日本オリンピック委員会(JOC)は9月26日(土)、岩手県上閉伊郡大槌町の城山公園体育館で「オリンピックデー・フェスタ in 大槌」を開催しました。
オリンピックデー・フェスタは、東日本大震災復興支援JOC「がんばれ!ニッポン!」プロジェクトの一環として、「スポーツから生まれる、笑顔がある。」をスローガンに、オリンピアンやアスリートがスポーツを通じて被災地の皆様とのふれあい活動を行うイベントです。
今回の参加オリンピアンは、競泳の中村真衣さん(1996年アトランタオリンピック4位入賞、2000年シドニーオリンピック銀・銅メダル)、体操の新竹優子さん(2008年北京オリンピック5位入賞、2012年ロンドンオリンピック8位入賞)、フェンシングの三宅諒さん(2012年ロンドンオリンピック銀メダル)、ソフトボールの馬渕智子さん(2008年北京オリンピック金メダル)、カーリングの苫米地美智子さん(2014年ソチオリンピック5位入賞)の5人。一方、大槌町でのオリンピックデー・フェスタは今年で4回目の開催となります。会場には過去に開催したフェスタの写真パネルが飾られており、ボランティアスタッフの思い入れも人一倍の様子。いまだ仮設住宅で生活されている方も多く参加し、合わせて100名の大槌町内の皆さんとオリンピアンたちが、運動会形式のスポーツプログラムで交流を楽しみました。
開会式では、開催地を代表して大槌町教育委員会の伊藤正治委員長が「大槌町では4回目の開催となり、毎回参加者も増え、皆さん毎年楽しみにしており、今では様々な年代の方たちが楽しんでいただいています。本日、けがのないように楽しい時間を過ごしてください」とあいさつ。オリンピアンを代表して三宅さんは「来たる2020年の東京オリンピックはスポーツ選手だけでなく、日本全体のお祭りになります。みんながスポーツに関心を持って応援したり、海外の選手を迎えることによって、選手たちはよりよいパフォーマンスを発揮することができます。今日はスポーツに関われる良い機会なので、めいっぱい楽しんでください」と呼びかけました。
運動会では、5人のオリンピアンがチームリーダーとなり、「手つなぎ鬼」「ボール運び」「大玉転がし」「綱引き」の4種目を行いました。「手つなぎ鬼」では子供から年配の方まで一緒になって走り回り、オリンピアンも笑顔。2人1組のペアで走る「ボール運び」「大玉転がし」では、オリンピアンが中心となって作戦会議を行ったり、過去に参加経験のある方々が、その経験を活かしてチームメイトたちにコツを伝えたりと、各チームに一体感が生まれて勝負は白熱。そして最終種目の「綱引き」では、さらに勝ちたい気持ちがヒートアップしてきた様子で、オリンピアン、参加者が一緒になって熱戦を繰り広げました。
閉会セレモニーでは、苫米地さんがオリンピックデー・フェスタの聖火として各会場を巡る「つながる火」を紹介。オリンピアン全員からのあいさつでは、中村さんから「毎回参加するたびにどんな方々と出会えるか楽しみにしており、今日も震災から5年でいろんなことを乗り越えている方たちに会えました。私も新潟で2回大きな地震の被災を経験しています。私たちアスリートはスポーツの力で皆さんを元気にできればと思っています。この事業の“スポーツから生まれる、笑顔がある。”のスローガンを忘れずに頑張っていきましょう。また会える日を楽しみにしています」と再会を約束するメッセージ。また、馬渕さんは「今回同じチームに、昨年11月に参加したときの方がいて再会できました。順位は前回同様3位だったけど、最後の綱引きで勝った時は北京で金メダルを取った時よりうれしかったです(笑)。大人から子どもまでみんなで頑張れるのがスポーツ。今日はみなさんと大いに楽しめました」と笑顔で感想を語りました。
オリンピアン退場の際の見送りハイタッチでは、中村さん、三宅さん、馬渕さんが、それぞれ自身が獲得したオリンピックのメダルを持参。そのことが紹介されると大きな歓声があがり、参加者は嬉しそうにメダルを触りながら、笑顔いっぱいのハイタッチ退場となりました。
フェスタ終了後、オリンピアンたちは被災地視察の一環として、城山公園高台と、震災で甚大な被害を受けた旧大槌町役場を訪問。大槌町教育委員会生涯学習課社会体育施設班の関貴紀さんが同行し、震災当時の様子やこれまでの復興の状況などを説明しました。
4回目となった大槌町でのオリンピックデー・フェスタは、今年も大盛り上がりのうちに終了。オリンピアン、参加者の皆さんも大いに楽しんだ様子で、参加者の方たちからは「またぜひ開催してほしい」という声が多く上がっていました。
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