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2013.12.11 キャリア支援

JOCの就職支援「アスナビ」:トップアスリートが経済同友会に支援を求める

JOCの就職支援「アスナビ」:トップアスリートが経済同友会に支援を求める
経済同友会の前原金一副代表幹事・専務理事(写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:トップアスリートが経済同友会に支援を求める
青木剛JOC副会長兼専務理事(写真:アフロスポーツ)

 日本オリンピック委員会(JOC)と経済同友会は5日、トップアスリートの就職支援ナビゲーションシステム「アスナビ」の説明会を日本工業倶楽部で開催しました。「アスナビ」とは、オリンピックや世界選手権などを目指すトップアスリートの生活環境を安定させ、競技を安心して続けられる環境を作るために、企業の就職支援を呼びかける活動です。

 今回で12回目となった説明会には就職支援を求めるアスリート8名(うちビデオ登場2名)、ゲストのオリンピアンとして競泳の伊藤華英さん、上田春佳選手、バレーボールの小田勝美さん、ビーチバレーの朝日健太郎さん、レスリングの小原日登美さん、パラリンピアンとして射撃の田口亜希選手が参加し、経済同友会メンバー41社53名に対して支援を呼びかけました。

 まず、経済同友会の前原金一副代表幹事・専務理事が、現状のアスナビについて紹介しました。続いてJOCの青木剛副会長兼専務理事は「開催が決まった2020年東京オリンピック・パラリンピックは有形、無形のレガシー(遺産)をスポーツ界に残すでしょう。皆さまのさらなるご協力があれば、アスナビも無形のレガシーのひとつになります」と述べ、さらなる支援を要請しました。

JOCの就職支援「アスナビ」:トップアスリートが経済同友会に支援を求める
基調講演を行った平井伯昌氏(写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:トップアスリートが経済同友会に支援を求める
キッコーマンの松毅氏と現役引退を表明した競泳・上田春佳選手(写真:アフロスポーツ)

 基調講話では、北島康介選手、寺川綾選手ら多くのオリンピックメダリストを育てた平井伯昌競泳日本代表ヘッドコーチが、「世界で勝ち抜く人材を育てる」と題し、自らの経験を交えた人材育成論を語りました。「世界をリードする気概を持つ」「選手を知る」「チーム制強化」「ティーチングの重視」という4点から平井流指導法の秘けつを明かし、「スポーツを通じて、社会のリーダーになる人間を育てるべく、企業の皆さまのご協力をお願いします」とトップアスリートに必要な就職支援を訴えました。

 続いて、選手を採用した企業の事例報告として、キッコーマンの松毅執行役員・人事部長と、同社に2011年4月に入社し、ロンドンオリンピックで銅メダルを獲得した競泳の上田選手が登壇。松氏は上田選手を採用した面接の裏側や、同社における勤務形態、社業と競技生活の両立に向けた取り組みを紹介しました。
 上田選手は、同社の社員による応援が力になり、活躍につながったエピソードを披露。また、2013年限りの現役引退を表明し、「キッコーマンの社員として、社会人としても成長していきたいです」と今後への抱負を語りました。

 次に、2013年9月にビーチバレー・小川将司選手を採用したポピンズの横尾隆義取締役、説明会当日にアイスホッケー・小西あかね選手の採用内定を発表した久慈設計の久慈竜也社長が、採用のねらいや選考の手法などを紹介しました。

 そして、八田茂JOCキャリアアカデミーディレクターのコーディネートの下、現役選手がプレゼンテーションを実施。選手たちは緊張しながらも、就職状況や現在の練習環境について熱心に説明を行いました。

JOCの就職支援「アスナビ」:トップアスリートが経済同友会に支援を求める
丸茂圭衣選手(左)と岸彩乃選手(写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:トップアスリートが経済同友会に支援を求める
松下桃太郎選手(左)と高橋侑子選手(写真:アフロスポーツ)

■丸茂圭衣選手(水泳・シンクロナイズドスイミング)
「最大の目標は2016年リオデジャネイロオリンピックのメダル獲得です。日本代表として活躍することで、企業のイメージアップに貢献します」

■岸彩乃選手(体操・トランポリン)
「リオを目指し、がんばる姿を社員の皆さまにも見ていただくことで、オリンピックを身近に感じていただければと思います。ご支援いただければ会社の看板を背負い、感動していただけるような選手になります」

■松下桃太郎選手(カヌー)
「父が『日本一を目指すように』と願い名付けられましたが、今の目標は世界一、リオの金メダルです。カヌーは海外遠征が多いので、採用していただいた際には何でもやる覚悟です」

■高橋侑子選手(トライアスロン)
「私の最大の目標は、東京オリンピックの金メダルです。そのためにリオで結果を残したいです。まだまだ未熟ですが、2020年の頂点を目指して挑戦するために、応援よろしくお願い致します」

JOCの就職支援「アスナビ」:トップアスリートが経済同友会に支援を求める
山田勇磨選手(左)とパラアスリート上山友裕選手(写真:アフロスポーツ)

■山田勇磨選手(テコンドー)
「日本のテコンドー界では、男子のオリンピック入賞者がいません。次のオリンピックでメダルを獲得し、新たな歴史の1ページを刻みたいと思います。ぜひ、企業の皆さまにそのサポートをいただければ思います」

■上山友裕選手(パラリンピックアーチェリー)
「現在は通常の勤務で働いていますが、現在の練習量ではパラリンピックのメダルの可能性は5%ほどです。練習時間と遠征費などの資金面で支援をいただける企業に所属し、リオ、東京のパラリンピックに臨みたいと思います」

■岩本憧子選手(スキー・フリースタイル ※ビデオ登場)
「現在はオリンピック出場権獲得のため、海外遠征に出ています。競技を通じて見せる力、勝負強さ、忍耐力を学びました。この3点を最大限に発揮して、会社を盛り上げ、お役に立ちたいと考えています」

■堀珠花選手(アイスホッケー ※ビデオ登場)
「女子日本代表『スマイルジャパン』は、どんな時でも笑顔を忘れずに、明るく、たくましく乗り越えていこうと約束しています。採用していただければ、皆さまを元気づけられるプレーができるようにがんばります」

JOCの就職支援「アスナビ」:トップアスリートが経済同友会に支援を求める
企業関係者との懇親会に出席した八田ディレクター(中央/写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:トップアスリートが経済同友会に支援を求める
荒木田JOC理事、オリンピアン・パラリンピアンとメディア関係者らによる懇談会(写真:アフロスポーツ)

 終了後、就職支援を求める選手6名は、企業関係者との懇親会に出席。選手たちはプレゼンの時とは異なり、笑顔を見せながら企業関係者と言葉を交わしました。また、ゲストとして参加したオリンピアン・パラリンピアンや平井氏、松氏、荒木田裕子JOC理事とメディア関係者らによる懇談会も行われ、アスリートと企業の関係や、就業形態、キャリアに対する考え方について、活発な議論が行われました。

 JOCでは今後も、一人でも多くの選手と一社でも多くの企業が、双方にとってプラスになる雇用を実現させられるよう、「アスナ ビ」による支援を行っていきます。

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