日本オリンピック委員会(JOC)は3月7日、岩手県岩手郡雫石町の雫石スキー場で平成26年度最後となる「オリンピックデー・フェスタ in 雫石」を開催しました。
オリンピックデー・フェスタは、東日本大震災復興支援JOC「がんばれ!ニッポン!」プロジェクトの一環として、「スポーツから生まれる、笑顔がある。」をスローガンに、オリンピアンやアスリートがスポーツを通じて被災地の皆様とのふれあい活動を行うイベントです。
今回の参加オリンピアンは、水泳・競泳の中村真衣さん(2000年シドニーオリンピック女子100m背泳ぎ銀メダル、400mメドレーリレー銅メダル)、スキー・ノルディック複合の荻原次晴さん(1998年長野オリンピック出場)、バレーボールの齋藤信治さん(2008年北京オリンピック出場)、スピードスケートの黒岩敏幸さん(1992年アルベールビルオリンピック男子500m銀メダル)、ソフトボールの馬渕智子さん(2008年北京オリンピック金メダル)の5人。岩手県沿岸部、盛岡市、雫石町の小学生103人とともに、雪上運動会形式のスポーツプログラムを楽しみました。
この日はオリンピックデー・フェスタの前に、雫石町の深谷政光町長や、地元のハートニットプロジェクトを行っている橋本重美さんから、活動内容や震災時の状況を聞く時間が設けられました。中村さんは新潟中越地震の体験者でもあり、「被災地の方々のお話を直接聞き涙腺が緩みました」とコメント。荻原さんは「復興支援は被災地を見て、話を聞くことだと思った」と、被災地視察や震災時の話を聞くことの重要性を語りました。
開会式では、荻原さんがオリンピックデー・フェスタの聖火として各会場を巡る「つながる火」の灯ったトーチを右手に持ち、山頂より見事な滑りで入場して聖火台に灯しました。そして、オリンピアンを代表して黒岩さんが「今日は岩手県沿岸部と内陸部から103名の参加です。スポーツを通して絆、友情を深めていきましょう」とあいさつ。開催地を代表して深谷町長が、「沿岸部の復興を願ってJOCがたくさんの行事をやってくださっています。今回で3回目の開催となる雫石には津波で沿岸部の各町村より460人が避難してきました。みんなも頑張って今日は1日楽しんでください」とエールを送りました。また、会場となった雫石スキー場がある雫石プリンスホテルの小西司支配人は「雫石スキー場はスキーアルペンの世界選手権も開催した会場です。素晴らしいオリンピアンの皆さんと目いっぱい楽しんでください。今回ご尽力をいただきましたみなさまありがとうございます」と話しました。
その後実施した雪上運動会では、オリンピアン5人が各チームリーダーとなり、「手つなぎ鬼」「雪上フラッグス」「そりリレー」「雪玉入れ」の4種目を行いました。
今回はスキー場での実施ということで雪上ならではの種目を実施。雪上を走りフラッグを取り合う「雪上フラッグス」ではオリンピアン戦としてオリンピアン5人が男女に分かれ、1本のフラッグを取るという、ここでしか見ることのできない本気の戦いもあり、会場全体が盛り上がる注目の戦いが行われました。そりをバトン代わりにしてリレーを行う「そりリレー」で、中村さんは低学年の参加者を心配してけがをしないようそりに寄り添っての対応をする心配りを見せていました。
参加者だけでなくオリンピアンも勝利に向かって一生懸命プレーし、チーム優勝を目指し本気の戦いを繰り広げました。参加したオリンピアン全員がオリンピックデー・フェスタの参加経験があったこともあり、連携やチームワークもよく、とても楽しい雰囲気の中で運動会が行われました。
閉会セレモニーでは、齋藤さんが「つながる火」を紹介。平成27年度開催の被災地会場へこの「つながる火」を送り届けることを誓いました。また、馬渕さんは「みんなさまざまなスポーツをやっていると思います。今日みんな頑張ったようにこれからも頑張っていってほしいです。今日のこの経験は私にとっても大事な時間になりました。ありがとうございます」とあいさつ。続いて荻原さんからは「みんな今日はありがとう。楽しかった。それはみんなが一生懸命頑張ったからです。頑張るから楽しい。この気持ちを忘れないでこれからもみんな頑張ろう」と参加者に呼びかけました。
退場時は、中村さんのシドニーオリンピック銀・銅メダル、黒岩さんのアルベールビルオリンピック銀メダル、馬渕さんの北京オリンピック金メダルを触りながら笑顔でのハイタッチ。オリンピアン5人のサイン色紙も全員にプレゼントされ、参加者は満足した様子ですべてのプログラムを終えました。
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