日本オリンピック委員会(JOC)は10月5日、宮城県大崎市の大崎市田尻総合体育館で「オリンピックデー・フェスタ in 大崎」を開催しました。
オリンピックデー・フェスタは、東日本大震災復興支援JOC「がんばれ!ニッポン!」プロジェクトの一環として、「スポーツから生まれる、笑顔がある。」をスローガンに、オリンピアンやアスリートがスポーツを通じて被災地の皆様とのふれあい活動を行うイベントです。
今大会の参加オリンピアンは、フェンシングの千田健太選手(2012年ロンドンオリンピック男子フルーレ団体銀メダル)、サッカーの大竹七未さん(1996年アトランタオリンピック出場)、矢野喬子さん(2012年ロンドンオリンピック女子銀メダル)、バレーボールの齋藤信治さん(2008北京オリンピック出場)、カーリングの金村萌絵さん(2006年トリノ、2010年バンクーバーオリンピック出場、旧姓目黒)の5人。大崎市内の小学生212人とともに、運動会形式のスポーツプログラムを楽しみました。
開会式では、チームジャパンを代表して千田選手が「アジア大会では応援ありがとうございました。今日は皆さんに会えることを楽しみにしていました。アジア大会のメダルを持参したので閉会後、ぜひ見て触ってください。今日は全力で楽しみましょう!」とあいさつ。開催地を代表して壇上に立った伊藤康志大崎市長は、「元気をいただくため、世界で活躍中の皆さんに来ていただきました。震災から3年半が経ちました。スポーツを通して元気をいただきましょう。大崎市は内陸最大の被災地です。スポーツを楽しみ、喜びを得て、皆さんが元気になれば復興も進みます。2020年(東京オリンピック・パラリンピック)に向けて頑張りましょう」と話しました。
運動会では、5人のオリンピアンが各チームリーダーとなり、「手つなぎ鬼」「大玉転がし」「ボール運び」の3種目を行いました。
「手つなぎ鬼」では子どもたちの逃げ足の速さに、オリンピアンもたじたじ。子どもたちは、本気で追いかけてくるオリンピアンから逃げながらも、楽しげに歓声を上げていました。
「大玉転がし」「ボール運び」では、元バレーボール代表の齋藤さんが、身長205cmの大きな体をかがめて子どもたちと一生懸命に作戦タイム。積極的に掛け声を出すなどの作戦で、1回目の最下位から、2回目には順位を大幅に上げるなど、勝利に向かってみんなで協力していく大切さを伝えていました。
閉会セレモニーでは、大竹さんがオリンピックデー・フェスタの聖火として各会場を巡る「つながる火」を紹介。オリンピアン全員からのあいさつでは、矢野さんが「みんなで協力していくことは難しいけれど、一生懸命やることは大事です。これからも続けていってほしいです」、続いて金村さんが「目標に向かって頑張ることはすごく大切です。これからもいろいろなスポーツを頑張っていってください」とエール。千田選手は「何事も最善を尽くしてやっていれば、大体は次に良いことが返ってくると思う。日々、一生懸命を心掛けてほしいと思います」と言葉を送りました。
参加者代表の小松康平君は「心の中には震災の悲しみが残っていますが、今日の楽しみを胸に抱いて頑張っていきたいです」と、1日を過ごしたオリンピアンたちへ御礼を伝えました。
退場時は、矢野さんのオリンピック銀メダル、千田さんのオリンピック銀メダル、アジア大会金メダルを触りながらの見送りハイタッチ。子どもたちのうれしそうな笑顔とともにイベントは終了しました。
イベント終了後、オリンピアンは被災地視察の一環として大崎市の沼部公民館を訪問。大崎市市民協働推進部震災復興推進室の担当者から、震災当時の状況や今後の復興計画について資料を用いながらの説明を受けました。大崎市は最大震度6強の地震で、道路が崩落し家屋が激しく損壊。オリンピアンたちは当時の写真を見ながら、震災の脅威と今後の備えの大切さを強く実感していました。その後、震災で大きく被災した酒蔵を改装してできた醸室(かむろ)を訪れ、代表の方から震災時の状況を聞き、地元の名産品の販売コーナーを見学して被災地視察を終えました。
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