日本オリンピック委員会(JOC)は1日、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で「平成27年度JOCナショナルコーチアカデミー開講式」を開催しました。
JOCナショナルコーチアカデミーは、オリンピックをはじめとする国際競技大会で活躍できる選手を育成・指導する真のエリートコーチや各種目スタッフの養成を目的としており、平成24年に策定された「スポーツ基本計画」に明示され、また「JOC GOLD PLAN」の長期的国際競技力向上計画の一環として位置づけられています。今年度の同アカデミーは各競技団体から32名の指導者が受講します。
コンセプトは、日本の代表としての品性・資質を兼ね備えた真のトップコーチを養成する『エリート』、職業観・倫理観・社会的責任において専門家としての誇りを持つコーチを養成する『プロフェッショナル』、国際基準を踏まえた戦略・強化指導を行うことができ国際舞台で活躍できるコーチを育成する『インターナショナル』、指導現場において選手および指導者間の双方向を意識できる指導者を養成する『インタラクティブ』、競技及びスポーツの枠を超えた交流・連携を図る『チームジャパン』の5つです。
開講にあたり選手強化本部長でもある橋本聖子JOC常務理事は「スポーツ庁設置法案が成立され、今年の10月1日からスポーツ庁が本格的に始動することになりました。スポーツを取り巻く環境が素晴らしく発展していくと思いますが、税金が投入されるということは、私たちはより結果を出していかないといけません。指導者がしっかりと育成されなければトップにもなれません。ここに来ていただいているコーチのみなさんの質の高さによって、これからのスポーツ界の成績が変わってくるのではないかと思います」と、開講にあたって参加コーチたちを激励しました。
続いて文部科学省の先卓歩スポーツ・青少年局競技スポーツ課長は「10年前、20年前と比べてスポーツに対する社会的なまなざし、信頼感がどんどん増してきていると感じています。スポーツが学校体育や産業として、そして医療、福祉の政策として重要であるということはみんながよく理解しています。JOCは2020年東京オリンピックで、金メダル獲得数3位、実施28競技すべてで入賞という目標を掲げています。この目標はコーチスタッフとして活躍される皆さんの手腕にかかっています。本アカデミーに参加するみなさんは自身のコーチ力を磨くだけでなく、この機会に他競技のコーチ・スタッフとチームジャパンの絆を深めていただきたいと思います」とあいさつしました。
続いて選手強化副本部長の福井烈JOC理事により行われたカリキュラムの紹介では、同アカデミーが「コミュニケーション」「コーチング」そして「マネジメント」の3つの柱で構成され、講義によって知識を得るだけではなく、ケーススタディーを用いた事例研究により、より実践的な内容になっていることが説明されました。そして最後に、「学ぶことをやめたら教えることをやめなければならない」というサッカーフランス元代表監督のロジェ・ルメール氏の言葉が紹介されると、受講者たちは引き締まった表情を見せていました。
同アカデミーは、9月17日まで合計32日間で実施され、各専門家による「プレゼンテーション論」「マネジメント論」「スポーツ医・科学サポート論」「スポーツ情報戦略」などの講義を実施。最終週に口頭試験、筆記試験、プレゼンテーション試験が行われます。
CATEGORIES & TAGS