日本オリンピック委員会(JOC)は11月9日、岩手県大槌町の城山公園体育館で「オリンピックデー・フェスタ in 大槌」を開催しました。
オリンピックデー・フェスタは、東日本大震災復興支援JOC「がんばれ!ニッポン!」プロジェクトの一環として、「スポーツから生まれる、笑顔がある。」をスローガンに、オリンピアンやアスリートがスポーツを通じて被災地の皆様とのふれあい活動を行うイベントです。
今回参加したオリンピアンは、競泳の青山綾里さん(1996年アトランタオリンピック出場)、北川麻美さん(2008年北京オリンピック出場)、スキー・フリースタイルの畑中みゆきさん(2002年ソルトレークシティー、2006年トリノオリンピック出場)、ソフトボールの馬渕智子さん(2008年北京オリンピック金メダル)、テコンドーの濱田真由選手(2012年ロンドンオリンピック出場)の5人。下は4歳から上は88歳まで、幅広い年齢層の大槌町民81名が集まり、運動会形式のスポーツプログラムを楽しみました。
開会式ではオリンピアンを代表し、宮城県塩竈市出身の畑中さんが「まだまだ復興が進んでいませんが、私も同じ震災を経験した者として、少しでも大槌の皆さんに笑顔が生まれるよう、今日は1日楽しみたいと思います」とあいさつ。また、大槌町教育委員会の伊藤正治教育長が開催地を代表して登壇し、「大槌町では3回目の開催となりますが、毎回スポーツから元気をもらってきました。現在は、2016年の岩手国体に向けて、たくさんの準備をしています。今日は5名のオリンピアンの皆さんと楽しんでけがのないように過ごしてください」と参加者にエールを送りました。
運動会では、オリンピアン5人がリーダーとなり、5つのチームに分かれて「手つなぎ鬼」「大玉転がし」「ボール運び」「綱引き」の4種目が行われました。初参加の北川さんが「やっぱりアスリートの性格なのか、勝負事だと勝ちたくなる」とコメントするなど、各チーム優勝を目指して熱い戦いが繰り広げられましたが、一方でオリンピアンは休憩中に積極的に参加者と会話をし、ふれあいの時間を大切にしていました。
閉会セレモニーでは、濱田選手がオリンピックデー・フェスタの聖火として各会場を巡る「つながる火」を紹介し、オリンピアン全員から一言ずつメッセージが送られました。青山さんは「参加者のお一人が綱引きの際に『絶対に諦めちゃダメだよね』と話していたことが印象的でした。大槌町の現状をいろんな方々に発信していきたいと思います」とコメント。馬渕さんは「スポーツは年齢を超えてさまざまな人を一つにします。被災地の皆さんが元気になるために協力できるイベントがあれば、これからもぜひ参加したいと思います」と述べました。
オリンピアン退場時には、馬渕さんが北京オリンピックの金メダルを、濱田選手が今秋行われた仁川アジア大会の銀メダルを持参していることが紹介され、普段見ることのできないメダルを触りながら、笑顔あふれる見送りハイタッチに。さらに、参加者全員にオリンピアン5名のサイン入り色紙もプレゼントされました。
イベント終了後、オリンピアンたちは旧大槌町役場と福幸きらり商店街を訪問。「おらが大槌夢広場」の東梅和貴さんから震災当時の状況や現在の生活、今後の復興計画について説明を受けました。震災で自身が学んだことなど、東梅さんの経験に基づく心のこもった話に、オリンピアンは深くうなずきながら熱心に耳を傾けていました。
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