写真：YUTAKA/アフロスポーツ
バイアスロンは、クロスカントリースキーとライフル射撃を組み合わせて行う競技です。ラテン語で2つを意味する「バイ」と、ギリシャ語で競技を意味する「アスロン」を組み合わせたものが語源とされています。
北京2022冬季大会 バイアスロン 女子リレー（写真：長田洋平/アフロスポーツ）
バイアスロンの概要
バイアスロンは、ライフル銃を背負ってクロスカントリースキーで滑走し、その途中で射撃を行うスキー競技で、スキー走力の速さと射撃の命中率の正確さを競います。魅力の一つは、「スキー走で最大スピードを追求する中で心拍数が極限に達し、その後ライフルの動揺を抑えつつ短時間で心拍数を下げ、命中率を上げる」といった、「動」と「静」の相反する要素を同時に取り組む点にあります。バイアスロンはもともと、北欧の猟師たちが弓などを背負い、スキーを使って狩猟のために山や林を駆け巡る活動から発展し、近代になって競技として進化しました。オリンピック競技としては、男子はスコー・バレー1960冬季大会から、女子はアルベールビル1992冬季大会から採用されました。
北京2022冬季大会 バイアスロン 男子スプリント（写真：YUTAKA/アフロスポーツ）
バイアスロンの種目
北京2022冬季大会では、「インディビジュアル」「スプリント」「パシュート」「マススタート」「リレー」「混合リレー」の計6種目（男女計11種目）が実施されました。
インディビジュアル
バイアスロンの最も古い競技で、男子は20km、女子は15kmを走破します。5周のコースで4回の射撃（伏射＋立射＋伏射＋立射）が行われ、非命中ごとに1分のペナルティータイムがスキー走行タイムに追加されます。
スプリント
男子は10km、女子は7.5kmの距離を3周で滑走し、2回の射撃（伏射＋立射）を行います。ミスショット1発ごとに150mのペナルティーループを走ります。
パシュート
スプリントの上位60人が参加し、スプリントの成績順にタイム差をつけてスタートします。男子は12.5km、女子は10kmで、5周のコースで4回の射撃（伏射＋伏射＋立射＋立射）が行われます。ミスショット1発ごとに150mのペナルティーループを走ります。
マススタート
個人競技の最後に行われ、前述の3種目のメダリストやW杯ランク上位15人ずつ男女30人が参加します。男子は15km、女子は12.5kmで、5周のコースで4回の射撃（伏射＋伏射＋立射＋立射）が行われます。ミスショット1発ごとに150mのペナルティーループを走ります。
リレー
4人の選手からなるチームが構成され、男子は7.5km、女子は6kmの距離を3周で滑走し、2回の射撃（伏射＋立射）が行われます。8発の弾丸を使用でき、残ったターゲットに対して150mのペナルティーループを走ります。第1走者が同時にスタートし、引き継ぎはタッチにより行われます。
混合リレー
第1走者と第2走者が女子、第3走者と第4走者が男子の4人で構成されます。走行する距離は女子・男子とも6kmで、リレーと同様のルールが適用されます。
北京2022冬季大会 バイアスロン 女子リレー（写真：長田洋平/アフロスポーツ）
バイアスロンのルール
勝敗の判定方法は、パシュートではゴールに到着した順序がそのまま順位とされ、インディビジュアルではスキー滑走タイムにペナルティタイム（一発の非命中弾ごとに1分の加算）を合算した総合タイムで順位が決まります。その他の競技では、ゴールを達成したタイムによって順位が決定されます。スキーの滑走には主にフリー走法（主にスケーティング）が採用され、射撃は射距離が50m、標的の黒点部の大きさは伏射が直径45mm、立射は直径115mmで、標的5個に対して5発の射撃が行われます。この際、標的の見かけの大きさは、伸ばした腕の指に持ったマッチ棒の頭の大きさに相当します。リレーと混合リレーでは、5個の標的に対して5発＋3発の予備弾を使用した射撃が可能です。5発射撃後に非命中の標的があれば予備弾を使用し、8発射撃後に残った標的の数だけペナルティーループ（150m）を走破する必要があります。
北京2022冬季大会 バイアスロン 女子リレー（写真：長田洋平/アフロスポーツ）
参考情報INFORMATION
| 競技初回実施大会 | スコー・バレー1960冬季大会 |
|---|---|
| TEAM JAPAN初出場大会 | インスブルック1964冬季大会 |
| 競技別累計メダル数 |
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