第22回オリンピック冬季競技大会(2014/ソチ)日本代表選手団が25日に帰国し、都内で記者会見を行いました。会見には橋本聖子団長、古川年正副団長、伊東秀仁総監督、田畑真紀副将、小笠原歩旗手に加え、メダリスト5名が出席。大会を終えての感想、応援への感謝の気持ちなどを述べました。
以下、参加した10名のコメント要旨です。
■橋本聖子団長
(今大会は)2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催が決定してすぐのオリンピックということで、冬季・夏季の垣根を越えて、心をひとつにして「チームジャパン」として頑張ろうとスタートを切りました。過去最多となった113名の選手たちが一丸となってソチの地で頑張ってくれまして、目標として掲げた長野オリンピックを超える「金5個、総数10個」のメダルには届きませんでしたが、チームジャパンとして自信と誇りを持って、本日無事に帰国させていただくことができました。
葛西(紀明)選手(スキー・ジャンプ)を主将に、チームジャパン一丸となって頑張ることができました。41歳という年齢にもかかわらず、7回目のオリンピックで自身初となる個人(種目の)メダルを獲得できたのは、彼の素晴らしい選手としての姿だけでなく、人間としての素晴らしい競技力を発揮することができたからではないかと思います。そして15歳の平野(歩夢)選手(スキー・スノーボード)が銀メダルを獲得してくれました。15歳から41歳という幅広い年齢でメダルを掲げてくれたというのは、素晴らしいメッセージ力があるのではないかと、私自身、選手には心から感謝をしているところです。
■古川年正副団長
(担当した)雪の競技がトリノ、バンクーバー大会でメダルが取れないという現状を踏まえて、今回は羽生(結弦)選手(スケート・フィギュアスケート)の金メダルを含め、8個(スキーで銀4個・銅3個)のメダルを取りました。私どもにとって少しは氷の競技に恩返しができたのかなと思っております。
15歳の平野選手、そして平岡(卓)選手が初めて日本代表選手団にメダルをもたらしてくれました。そして葛西選手が41歳でメダルを取りましたが、雪の競技会場では象徴的なものになったと思っています。
■伊東秀仁総監督
(担当した)氷上競技では、羽生選手が2大会ぶりに金メダルを獲得しまして、大変うれしく思います。スピードスケートにおいては、オランダ勢が個人種目の7割以上のメダルを取ったことでオランダ対各国という構図に今後なると思っています。またショートトラックでは、1種目もA決勝に進めませんでした。厳しい結果となりましたので、このスケート競技においては特に反省と検証をしっかり行い、次の平昌に向けて対策を打ち出したいと思います。
他の種目においても、4大会ぶりに出場したアイスホッケーでは、強豪相手に惜しい試合をたくさん重ねたと思っております。次の大会へ必ずつながっていくと思います。それから最後に出場権を獲得したカーリングですが、世界ランキング上位を数々打ち破り、過去最高(に並ぶ)5位となりました。カーリングでもさらに強化対策を打ち立てて、ぜひ次の平昌でメダルに手が届くところまで頑張っていただきたいと思っています。
■田畑真紀副将(スケート・スピードスケート)
ソチオリンピックでは、日本チームが心をひとつにして最後まで諦めることなく、ベストを尽くすことができました。たくさんの応援、本当にありがとうございました。現地ではソチのボランティアの素晴らしいサポートにとても感動を受けました。そしてマルチサポートハウスや、選手団スタッフの方々のおかげで、最高に頑張れる環境を作っていただき、コンディションもしっかり整えることができ、気持ちよく競技に向かうことができました。
ソチオリンピックに向けて4年間、私たちを支え、応援していただいた方々に、心より感謝いたします。またこの素晴らしい経験を生かし、次の平昌オリンピック、そしてその先、これからの未来を担う子供たちに夢を与え続けられるよう、みんなで力を合わせて精進していきたいと思います。
■小笠原歩旗手(カーリング)
旗手の話をいただいてから約2カ月間、本当に私でいいのかという後ろめたい気持ちもあったのですが、開会式で日の丸を持った瞬間に、旗手として日本選手団を盛り上げないといけないという自覚をいたしました。私が日の丸を掲げ、後から入場した選手団の中から8つのメダルが生まれたということは、非常にうれしく思っているのですが、残念ながら私がその中に入ることができなかったのは残念に思っています。
閉会式でも、もう一度旗手として、日本の旗を掲げる大役をいただきました。カーリングはまだまだマイナーな競技だと思っていまして、それでもこうして大役をいただいた団長はじめ関係者の皆さまにはお礼を申し上げます。これを機に、いろいろな競技がもっともっと注目していただけるように、今後も日本のカーリング界と日本のスポーツ界のために少しでも力になれればと思いました。
■羽生結弦選手(フィギュアスケート男子シングル金メダル)
たくさんの応援をいただき、こうやって金メダルを胸に下げて日本に帰ってきたことをとても誇らしく思います。ただ僕自身、演技の内容についても満足しているわけではありません。ショートプログラムでは納得できるいい演技ができましたが、(フリースケーティングは)これからも続く課題となる演技となってしまったので、今後はオリンピックチャンピオンとしてチャンピオンらしい演技ができる、強いスケーターになれるよう精いっぱい頑張っていきます。
■平野歩夢選手(スノーボード男子ハーフパイプ銀メダル)
応援ありがとうございました。15歳での(冬季)最年少メダリストということで、今後歴史に残りそうな結果を残せて、銀メダルに終わったのもいい経験になり、この先いろいろな自信になりそうです。
■竹内智香選手(スノーボード女子パラレル大回転銀メダル)
ソチオリンピックでは、たくさんの応援ありがとうございました。私自身、4度目のオリンピックで初めて、どうやって戦うべきなのか、どのように勝ちにいくべきなのかを含めて知ることができた大会となりました。すごくいい感触をもって挑んだのですが、銀メダルという形に終わったことは悔しく思っています。ただ、マイナー競技としてアルペンスノーボードをたくさんの人たちに知ってもらえたのはメダル以上の喜びですし、一過性のものに終わるのではなく、少しでもスノーボードやウインタースポーツに興味を持っていただいて、次世代につながるようにこれからも頑張っていきますので、応援よろしくお願いいたします。
■小野塚彩那選手(スキー・フリースタイル女子ハーフパイプ銅メダル)
今回のオリンピックから始まった新種目で、始まる前から何かをするのではなく、メダルを取って、国民の皆さまや応援してくださる方々へアピールすることが、一番説得力があると思っていました。それが実になって良かったですし、たくさんの人の支えがあってここに立つことができたので感謝しています。これからアスリートとして、スキーヤーとして海外に出て、もっともっとスキーのハーフパイプや日本の女子選手がどんどん海外に出ていけるようなレールを作っていきたいと思っていますので、これからも応援よろしくお願いします。
■平岡卓選手(スノーボード男子ハーフパイプ銅メダル)
小さい頃から目標にしていたオリンピックでメダルを取れて、スノーボードが世の中の人に見てもらえたことが一番うれしいです。応援ありがとうございました。
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