日本オリンピック委員会(JOC)は12月19日、味の素ナショナルトレーニングセンターで「平成24年度JOC/NF(国内競技団体)国際担当者フォーラム」を開催しました。
このフォーラムは、世界情勢に伴うスポーツ組織の国際戦略及び国際力強化について学び、2013年9月7日の2020年オリンピック・パラリンピック開催地決定に向け、招致活動の状況を理解し、NFをはじめとするスポーツ界の協力体制を確立する目的で開かれました。会場にはJOCの役員・国際専門部会員、NFの国際担当役職員、東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会(招致委員会)の役職員らが集まりました。
開会のあいさつで招致委員会理事長でもあるJOCの竹田恆和会長は、2013年3月上旬に国際オリンピック委員会(IOC)評価委員会が公式報告書作成のため東京を訪問することについてふれ、「評価委員会が各競技会場を視察する際には、各NF会長などの役員とオリンピアンに説明を行ってほしい」と招致活動への協力を求めました。
■2020東京招致に向け、欠かせないNFによる協力
まず、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致について、招致委員会副理事長兼専務理事である水野正人JOC副会長が、「日本のおもてなしの心、ホスピタリティを世界に伝えていきましょう」と、会場の人々に呼びかけながら、ここまでの招致活動の取り組みについて報告しました。
続いて、招致委員会戦略広報部・鈴木徳昭シニアディレクターが今後のNFとの連携について説明し、NFによる招致活動への国内外を問わない協力を要請しました。
最後に、招致委員会副理事長の福田富昭JOC副会長のかけ声のもと、参加者全員が「がんばるぞ!」の声を出して、日本スポーツ界が一体となって招致活動を行うことを誓いました。
■共有されたスポーツ界のさまざまな国際対応の経験
招致の話題に続いて、JOC国際専門部会長である野上義二JOC理事による、「昨今の世界情勢(経済・紛争等)から学ぶ、スポーツ組織の国際戦略」というテーマの基調講演が行われました。
続いて、「国際スポーツ社会の中での日本の存在意義と国際力強化について」と題して、JOC国際専門部会の村里敏彰副部会長がコーディネーターとなり報告が行われました。
まず、「選手派遣に伴う危機管理について」というテーマで、日本スケート連盟の平松純子理事、日本卓球協会の木村興治副会長、日本トライアスロン連合の大塚眞一郎専務理事の3名からNFが行った危機管理対策についてレポートがありました。
二つ目に「国際力強化に向けたNFの対応」と題して、国際競技連盟(IF)やアジア競技連盟(AF)、国際競技大会の場における日本の「国際力」について学びました。
IFにおける日本人役職員の就任・参加状況についての事務局からの報告に続き、「IF/AF役員選挙からみる日本の国際力」というテーマで、2012年10月に行われたIFの役員選挙で理事に再選された日本トライアスロン連合の大塚専務理事が、再任されるまでの経緯などを話しました。
最後は「IF/AFや国際大会におけるプレゼンスの向上」について、IF理事で日本水泳連盟の佐野和夫会長と、IFの艤装(ぎそう)委員会委員で日本セーリング連盟国際委員会の堤智章委員長から「国際力」の現場に関して報告がありました。
すべての報告終了後、平成24 年度の「JOC国際人養成事業 修了式」が行われ、JOCゴールドプラン委員会委員長である福井烈JOC理事から修了者に修了証と記念品が手渡されました。
最後にJOCの市原則之専務理事が閉会のあいさつで、今回のフォーラムを総括した後、アルゼンチンで出会った日系人も2020年東京オリンピック・パラリンピックに期待しているという話を紹介し、「日本国内だけでなく、日系人の皆さんも大いに期待しているオリンピックをスポーツ界一丸となって、日本の東京で開催しましょう」と、今後の招致実現へ向けたさらなる協力を呼びかけ、「平成24年度JOC/NF国際担当者フォーラム」を締めくくりました。
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