウンドとボーナスラウンドの合計点がフェンシングの得点となります。
馬術(障害飛越)
貸与された馬を操り、制限時間内に競技アリーナに設置された様々な色や形の障害物を飛越しながらコースを周ります。
レーザーラン(射撃5的+600m走を5回)
これまでの3種目の得点を1点=1秒にタイム換算し、時間差を設けて上位の選手からスタート。射撃4回とランニング5回を交互に行い、着順を競います。射撃はレーザーピストルを使い、10m離れた場所から直径約6cmの標的にレーザーを5回命中させるのですが、5回命中するまでは50秒の制限時間の間、撃ち続けなければなりません。ランニングは600mのコースを走行します。
2023年10月、国際オリンピック委員会(IOC)第141回総会において、ロサンゼルス2028大会では、従来の馬術からオブスタクルに変更されることが決定しました。オリンピックに先駆け、2025年から開催される国際近代五種連合主催の競技大会はオブスタクルを加えた5種目での開催が予定されています。パリ2024大会で馬術が行われる最後の近代五種を見届けると共に、ロサンゼルス2028大会からの新たな変化も楽しみに待ちましょう。
競技初回実施大会 | ストックホルム1912大会 |
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TEAM JAPAN初出場大会 | ローマ1960大会 |
競技別累計メダル数 |
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2024年8月21日時点
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