日本オリンピック委員会(JOC)は2月5日、平成28年度の「JOCエリートアカデミー社会体験活動」を実施しました。JOCエリートアカデミーは、将来オリンピックをはじめとする国際競技大会で活躍できる選手を育成するための事業で、現在5競技38名が所属。味の素ナショナルトレーニングセンターを生活拠点にトップアスリートとして必要な「競技力」「知的能力」「生活力」を向上させ、スポーツを通して社会の発展に貢献できる人材を育成することを目的としています。
本活動は、競技中心の日常生活では経験できないことを通して社会性を身につけること、集団行動を通してアカデミーの一員であるという意識を高めることを目的に、2013年(平成25年)にスタート。年に一度、パートナー企業や関連団体の拠点を訪問し、各社の商品やサービスがどのように提供されているかを学んでいます。
今回は東京都大田区の羽田空港近くにあるヤマトグループの「羽田クロノゲート」を訪問。遠征やトレーニングで不在の選手を除く4競技15名の選手たちが、東京2020オフィシャル荷物輸送サービスパートナーであるヤマトホールディングス最大級の総合物流ターミナルを見学しました。
選手たちは施設の概要や同社の歴史について説明を受けたあと、緻密に制御されたシステムによって全国から集まった荷物が流れていく様子や、そのシステムをモニターで管理する集中管理室を見学。また、目に見えないところで稼動している最新の物流機器や、宅配や輸送以外の「付加価値機能」として実施しているさまざまなサービスについても学びました。実際の荷物が最新鋭の機器によって高速で運ばれ、その荷物1つ1つが計算された動きをしていると聞いた選手たちは「すごい!」「速い!」と驚いた様子。荷物の流れに真剣な表情で見入っていました。
施設見学後は「物流が生み出す社会的な価値」について、テーマごとに用意された「引き出し」を開けながら知識を深めるアトラクションが用意され、選手たちは興味のあるテーマの引き出しを開けながら説明パネルを読んだり、ゲームに挑戦するなど思い思いに行動。最後は同社独自のピッキングシステム「FRAPS」を実際に体験してプログラムを終えました。
今年度からエリートアカデミーに入校した中学1年生の張本智和選手(卓球)は「いつも当たり前に荷物を受け取れているのは、たくさんの人の苦労があってのことなんだなと思いました」と荷物1つにかかっている過程の多さを実感した様子。高校3年生でアカデミーのキャプテンを務める向江彩伽選手(フェンシング)は「フェンシングは荷物が多いのでよく宅配も利用しますが、コンピューターがほとんどすべてのことをやっていてびっくりしました」と話したほか、同じく高校3年生の江村美咲選手(フェンシング)は「普段荷造りのときに適当にテープを貼ったりしていたので、実際に荷物が運ばれる様子を見てこれからは丁寧にしなきゃと思いました」と振り返っていました。
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