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2014.08.19 イベント

競技者・チームを取り巻く関係者の連携を促進することを目的としたディスカッションを実施

競技者・チームを取り巻く関係者の連携を促進することを目的としたディスカッションを実施
山下泰裕ワーキンググループ委員長は問題解決へ意欲的に語った
競技者・チームを取り巻く関係者の連携を促進することを目的としたディスカッションを実施
会議中に出た具体的な課題を挙げた為末大さん

 日本オリンピック委員会(JOC)は14日、味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)で、選手の環境改善を目的とした「第1回アスリート・アントラージュ ラウンドテーブル・ディスカッション」を行いました。

 アスリート・アントラージュとは、選手のパフォーマンスを最大限発揮できるよう連携協力する、選手を取り囲む関係者のことと定義している。文部科学省は、スポーツの指導現場での暴力問題が社会問題となったことを受けて、コーチングにおける課題の共有及び改善・充実のための連携した取組みを推進する「コーチング・イノベーション推進事業」を立ち上げ、その中の「アスリート・アントラージュ連携協力推進事業」がJOCに委託されました。

 今回のディスカッションは、為末大(陸上競技)、宮下純一(競泳)、朝日健太郎(ビーチバレーボール)、米田功(体操)、米満達弘(レスリング)、千田健太(フェンシング)、穴井隆将(柔道)、桑田真澄(野球)、渡部暁斗(スキー)、勅使川原郁恵(スケート)、寺尾悟(スケート)、荻原健司(スキー)、高橋尚子(陸上)の13人がアスリート代表として参加し、それぞれが選手を取り巻く環境に関して感じた事柄を発表するとともにフリーディスカッションが行われました。

競技者・チームを取り巻く関係者の連携を促進することを目的としたディスカッションを実施
高橋さんは夏季、冬季のアスリートが集まって話すことの意義を訴えた

 為末さんは「さまざまな問題があったんですが、大きく言うと指導者との関係、これは暴力も含めての問題。それから選手たちが引退後の人生も含めて、スポーツだけじゃない、スポーツ以外の能力や魅力を持った人間になるか。スポーツ文化の方の問題。もう一つは、国内競技連盟(NF)の問題。私たちが所属している各協会のマネジメントやガバナンス、コンプライアンスの問題がたくさん発言されました」と議論の内容を説明。高橋さんは「これだけの夏季や冬季の選手が一つの場所に集まって討論をするというのは今までになかったことですので、競技の垣根を越えて多くの会話をし、また問題を定義し合えたと思います。2020年の東京オリンピック、それ以降のスポーツの状況においても大きく変われるように、この意見を大切にしたいと思います」と今回の話し合いの意義を話しました。

競技者・チームを取り巻く関係者の連携を促進することを目的としたディスカッションを実施
渡部暁斗選手は現役の立場から意見を述べた
競技者・チームを取り巻く関係者の連携を促進することを目的としたディスカッションを実施
議論の中ではさまざまな課題が挙げられた

 また、現役選手として参加した渡部選手は「とても有意義な時間を過ごすことができました。少しでも協力して、スポーツ界がより良い方向に進んでいってくれたらなと思います」と感想を述べました。山下泰裕ワーキンググループ委員長は、「問題を解決していくのは簡単ではありませんが、解決していく覚悟がなかったらこの会を開くつもりはなかったし、意味はありません。文部科学省、日本体育協会、JOC、日本スポーツ振興センター、NFとも連携を取りながら選手を取り巻く環境の改善に励んでいきたい」と決意を表明しました。

 この会議は、来年2月まで合計6回開かれ、競技団体やスポーツ界に向けて環境改善のための提言を行います。

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