日本オリンピック委員会(JOC)は19日、味の素ナショナルトレーニングセンターで「平成25年度JOC国際人養成アカデミー開講式」を開催しました。
このアカデミーは、国際競技力向上に不可欠な組織力、人力、財政力の強化を見据えた国際人の養成および将来国際舞台で活躍できる若手の育成を目的とし、JOCゴールドプランの長期的国際競技力向上戦略の一環として位置づけられています。
3年目を迎えた今年度からは、名称を「JOC国際人養成プログラム」から「JOC国際人養成アカデミー」に変更。開講式には、JOCや文部科学省、JOC加盟競技団体等から推薦された22名の受講生、アカデミーのスクールマスターや講義を担当する講師、競技団体関係者らが参加しました。
開講式冒頭、JOCゴールドプラン委員長の福井烈理事は「スポーツ界において国際力と競技力は切っても切れない関係にあります。また、今後のスポーツ界の底上げという観点からも、スポーツ外交力の育成はとても大切です。ぜひ、みなさんにはこのアカデミーを最大限活用して、国際舞台で活躍する力をつけてほしいと思います」と受講生を激励しました。
続いて、来賓の杉浦久弘・文部科学省スポーツ青少年局競技スポーツ課長があいさつに立ち「スポーツ界においてもグローバル人材の育成は大きなテーマになっています。各競技団体に国際的に活躍できる人がいて、国際的なつながりを持つことは重要です。日頃からの国際舞台での交流が、さまざまなメリットを生みます。ぜひ、この成果を国内外で存分に発揮することをお祈りします」と述べました。
オリエンテーションでは、アカデミーの木村興治スクールマスター(JOC名誉委員)が今年度の概要を説明。「みなさんがこのアカデミーで培った国際力を生かし、コツコツ頑張って日本人のフェアな精神で、信頼され、評価される人材になって、チームジャパンの国際力向上に寄与することを期待します」と述べ、国際力の重要性を訴えました。
次に今年度から導入されるアセスメント(修了試験)に関して、村里敏彰スクールマスターが「アセスメントによってみなさんの弱いところをしっかり掴むことで、今後のさらなる国際力強化につなげていきたいと考えています」と導入の経緯や目的について説明を行いました。
最後にアカデミーの講義の中でも高い割合を占める語学研修について、ベルリッツジャパンのシリル・デスランドさんが英語で紹介。質問に対しては3秒以内に返答を求められる点、積極的な質問を歓迎する点、講義中の日本語使用禁止、辞書の使用禁止、携帯電話など通信機器の使用禁止といった語学研修に対する心構えが伝授されました。
開講式終了後にはさっそく「国際人考」と題した第1回の講義が行われました。日本テニス協会名誉会長で、大手電機メーカー・ソニーの創業から世界市場における成長に携わった盛田正明氏が講師を担当。これまでの経験から、盛田氏が考える国際人像を紹介し、受講生たちも熱心に聞き入っていました。
アカデミーは11月上旬まで週末を中心に行われ、受講生たちは語学、スポーツ知識などの講義や外国語によるプレゼンテーション、ディスカッションなどを通じて国際力向上を目指します。
CATEGORIES & TAGS