日本代表選手団のベストパフォーマンスを引き出すための支援施設「マルチサポートハウス」。文部科学省のマルチサポート事業の一環として、オリンピックでは2012年ロンドン大会で初めて設置され、過去最多となるメダル38個獲得の躍進を支えました。
その支援拠点が、冬季大会では初めてソチオリンピックで導入されました。今大会では、氷上競技を実施する沿岸エリアと、スキー競技などが行われる山岳エリアに各1カ所ずつ設置。沿岸エリアは約30人、山岳エリアでは約25人の常駐スタッフによって運営されています。
ハウスで受けられる支援は多岐にわたります。体のケアスペースには、マッサージベッドが用意されているほか、トレーニングルームには自転車やバランスボール、ストレッチポールなどの器具・用具を完備。常駐の医師らによるメディカルケアも充実しており、試合前のコンディション作りに最適な環境が整っています。海外の遠征先から直接ソチ入りした選手に特に人気なのが、疲労回復やリラックス効果を目的としたリカバリーバス(温浴)。沿岸エリアでは15日までに20件ほどの利用があったとのこと。なお山岳エリアには、温浴に加えて交代浴の設備もあります。
食事面でのサポートも充実。管理栄養士の指導の下、ビュッフェ形式の日本食が提供されているほか、予約制でリカバリーボックス(試合用補食)の配達も行われています。さらに、食堂のテレビでは、日本のテレビ番組も視聴可能となっており、国内にいるかのようなリラックスした雰囲気づくりに一役買っています。
そして今回、新たに導入されたのが用具整備スペース。沿岸エリアではスケート靴の調整が、山岳エリアではスキー板の整備が可能となっています。競技用具が試合結果に大きな影響を及ぼす冬季大会ならではの支援と言えるでしょう。
そのほか、集中したいときなど、一人の時間を過ごしたい選手のために設けられたコンセントレーションスペース(個室)やミーティングスペースの提供、映像などによる情報分析のサービスも行われており、選手や関係者のさまざまなニーズに対応できるようになっています。
沿岸エリアは2月1日、山岳エリアは3日に運営を始めた両ハウスとも、大会最終日の23日まで開設されます。利用した選手の反応も上々とあり、マルチサポートハウスの重要性は、今後ますます高まりそうです。
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