ソチオリンピックは14日で前半戦が終了。日本代表選手団は、昨夜のフィギュアスケート男子シングル・羽生結弦選手の金メダルなど、ここまで4つのメダルを獲得。多くの試合が日本時間の夜中に行われることもあり、白熱した戦いの連続に寝不足の人も多いのではないでしょうか。
開・閉会式や氷上競技を実施する6会場すべてが建ち並ぶ黒海沿岸部のオリンピックパークは連日、世界中から観客が集まり賑わいを見せています。表彰式が行われるメダルプラザには、聖火台を前に記念撮影をする人たちの笑顔があふれ、大会運営を支える多くのボランティアも、少しでも迷ったしぐさを見せると声を掛けてくれたり、すれ違うたびに「よい一日を!」と明るく送り出してくれたりと、実にフレンドリー。大会前には近隣地域の情勢不安からテロも懸念されていましたが、そんなことはみじんも感じさせない、まさに「平和の祭典」ムード一色です。
広大な敷地には、表彰式が行われるメダルプラザを中心に、競技会場のほか、日本をはじめ各国オリンピック委員会のホスピタリティハウスやスポンサー企業によるパビリオンなどが点在し、まるで一大テーマパークのようです。また、大道芸人や伝統音楽グループによるパフォーマンス、夜にはフィギュアスケートの会場「アイスバーグ・スケーティング・パレス」でプロジェクションマッピングも行われ、昼夜を問わず華やかな雰囲気が漂います。
パーク内では、思い思いのスタイルで応援に駆けつけた観客も、人々の目を楽しませています。ロシア国旗はもちろんのこと、世界各国・地域の旗が至るところで揺れ、大会公式マスコットのかぶりものや民族衣装を身にまとった人など、個性豊かな格好の人たちがパークを彩ります。次々と記念写真を求められるこうした人気者の中には、「日本」と書かれた日の丸の鉢巻きを締めた日本人の姿も。大会全期間を観戦予定という東京都在住のこの男性は「2006年トリノ大会からすべてのオリンピックに来ています。とにかくオリンピックが好きなんです」と、興奮気味に話してくれました。
観客の競技以外のお目当てと言えば、大会公式グッズです。メダルプラザ近くにある巨大なグッズショップには連日、長蛇の列ができています。ところ狭しと並べられたアイテムの品ぞろえは、各種ウエア、バッグ、キーホルダー、公式マスコットのぬいぐるみから、ロシアの伝統工芸品マトリョーシカ人形をあしらったティーポット、スーツケースに至るまで、実に多岐に渡ります。ショップ店員によると、中でも人気なのは、ニット帽子やピンバッジ、表裏にオリンピックシンボルと各国の国旗のワッペンが縫い込まれた手袋とのこと。特にピンバッジは、オリンピック名物のピンバッジ交換のために買い求める人も多いそうです。
さらにパーク内では、広大なロシア各地域の歴史や文化をアピールする博覧会「The Exposition of Russian Regions」も開催。パーク内最大となるこの展示スペースでは、8つの連邦管区別に、手工芸品や豊かな自然を伝えるジオラマの展示、工芸品制作の実演などが行われています。実際に手芸品を作る体験コーナーもあり、目で見るだけでなく、実体験でロシア文化を学べるように工夫が凝らされています。競技だけでなく、開催国への理解を深めることができるのも、オリンピックの魅力の一つ。訪れた人は、可愛らしい伝統の置物をじっくりと眺めたり、民族衣装姿のスタッフに積極的に質問したりと興味津々の様子でした。
1日では回りきることのできない、見どころ満載のオリンピックパーク。これから始まる後半戦へ、祭典ムードはますます盛り上がりそうです。
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