ソチオリンピックの選手村を報道陣に公開するメディアツアーが4日に行われ、各国の報道陣が取材に訪れました。
オリンピックパークに隣接された黒海沿岸部の選手村(コースタル・ビレッジ)には期間中、スケートやアイスホッケーなど氷上競技の選手・役員ら約2000人が生活。70ヘクタールを超える広大な敷地では、徒歩以外に自転車やバスによる移動も可能です。
31棟が建ち並ぶ南側の居住棟には、すでに入村した各国の旗が掲げられ、日本の棟には日の丸のほか、日本オリンピック委員会のエンブレムや「FIGHT! TEAM JAPAN」と書かれた横断幕が飾られています。南向きの部屋からはわずか数百メートル先の黒海が望め、リゾートとして有名なソチならではの風景が選手たちの心を癒してくれます。オリンピック初出場となるスピードスケートの木菜那選手は、「部屋が広くて、とても快適です」と初めての選手村生活を楽しんでいる様子でした。
選手村のメディアツアーで最もにぎわう場所が食堂です。約500席が並ぶ大きな食堂では、地元ロシアの料理はもちろん、アジア、ヨーロッパなど世界中の料理が提供され、日本食もご飯やおかゆ、みそ汁(具はワカメ、豆腐、なめこ)、たくあんなどが食べられます。そのほか、各種ドリンクやマクドナルドも含め、食堂内の全メニューが無料。一つ一つの料理に細かい栄養素の数値が記載されているのも、栄養管理に気を配る選手にとっては助かります。
アイスホッケーの久保英恵選手、足立友里恵選手らスマイルジャパンのメンバーは、口をそろえて「どれも凄くおいしいです」と話すなど大満足の様子。取材に訪れていたトリノオリンピック・フィギュアスケート金メダリストの荒川静香さんも、「私が知っている過去の選手村の食事で一番充実しています」と話していました。
憩いの場として選手が集う娯楽施設には、ビリヤードや卓球台、各種ゲーム機が並び、好きなDVDを鑑賞できるビデオルームなども設置されています。そのほかにも、トレーニングジムや銀行、郵便局、売店、美容室、花屋など生活を支えるさまざまな施設や店舗も充実。コースタル・ビレッジの村長を務める陸上競技女子棒高跳のエレーナ・イシンバエワ選手(ロシア)は、「これまでのオリンピックの中で最も良い選手村の一つです」とアピールしていました。
また、この日は国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長が選手村に訪れ、食堂では選手とともに食卓を囲みました。日本からは木選手のほか、スピードスケートの住吉都選手やウィリアムソン師円選手が出席。緊張の面持ちを見せながらも会長との懇談を行うなど、貴重なひとときを過ごしました。
選手村はこのほか山間部にも2カ所(マウンテン・ビレッジ、エンデュランス・ビレッジ)あり、スキーやバイアスロン、ボブスレーなどそり競技の選手・役員ら約4000人が入村する予定です。
関連リンク
CATEGORIES & TAGS